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待ち合わせの時間つぶしに本屋を物色した時に“これは読みたい!”と見つけたのは坂口安吾の「二流の人」。
見てないけど大河ドラマでもやっている黒田官兵衛の話。
天才策士、秀吉に天下を取らせた知将、呼び名はいろいろあるけれど安吾は「二流の人」と言う。
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この本は面白いですよ。
人物描写が絶妙だし、冷徹な描写で誰かを持ち上げることもない。如水に対しては“カサ頭のチンバ(小説中の表現です)”なんて書いてる。
この本には安吾の絶筆となった「真書 太閤記」も収められているが、坂口安吾は歴史作家としては忠実、小説家としてはデカダンな人なんでしょうか?
坂口安吾といえば「堕落論」が有名で引いてしまう人は引いてしまって読まない作家。
名作は多いけど、以前は「堕落論」以外は絶版で全集で読むしかなかった作家だったと記憶しています。
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せっかくなんで安吾の作品をネットで探してみると、名作揃いの文庫本を見つけた。
さすがは岩波文庫。昔の岩波文庫はカバーもない廉価本で名作揃いながらも引いてしまったが、今じゃ装幀も楽しめて名作が復刻されている。
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書評なんてのは書かないけど、この12編に短編集に収められた作品の中で特に秀逸なのは以下の通り。
『桜の森の満開の下』...泉鏡花を連想させます。
『アンゴウ』...結末に感動して泣きそうになる。
『夜長姫と耳男』...おどろしくも血なまぐさい話。読み方によって読了感が変わります。どう読むか?です。
『白痴』...今更書く事何もない。その絵づらが浮かんできます。
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