一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

5月7日の大野・植山教室(3)

2016-05-22 21:54:01 | 大野・植山教室

第3図以下の指し手。▲1三角△3二銀▲5二歩△6六歩▲5一歩成△同銀▲同竜△同玉▲5三香△同金▲6二銀△4一玉▲5一金△4二玉▲5三銀成△同玉(投了図)
まで、大野七段の勝ち。

私は▲1三角と打った。これが地味ながら▲3一金△5二玉▲7二竜の詰めろになっている。大野八一雄七段は△3二銀と香を掃い、私は▲5二歩。これが詰めろになっていれば話は早いのだが…。
▲5二歩を△同玉は▲6一竜なので、大野七段は△6六歩。これを▲同金では寄せが速くなると見て、私は▲5一歩成△同銀の後、▲同竜からの詰みを考える。だがどう考えても詰み筋が見つからない。
しかしあまり長考しても周りに迷惑なので、私は予定通り▲5一同竜と切り、△5三同玉まで投了した(投了図)。

両者しばし無言。大野七段が「▲6二成桂でそっちの勝ちでしょ」と口を開いた。
「えっ?」
「△6七歩成に▲同歩で上が広いから、詰まないでしょ」
「あっ」
要するに、△6六歩の時、黙って▲6二成桂(参考図)と入れば上手玉は必至。以下△6七歩成で金は取られるが、下手玉の上が広いから、下手が勝っていた。▲6七同歩に△2一銀と引いても、▲3一金△同銀▲5一竜で詰む。

もっともこれは下手がうまくいきすぎで、大野七段の△3二銀では、△5三金と開かれるくらいでも、下手の攻めがむずかしかったと思う。
「終盤は二人がかりになっちゃったねえ」
「はあ、角が手に入っておもしろくなったと思いました」
いくら逆転しても、再逆転されては意味がない。
はああ…。どうも今日は勝ち運に見放されている。植山悦行七段だけだ、私を癒してくれるのは。
「大沢さんは穴熊を悪くいうから…」
とFuj氏。言わんとすることは分かる。先日の世田谷花みず木女流オープン戦の記事で、私が穴熊を悪く書いたことを言っているのだ。
だがあの記事は、解説者や対局者の言葉を忠実に起こしたに過ぎない。そこにクレームを付けられても困る。
時刻は午後5時50分を回っている。教室は5時までだからもうお開きのはずで、大野七段も「これからは閉席時間を厳守する」と述べていたが、もはやふつうに5時を過ぎ、大野七段の宣言はなしくずし的になっている。
私がヒマそうにしているのを見て、Og氏が対局に誘ってくれた。Og氏は大野七段の兄弟弟子で、元奨励会有段の実力者。退会後はブランクもあったが、棋力に衰えはない。
私の先手で▲2六歩△8四歩。Og氏は振り飛車党だが、居飛車も指す。ここから私の指し手がおかしかった。▲2五歩△8五歩としてひねり飛車を目指したものの、途中で気が変わって横歩取りを目指す。でもそれもやめて、結局ひねり飛車にした。
しかしその代償に▲8七歩と打っており、これはおもしろくなかった。
私は▲5七銀型から▲4六歩と突く。さらに▲4五歩と取り込んで指せると思ったのだが、第1図以後の手を間違えた。

図からOg氏は△8五桂。私は▲4六銀と位を確保したが、逸機だった。当然の△7七桂成に取りようがないので呆れた。
予定では▲同金だったが、△6五金と出られて下手敗勢。それで▲7七同飛と取ったが、これではダメだ。
本譜はOg氏がすぐに飛車を取らなかったので私は▲4四桂としたが、後でこの桂を取られて指し切りがはっきりした。
もう投げたいところだが、相手がOg氏ではそうもいかない。それでも十数手指して、もはやこれまでと投げた。Og氏も納得してくれたようだ。
感想戦。図からの△8五桂はふつうに▲同桂と取るところだったらしい。以下△8五同歩に▲8八角が捌きの継続手。△同角成▲同金(参考図)となれば、先手がノビノビしている。私はまったく浮かばず、ひねり飛車を指す資格がないとさえ感じた。

(つづく)
コメント
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