一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

煙が目にしみる

2019-12-03 00:06:44 | 将棋雑記
BS12トゥエルビで5日(木)19時から、「煙が目にしみる」(毎週木曜日・各話20分・全20話)が放送される。
これはNHKの「銀河テレビ小説」枠で1981年6月から7月まで放送された、再放送である。
脚本は愛棋家のジェームス三木。奨励会三段が年齢制限ギリギリながら四段目指して奮闘するというストーリーで、モデルは鈴木英春元奨励会三段とされる。
なお当時三段リーグはなく、13勝4敗か9連勝で四段昇段だった。年齢制限は30歳。
主人公の根本信吾を演じるのは、ピラニア軍団の川谷拓三。テレビドラマの「3年B組貫八先生」では神崎貫八、映画「ドカベン」では殿馬一人を演じた。またCMでは、山城新伍とやりとりをする「きつねどん兵衛」がおなじみだった。1995年、54歳の若さで逝去した。
共演は、根本の恋人・フラメンコダンサーの宮坂千草役に根岸季衣、師匠の内堀八段役に松村達雄。
四段昇段の苦しみを、川谷拓三が抑えた演技で熱演する。
根本を想い、生活のために文字通り一肌脱ぐ千草が泣かせる。松村達雄も、役柄の師匠としての言動に若干の疑問を残すが、昭和の棋士らしい雰囲気を出している。
番組のオープニングは、気鋭青野照市七段(当時)が伊藤看寿の「煙詰」を解いていく趣向で、全117手を1話6手ずつ詰ましていった。
棋士のゲスト出演もあり、物語の中盤で、将棋会館の前で根本がある棋士とすれ違うシーンがある。カットが変わってその棋士が振り向くと、それは大山康晴十五世名人だった。
花村元司九段と石田和雄八段(当時)の対局シーンもあり、優勢になってケラケラ笑う花村九段と、不利になってボヤく石田八段の音声が収録されている。
最終回のラストシーンでは、タイトルと同じ状況になるオチとなる。
川谷拓三の将棋を指す手つきがたどたどしいのはご愛嬌である。川谷拓三自身、大部屋生活が長く、私は川谷拓三と根本を重ねて見た。当時私は高校生だったが、クラスの多くも観ており、「きのう『けむしみ』観た?」が合言葉だった。

38年前にこのような将棋ドラマが作られていたとは、将棋ファンとして誇らしい。内容もまったく古びておらず、私は、再び根本に会えるのが楽しみでならない。
5日の放送は19時20分ごろから、1話のみ。翌週以降は2話ずつ放送される。
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