一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

藤井七段、敗れる

2019-11-20 01:11:56 | 将棋雑記
第69期王将戦リーグ最終局、広瀬章人竜王と藤井聡太七段の一戦は広瀬竜王が勝ち、初の王将位挑戦を決めた。藤井七段は残念だった。

本局、無料のインターネット中継はなく、日本将棋連盟が急遽解説会を決めてはいたが、私はそういうことに参加するおカネはないので、家でじっといていた(職安には行った)。
仕方ないからネット掲示板で情報を拾うと、どうも中盤は広瀬竜王が優勢。勝勢の目もあったりして、そのまま押し切りそうになっていた。
ところがそこで広瀬竜王に忖度ばりの悪手が出て、藤井七段に勝ちの目が出たらしい。
ところがそこで藤井七段が悪手を指し、最後は自玉の詰みを読み切れず、広瀬竜王に詰まされてしまった、という経過らしかった。詰将棋の名手・藤井七段らしからぬ幕切れである。
私がいつも述べていることだが、絶対に詰みがある詰将棋と、詰みのあるなしが分からない実戦では、後者の難度が遥かに高い。
また実戦でも、相手玉の詰み筋を読むのと、自玉の詰みなしを読むのとでは、精度が変わってくると思う。自玉の詰みは、詰まない願望が入る分、精度が弱くなると思うのだ。
また藤井七段は終盤1分将棋だったらしく、さすがに精査できなかったらしい。

藤井七段の敗退により、最も残念がっているのはマスコミだろう。恰好のニュースがおじゃんになったのだから、さぞ落胆していると思う。それでなくても本局は、昼のワイドショーでも夕方のニュース番組でも、そしてニュースステーションでも取り上げていたのだ。そして多くの将棋ファンも、落胆したのであろう。
私はといえば、別に私におカネが入ってくるわけでなし、どうということはなかった。むしろこれでよかったのではないか、とさえ思った。
だって17歳5ヶ月の棋士がタイトル戦に出てきたら、ほかの棋士のレヴェルはどうなっているのだという話になる。それでなくとも、ここまで5人のA級棋士と三永世名人が敗れているのだ。
将棋界最高のタイトルを持つ広瀬竜王は、棋士の代表として、最後に意地を見せてくれたと思う。
ただ、広瀬竜王は昨年、羽生善治九段のタイトル100期を阻み、今回も最年少記録とマスコミへの話題を潰した。ちょっとヒールになりかけているが、これが勝負の世界である。
王将戦では好勝負を期待している。

ああそれにしても、本局だけはネット中継を観たかった。
コメント
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