12日は第2期清麗戦・香川愛生女流三段対渡部愛女流三段の一戦が行われた。先日の清麗戦で香川女流三段は大庭美樹女流初段を、渡部女流三段は飯野愛女流初段を破り、枠が隣り合わせだったため、今回の対決になったものである。つまり「愛愛対決」の第2弾である。
香川女流三段は元奨励会員で、2013年に里見香奈女流四冠(当時)から女流王将を奪取し、翌期も清水市代女流六段の挑戦を退けた。最近ではYouTubeにも進出するなど将棋普及に余念がない。でも当人は、本業での活躍を欲しているのはいうまでもない。
渡部女流三段も里見女流五冠からタイトルを獲った数少ない女流棋士で、要するに実力者同士の一戦である。
というわけで本局は、清麗戦サイトで無料中継があった。素晴らしい判断で、ヒューリック様は将棋ファンのことをよく分かっていらっしゃる。
注目の戦型は、香川女流三段の先手で、▲7六歩△8四歩▲1六歩から、香川女流三段が中飛車に振った。
さればと渡部女流三段は穴熊に潜る。対振り飛車戦において、渡部女流三段は穴熊の採用率が高い。しかしそれはガチガチに固めるものではなく、玉の遠さを主張するものである。
ただ私は、渡部女流三段は急戦のほうが性に合っていると思う。それは男性棋士戦において切った張ったの将棋をたびたび制していることからも分かる。でも作戦の採否を外野が論じたところで詮無い。
香川女流三段も穴熊に潜る。本局は、7月に両者が戦った女流王座戦と似た進行らしかった。
香川女流三段▲1五歩。穴熊には端歩を突かないことが多いが、相穴熊戦においては端歩を突き越すのが大きい、と聞いたことがある。香川女流三段は序盤の何気ない端歩を活用したわけで、これは香川女流三段が作戦勝ちになった気がした。
中盤、飛車交換になり、お互い竜を作る。しかし香川女流三段が端に覗いた▲9七角が敵陣に直射し、その分だけ香川女流三段が有利になったようだ。藤井猛九段が、降り飛車は居角のままでも敵陣を直射しているから良いのです、という意味のことを著書で述べていたが、今回はその典型的な例であろう。
終盤、劣勢に陥った渡部女流三段は△1四歩。私には一手パスに見えたが、△1五歩が入ると詰めろになるという。死んだフリして一発を狙っている。これだからプロの将棋は恐ろしい。
だが香川女流三段は一手先に攻めと受けを繰り返し、香川女流三段が制勝した。お互い桂香が駒台に乗らない、珍局だった。
香川女流三段は難敵を倒して視界よし。しかし私は渡部女流三段を応援していたから、残念無念である。
まあよい。幸い清麗戦は、再挑戦トーナメントがある。勝負はまだこれからである。
香川女流三段は元奨励会員で、2013年に里見香奈女流四冠(当時)から女流王将を奪取し、翌期も清水市代女流六段の挑戦を退けた。最近ではYouTubeにも進出するなど将棋普及に余念がない。でも当人は、本業での活躍を欲しているのはいうまでもない。
渡部女流三段も里見女流五冠からタイトルを獲った数少ない女流棋士で、要するに実力者同士の一戦である。
というわけで本局は、清麗戦サイトで無料中継があった。素晴らしい判断で、ヒューリック様は将棋ファンのことをよく分かっていらっしゃる。
注目の戦型は、香川女流三段の先手で、▲7六歩△8四歩▲1六歩から、香川女流三段が中飛車に振った。
さればと渡部女流三段は穴熊に潜る。対振り飛車戦において、渡部女流三段は穴熊の採用率が高い。しかしそれはガチガチに固めるものではなく、玉の遠さを主張するものである。
ただ私は、渡部女流三段は急戦のほうが性に合っていると思う。それは男性棋士戦において切った張ったの将棋をたびたび制していることからも分かる。でも作戦の採否を外野が論じたところで詮無い。
香川女流三段も穴熊に潜る。本局は、7月に両者が戦った女流王座戦と似た進行らしかった。
香川女流三段▲1五歩。穴熊には端歩を突かないことが多いが、相穴熊戦においては端歩を突き越すのが大きい、と聞いたことがある。香川女流三段は序盤の何気ない端歩を活用したわけで、これは香川女流三段が作戦勝ちになった気がした。
中盤、飛車交換になり、お互い竜を作る。しかし香川女流三段が端に覗いた▲9七角が敵陣に直射し、その分だけ香川女流三段が有利になったようだ。藤井猛九段が、降り飛車は居角のままでも敵陣を直射しているから良いのです、という意味のことを著書で述べていたが、今回はその典型的な例であろう。
終盤、劣勢に陥った渡部女流三段は△1四歩。私には一手パスに見えたが、△1五歩が入ると詰めろになるという。死んだフリして一発を狙っている。これだからプロの将棋は恐ろしい。
だが香川女流三段は一手先に攻めと受けを繰り返し、香川女流三段が制勝した。お互い桂香が駒台に乗らない、珍局だった。
香川女流三段は難敵を倒して視界よし。しかし私は渡部女流三段を応援していたから、残念無念である。
まあよい。幸い清麗戦は、再挑戦トーナメントがある。勝負はまだこれからである。