一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋の日の4時から男(前編)

2019-11-24 00:20:49 | 新・大野教室
17日は「将棋の日」ということもあり、久しぶりに大野教室に行った。最近は「女流棋士との指導対局会」ばかりに参加して、こちらはとんとご無沙汰だ。今回も「4時から男」だった。
ちなみに昨年の将棋の日は何をしていたのかと思ったら、神保町の魚百で、将棋ペンクラブの将棋会に出席していたのだった。あれは今年も開かれているのだろうか。
ノックして入室したが、大野八一雄七段らは将棋に夢中で、誰も私に気付かない。
あたりは見知らぬ子供ばかりだ。成人の知己もおらず、浦島太郎の気分である。
だいぶ経ってからOg氏が私に気付いた。
「大沢さん!」
W氏や大野七段もこちらを認め、みなで苦笑いになった。
「みんなが忘れたころにふらりと来るんじゃないかと話してたんだよ」
とW氏。
時間もないので対局に入る。小学生A君と対局がついた。飛車香落ちで、とW氏。
奥の和室に行き駒を並べると、「どちらが駒を下ろすんですか?」と小学生A君。どうも私が初心者と間違われたようだ。一応W氏に確認すると、「大沢さんに飛車香を落とす人はいないでしょ」。
ありがたい言葉である。
というわけで私が落とし、小学生A君は4時半に帰るとのことだったので、5分30秒で対局開始となった。
小学生A君は端に飛車を寄り、▲1四同飛に、私は△2三銀と上がる。これで飛車成はできない寸法だ。だが▲1八飛に△1三歩は消極的。これでは△2三銀と上がった意味がないので、△1四歩と打つのだった。
私は△4五歩から角交換をし、△3六角~△4七角成と馬を作る。この馬が大きく、この将棋はいただいたと思った。
ところが部分A1図で△2四歩と受けたのが緩手だった。

△2四歩では当然△2七歩▲同飛△2四歩と打つべきで、次の△3八馬の筋で焦らせるべきだった。
本譜は以下▲6六歩が落ち着いた好手で、桂馬をタダで取られてはいけない。
動揺した私は数手後△4四馬としたが、小学生A君に落ち着いて▲7七角と馬を消しにこられ、また参った。
持ち時間5分は私に有利と思ったが、むしろ私のほうが焦っている。私は局面を落ち着かせたいが、小学生A君は的確に急所を衝いて、私は悪くなるばかりだ。
そのまま終盤になり、小学生A君は「行っちゃえ」と馬を切る。それで私の玉を受けなしにした。最後の王手ラッシュは不詰みと読み切っての指し手で、強いと思った。
私は下手玉を追ったが詰まず、投了した(投了A図)。

私としては、第1図で△2七歩と打たなかったのが敗因。この手は浮かんでいたのだから何はともあれ打つべきで、実戦不足が祟ったというよりない。
私は気分で指すタイプで、初戦を勝てば今日は全勝できそうな気がするし、負ければ半分自暴自棄になって連敗したりする。今日が後者にならなければいいがと思った。
スマホを見ると、16時30分。彼の予定通りに将棋を終わらせてしまい、私は複雑な気分だった。
なおW氏によると、彼は研修会に通っているとのこと。それなら強いはずだが、次に対局すれば、まだ誤魔化せそうな気はする。
2局目はOg氏にお願いする。Og氏は「日本シリーズがある」とかでノートパソコンを立ち上げた。今日はプレミア12の決勝戦があるはずだが、まだ日本シリーズなんてやっていただろうか。
Og氏の上手(後手)三間飛車に、私は▲7八玉のあと▲9六歩。ここでW氏が私たちの将棋に気付いた。いわく、これから帰る子供が続出するので、それまで私と彼らを当てたいとのことだった。
それでOg氏との将棋は指し掛けにし、別の小学生君と指すことになった。
今度は2枚落ちで対局開始。▲3五歩に△2二銀を省いて他の手を指したら、すかさず▲3四歩と突かれて参った。このあたり、Tod氏のようにスルーしてくれないのである。
△2二銀▲3三歩成△同銀▲3四歩△2二銀。上手も1歩を持つ、が主張点だが、▲8八角が△2二銀に直射して、いつでも切れる状況にあるのは好ましくない。
私は△8六歩▲同歩△同金。そこで▲8四歩でまた参った。これ、大野七段の教えであろう。大人だって忘れがちなのに、子供はしっかり指すのが憎らしい。
私は△7二玉と引くよりないが、▲5五歩と薄くなった5筋を突いて下手勝勢。以下は指しようがないのだが、私は入玉模様で粘る。途中何度も寄りの局面があったが誤魔化し、ついに敵陣に突入した。
しかし▲8八銀が詰将棋のような好手。ここで上手、無念の投了となった(投了B図)。

上手2連敗である。将棋を指しに来て何がつまらないといえば、負けが込むことだ。おカネを出して不愉快な思いで帰ることほど、バカらしいものはない。
お次も子供との対局。今度は小学2年生らしい。低年齢化もここに極まれりだ。私の飛車香落ちで対局となった。
小学生C君も端に飛車を寄り、▲1四同飛。私は△2三銀と上がり、今度は△1四歩と受けた。
この後は華々しい戦いが続いたが、私は飛車を手持ちにしたから相当よい。
C1図の局面で、攻めるなら△5六桂、受けるなら△4五竜である。ここの選択を誤った。

(つづく)
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