愛子登場

夕方のニュース番組は、日本テレビの「News every.」をよく見ている。私は18時15分からの「今日の特集」が好きで、食レポ担当の坂田陽子さん、やない由紀さん、尾花貴絵さんらのファンだ。
４日（水）も観たが、本来ならこの時間は会社勤めをしていなければならないわけで、甚だしい自己嫌悪ではある。
この日は「豊洲老舗すし店奮闘記」で、豊洲移転１年の寿司店をレポートするものだった。よって今回は、女性レポーターはなし。
豊洲の寿司店「やまざき（YAMAZAKI）」は、築地市場廃止とともにこちらに移転したが、売り上げに苦戦している。店の主人は元サラリーマンの長男氏で、豊洲開店とともにこちらで働くようになった。それまで店は次男氏がキリモリしており、ほかに職人も多くいて、結構規模が大きかった。
長男氏いわく「売り上げは築地の７割」。とくに午前中の売り上げが悪いらしい。まあそうだろうと思う。築地は銀座方面に繋がっているから通勤に便利だが、豊洲はやや離れ小島だ。
長男氏、朝３時半には豊洲市場に行くから大変である。職場環境が変わるとストレスもかかるわけで、その気持ちはよく分かる。その類のストレスに堪えられなかったのが私だ。
長男氏は新婚だそうで、マンション住まいだ。マンションに行くと、新妻が出向かえた。「愛子」というテロップが出たので、ああ女流棋士にもそんな名前のひとがいた、と思ったら、ああっ!!　あの顔、高浜愛子さん本人!?　そうか寿司屋の女房!!
高浜女流２級は昨年３月に一般男性と結婚した。相手の素性は明かされなかったが、寿司店を経営しているという情報は得ていた。それがここだったのだ。
テレビではもちろん、高浜女流２級が女流棋士ということが紹介された。六寸盤で将棋研究をしているカットになり、「いま幸せです」のコメントも流れた。
女流棋士のトップでバリバリ活躍するのもいいが、女流棋士の傍ら内助の功に務めるのも、ひとつの幸せの形である。
お店は長男氏が社長に就任し、売り上げ改善の一策として、朝のセットメニューを企画した。高級ネタを中心に５貫で2,000円。私には手が出ない額だが、それでも3,000円相当を値引きしたという。
テレビの威力は絶大である。これを機に、勤め人や観光客が訪れれば将棋ファンとしてもうれしい。高浜女流２級の勝利と「やまざき」さんの発展をお祈りします。