一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

不明を恥じたことを恥じる

2016-05-11 01:17:30 | 女流棋戦
9日は、マイナビ女子オープン五番勝負第3局。今回はYouTubeにてライブ配信されるのが大きな話題だった。これ、室谷由紀女流二段が挑戦者でなかったら、実現したかどうか。
いずれにしても、室谷女流二段の美貌が全世界に配信されるのはよろこばしいことであった。
当日私は仕事だった。傍らにスマホはあったが、うまく再生できない。局面もうまく見られず、前回同様、2ちゃんねるでの会話から、局面を類推するしかなかった。
昼すぎには形勢が傾き、室谷女流二段が有利になったようだ。夕方になり、偶然タップした場所から局面がアップされ、ここで状況を知ることができた。
形勢は室谷女流二段が優勢だった。大平武洋六段のツイッター解説では、室谷女流二段が勝勢になった時もあったらしいが、女流棋士の勝勢がてんでアテにならないことは、過去の例が証明している。
果たして数手後には差が縮まり、流れからいえば加藤桃子女王ノリの雰囲気になった。

仕事が終わり、夕食を摂り、私はPCから局面を見る。と、もう対局は終わっていた。
記譜を再生すると、やはり室谷女流二段が負けていた。
将棋を軽く振り返ると、第3局は先番室谷女流二段の向かい飛車だった。8筋を明け渡し、▲5五歩から動いていく。前局同様、左桂が▲6五桂と跳ね、敵銀と交換になったところでは、明らかに室谷女流二段が優勢となった。
加藤女王は△8一竜と引く。第1局でも出てきた粘りだが、こんな手しかないようでは女王が苦しく見える。だが、先手が決めるとなると難しい。加藤女王の実戦的な指し手が光った局面である。
このあたりから先手の指し手がおかしくなる。なんだか私が指しそうなダサイ手の連続で、もう少しスマートな順があったのではないか。
加藤女王は手に乗って△3二竜。現在後手は金香交換の駒損だが、駒の働きに重点をシフトすることによって、駒損をうやむやにした。この辺のテクニックが加藤女王は実にうまい。
▲8二竜に△7二歩。第1局でも△4二歩が絶妙の堤防役を果たしたが、この歩もよく利きそうだ。
戻って▲8二竜では、黙って▲9一とと香を補充したほうがよかったのではないか。
というのは、先手の竜が8五からどいたことにより、△6五歩の銀取りが効果的になってしまったからだ。その数手後、△6四馬が▲8二竜取りになったのも痛かった。
そして最終盤、▲3三歩が最後の悪手。ここは▲2五香打が最後の勝負手で、それで先手が有望だったようだ。
が、昼から極度の緊張で戦ってきた対局者と、クリアな頭で考えた私の手を比較してもまったく意味がない。ここは室谷女流二段に運がなかった。
△3一金まで室谷女流二段が投了し、加藤女王の2勝1敗になった。加藤女王はストレート負けでもおかしくなかっただけに、この結果ならオンの字だろう。第4、5局は気軽に指せると思われる。
対して室谷女流二段は第1局に続き、本局も「勝勢」の将棋を落としたわけだが、個人的にはもちろん不満だ。
第2局の快勝を見て、現在の室谷女流二段は違う、これは相当強い! と確信したが、早計だったと結論するよりない。
とにかく室谷女流二段は、もう少し終盤を鍛える必要がある。ひどい逆転負けを喰らうたび、私たちだって大きなストレスを抱え込むのだ。ちょっともう、こういうのは勘弁してほしい。
まあよい、室谷女流二段は本局を忘れることだ。第4局は勝敗を忘れ、のびのび指せばよい。室谷女流二段らしい、はじけた将棋を期待しています。
コメント (2)
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