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滋賀の湖南地方は修験道が盛んだったとされる地で、巨石が多く見られることから「石の文化」が根付いている地でもあります。
湖南地方には名瀑と呼べる滝が多くあり、深山に分け入らなくてもたどり着ける滝がいくつかあることから、何度も足を運んだ地です。
三雲から甲賀へ抜ける道は地元の人やゴルフ場へ行く人が使うような道ですが、信楽側にあるアセボ峠を車で越えるのが可能になったのは1983年のことだといいます。
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道沿いに「不動之滝」の石標が建つ横には車を停められるスペースがあり、車を停めて滝への道を降りていく。
滝への道はよく整備されており、最後はコンクリートの階段を下ればすぐ滝に到着する。
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階段の手前には「お滝の道(高野山真言宗 薬王院)」から奉納された石碑があります。
真言宗の滝行が行われていたのかとも推定されますが、やはり修験道と密教の修行には密接なつながりがあるということなのでしょう。
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滝への道は間違いようもない道になっていますが、案内板がいくつかあります。
「行場」とはっきり書かれているので、今も滝修行される方がおられるのだと思います。
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滝が見えてくるとピリピリとした緊張感が伝わってきます。
巨石に囲まれた奥に二筋の滝が落ち、上部には注連縄、手前には不動明王を祀った祠があります。
手前の道には盛り塩が両脇にあったことから、ここは穢れを祓い清めなければ入れない聖域とされていることが伺われます。
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滝は2段2筋になって流れ落ち、落差は5mほどとはいえ水量が多いので迫力があり、何より場の空気感の迫力凄く、爽快感というより緊張感を強く感じます。
滝の前に祀られている不動明王は、密教では最高仏である大日如来の化身とされており、迷いの世界から煩悩を断ち切るよう導いてくれる仏とされる。
不動妙が滝の横に祀られていることは各所で見られ、滝修行される修行者が迷いを断ち切れるようにとの信仰に由来するのでしょう。
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滝を角度を変えて見てみましたが、この時期の滝は水量が多いので見応えがあります。
巨岩と間を縫うように流れ落ちる二筋の滝、滝壺とのバランスも見事で、自然が造った美に神を感じる日本人的な感性はいつの時代も変わりがなかったのだと思う。
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不動明王の祠の横から滝を眺めると、5mの落差とは思えない高さを感じますが、それは滝を挟んで外壁のように立つ巨岩の迫力によるものなのでしょう。
滝壺の水も落下する水の勢いで盛り上がったような形に見えるのも印象に残る。
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正面から見ると上段からの二筋がよく見える。
水飛沫で濡れた岩が光って見えるのも魅かれる光景です。
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滝から流れ出る川の向こう側の岩に古くはなさそうですが、摩崖仏があるのを発見。
倶利伽羅剣を持っているので不動明王かと思いますが、頭を丸めているので不動さんらしくはない。
これはどう解釈すればいいのか...。
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滝の下流側は緩やかな流れにはなっており、川幅は広くはないが美しく感じる清流です。
この川は市街地で荒川と合流して、最後は野洲川へ流れ込むようです。
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さて「不動之滝」から甲賀方面へ向かって進むと、道の横に“不動の泉「金命水」”という「三雲大日大聖不動明王」ゆかりの水場がありました。
湧き水というより沢の水のように見えますが、手前には小さな不動明王像を祀った祠があります。
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大量のペットボトルを持ってきて水を入れている人がいたので話を聞かせてもらいました。
ここへは花にあげるための水をよく取りに来られるとのことです。でもこの水は沸かさないと飲めないよ。ともおっしゃっておられました。
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水はパイプから勢いよく出てはいましたが、さすがに飲もうとは思えないので手を洗わせて頂くだけとする。
そのまま飲んでも大丈夫な湧き水の場所を教えては頂いたものの、ここからは結構距離があるということでしたので訪れることなく帰路につきます。
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道中、「東山 山の神」の石標があったので立ち寄ってみます。
滋賀では山の麓で「山の神」に出会ったり、田園地帯では「野神さん」に会ったりと古代からの信仰が今も残る場所が多い。
柵で仕切られた杉林が山の神の祭場かと思われますが、中には入れない。
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柵の横に細い道があったので奥まで行ってみたが、行き止まり。
杉林は下草があまり伸びてはいず整備された感がありますので、やはりここが祭場になるのかもしれません。
見えなかったけど林の裏側から水音が聞こえていましたから、奥には川が流れているようであり、どこからか聞こえてくるヒグラシの声がなんとも心地よい。
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