一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「オレたち将棋ん族エピソード2」出版記念イベント(前編)

2016-05-12 00:36:17 | 将棋イベント
先月30日は東京・亀戸で、バトルロイヤル風間氏の「オレたち将棋ん族エピソード2」の出版記念イベントがあった。
5月2日が休みだったら旅行に出ていたところだが、あいにく仕事だったため、イベントに参加する気になった。これも巡り合わせである。

当日は午前中に耳鼻科へ行ったのだが、ゴールデンウイークの序盤ということもあり、すごい人だった。
帰宅すると午後1時をとうに過ぎており、私は昼食を摂らずに亀戸に向かった。
会場は亀戸駅から徒歩2分のところにある「亀戸文化センター」の6階である。開場13時半、開演14時で、現在13時58分だからギリギリだ。
エレベーターに飛び乗ると先客が2人いて、ともに6階で降りた。会場は和室で、けっこうな客で埋まっていた。
まずは型通り「エピソード2」を買う。1,500円。購入済の人は木戸銭だけ払うが、それでも1,000円だから、私は定価972円の本を500円で買えたことになる。
傍らには「エピソード1」があったので、これも買う。1,450円(サービス価格)は「2」との価格設定がアンバランスだが、1のほうがボリュームがあった。なぜにこういう編集にしたのかは分からない。
室内の座席は、前3分の2が座椅子、後ろ3分の1が椅子だった。これで大部分の客がストレスなく、舞台を見られる。私は座椅子の最後列にしゃがんだ。
舞台では司会の後藤元気氏が何かの説明をしていた。すぐにバトル氏と、ゲストの木村一基八段が登場した。第1部はこの3人によるトークショーである。
まずは3人がビールで乾杯。
木村八段は「エピソード1」にはかなり「出演」したが、「2」では激減したと言って笑わせる。「将棋ん族」に載ることは、活躍のバロメーターを意味しているのだ。
さて「将棋ん族」は「週刊将棋」に32年も連載されたので、当然裏話も多い。ネタを考えるのにいろいろ苦労したそうだが、「昼は大山康晴、夜はカツラをかぶって長沢千和子」という、イメージするだけでも吹き出してしまう大山ネタを載せたことがあるそうだ。
この時は当局から大目玉を覚悟していたそうだが、幸い何もなかった。大山康晴十五世名人も、こうしたマンガがあることは認識していたそうだが、読んではいなかったらしい。
ちなみに大山ネタで私の一推しは、将棋マガジンに掲載された「大山康晴VS松尾芭蕉」だ。
2人が対局していて、松尾芭蕉が「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」とひねる。
「いかがですかな」と問う松尾芭蕉に、大山名人が一言。
「あんたの番だよ」
このシュールさがいい。

ちなみに他の棋士からは、何人かクレームが来たことがあるそうだ。しかし私に言わせれば、こんなクレームを付けること自体がヤボである。むしろ掲載されたことをよろこぶべきだろう。
羽生名人は当初ツリ目で描いていたが、ある時まじまじと顔を観察したら、実はタレ目でずっこけた、などは、私たちも笑いながら、なるほどなァと思う。
木村八段も「私もハブニラミにはニラミ返したいんですが」と笑わせる。ちなみに木村八段を生で拝見するのは、何年か前にLPSAの対局が新宿のホテルで行われた時にお見かけして以来だ。
バトル氏は自画像のイメージとはまったく違い、事実を淡々と話す感じだ。「あまり棋士の世界に入り込むのもいけない」とのポリシーだそうで、それは私もうなずくところである。一歩引いて将棋界を見る。この姿勢が息の長い連載に繋がったと見る。
週刊将棋の締め切りは、当初はかなりゆるかったらしい。しかしいつのころからか、金曜日夜になった。それゆえ、順位戦やタイトル戦が金曜日にあると大変である。深夜の対局結果を確認してからでは遅いから、A棋士が勝った場合と負けた場合と、2本を考えることになる。ちなみにそのボツネタが、「将棋ペンクラブ会報」に掲載されているアレである。
なお例外で、羽生名人×藤井猛九段戦で、どちらが勝ってもオチのセリフが同じ、というネタが1回だけあったそうだ。
などなど、バトル氏描くところの棋士はどれも特徴を捉えて似ているが、現在名人挑戦中の佐藤天彦八段は描きにくいらしい。
もしアマヒコネタが読みたければ、今後はネット配信(有料)で読むことになる。
この後も楽しい話は続いたが、14時30分にひとまず終了。バトル氏は後の出し物の準備があるとかで、一時退席。代わりに観戦記者の相崎修司が加わった。
木村八段「昔は、午前中はのんびりしていたんです。でも最近は序盤から息を抜けない展開になるんで、午前中からピリピリしていますね」
各棋士のエピソードなども出る。たとえば佐藤康光九段は、食事の時にゲンを担ぐらしい。
また屋敷伸之九段は、感想戦では「そうですね、そうですね」と相手に逆らわないらしい。いつもにこにこしている屋敷九段らしい逸話だ。
さて、準備中のバトル氏が再登場した。ハデな衣装に身を包んでおり、何か見せてくれるようだ。
(つづく)
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