一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

5月15日の大野教室(中編)

2021-06-30 00:25:03 | 新・大野教室
さて、4局終わって4連勝。前回(7日)が6戦全敗だったから、きょうはそのお返しである。
そして5局目はいよいよ、大野八一雄七段に教えていただく。

初手からの指し手。(角落ち)△6二銀▲7六歩△5四歩▲5六歩△5三銀▲4八銀△4二玉▲2六歩△3二玉▲2五歩△4二金▲3六歩△8四歩▲6八銀△6四歩(第1図)

出だしはとくに述べることもない。気が向いたら振り飛車も指したいが、大野七段は右玉でうまくいなしてくる。それがイヤだから私も居飛車で挑んでしまう。

第1図以下の指し手。▲6六歩△5二金右▲7八金△8五歩▲7七銀△6三金▲5八金△7四金▲6七金右△6五歩▲同歩△同金▲6六銀(第2図)

△6四歩に▲6六歩は当然だろう。すると大野七段は右金をするすると進出してくる。これも大野定跡のひとつである。
△6五歩▲同歩△同金に▲6六銀とぶつけるのは一公定跡で、これに△6四金と引くのもいつも通り……と思いきや、今度の応手は違った。

第2図以下の指し手。△6六同金▲同角△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲3五歩△6五銀▲8八角△6六歩▲7七金寄(第3図)

大野七段は△6六同金と取ってきた。これは▲同角で金銀交換になって下手が得だが、上手も△6五歩や△6六銀があり、下手もイヤなところがある。それゆえ▲同金と取るべきだったかもしれない。
大野七段が飛車先の歩を交換したのに対し、私が▲5七角と引けば、やはり△6五歩がある。
それで▲3五歩とし次の▲3四歩を狙ったが、それを横目に△6五銀と打たれてしまった。
以下▲8八角△6六歩に▲同金は△同銀▲同角△6五金で下手不利。よって▲7七金寄とし、これで耐えていると思ったのだが……。

第3図以下の指し手。△5五歩▲同歩△4四銀▲6四金△7六銀(途中図)
▲同金△6七歩成▲7九銀△7八と▲同銀(第4図)

大野七段は△5五歩と味を付けて、△4四銀。私はチャンスとばかり▲6四金と打ち付けた。これに△5六銀なら▲6六金と歩を払って下手十分だ。
ところが大野七段に△7六銀(途中図)と出られて、飛び上がった。

これは▲同金と取るよりないが、△6七歩成が厳しい。
これを▲同金は△8七飛成で下手壊滅。よって私は▲7九銀と耐えるしかなく、大野七段は△7八とと金を取った。これで駒の損得はないが、私が▲6四金と手放したのが痛すぎるのだ。
……あれっ? じゃあ△7六銀は第3図の時でもできたわけだ。だが△5五歩▲同歩が入り、私にムダな▲6四金を打たせた現局面の方がさらに上手に好条件なわけで、私は最悪の順に踏み込んだことになる。この将棋は負けた、と思った。

第4図以下の指し手。△6七歩▲6九歩△6二飛▲6五金引△7四歩▲6七銀△7三桂▲6六金引△5五銀▲6八歩△6六銀▲同角(第5図)

第4図で△6七歩が鋭い利かし。次の△6八金を防いで▲5七銀と受けたいが、それは△5六歩で下手ダメ。よって私は泣く泣く▲6九歩と受けたが、6筋に歩が立たなくなり、またひとつ楽しみを摘み取られた。
大野七段は△6二飛~△7三桂と進出し、私は▲6五金引~▲6六金と後退する。まことに悔しいが、宙ぶらりんの▲6四金が戦力に戻ったので、救いはある。だが△5五銀も気持ちよい進出で、私は▲6八歩と支えるよりない。
△6六銀には▲同金や▲同銀もあるが、駒が密集していたほうがいいだろうと、▲6六同角と取った。

第5図以下の指し手。△6六同飛▲同金△5七歩▲2四歩△同歩▲5一飛△4五角▲5七銀△2七金▲5八飛△8八歩(第6図)

大野七段はノータイムで△6六同飛。なんだ、これで下手陣は潰れているのか、と呆れた。
▲6六同金に△5七歩も厳しそうだが、このスキに▲2四歩△同歩▲5一飛。さっきからやられっ放しだが、わずかに楽しみが出てきた。
△4五角には落ち着いて▲5七銀と拠点を払う。対して△2七金は、ここに金を使ってもらってありがたい気がした。▲5八飛と逃げたが、飛車は十分に働いている。
大野七段は△8八歩。私はもっと直截的な手を恐れていたが、このくらいの手なら、意外と下手が良くなっているんじゃないか? と思った。

(つづく)
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