一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

レジェンドは強かった(後編)

2019-12-19 00:10:47 | LPSA麹町サロンin DIS

第5図に戻る。ここは△3九飛も魅力だが、△5七歩成(参考D図)も有力だ。

対して▲同金直は△4八飛が厳しいので、▲同金左。以下△同飛成▲同金△4八飛に▲5八で耐えている、の読みだったが、そこで△5六歩(参考E図)に気が付いた。

以下▲4八飛△5七歩成にA▲4六飛は△6六歩(参考F図)で、イ▲同角は△5六金、ロ▲同歩は△6七金である。

よってB▲4九飛と引くが、平凡に△4八金と飛車を攻められて、これは気分的に下手負けである。上手の美濃囲いが固すぎる。
……なんだい。△5七歩成は対局中も気付いていたのに、感想戦で触れなかったのは大失敗だった。

深夜、風呂の中でもまだ考える。第5図の前、第4図で蛸島彰子女流六段は△4九銀と打ったが、これは▲4五歩を軽視していた。そこで露骨に△5七銀(参考G図)はなかったか。考えてみればいちばん自然な手で、△4九銀が女性的なら、△5七銀は男性的である。

これには▲5五歩で受かると見ていたが、それは△4六銀引成があって不可だ。
よって▲4五歩と銀を取るが、△6八銀成(△5八銀成は▲同銀で下手の得)で、▲同金は△5七金がうるさいから▲同角と取る。以下△5七金に▲4六銀打(参考H図)で受かっていると思うが、以下も上手の攻めは続きそうだ。

そもそも私が△5六歩と拠点を作らせたのが失敗で、それまでのツクリが悪すぎた。
第4図の局面は、公式戦なら△5七銀以下潰されていたと思う。
そしてそれは第5図でも同様である。公式戦なら、△5七歩成は指していたと思う。
問題は、これらの結論を蛸島女流六段が知らないことだ。蛸島女流六段がどこかでこの将棋を振り返ってくれればいいが、指導での将棋をそこまで考えまい。ただ「△7七角成は無理攻めだった」というイメージだけが残ったとしたら、それは残念なことである。
次回蛸島女流六段にお会いした時でもお伝えしたいが、そのチャンスは相当ない。
コメント
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