一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

5月15日の大野教室(前編)

2021-06-29 00:45:32 | 新・大野教室
5月15日(土)は午前中に1ヶ所行くところがあり、そのあとに大野教室に行った。よって、入室は午後2時を過ぎていた。
今月は3回目の教室である。実は1ヶ月パスポートを使っているので行けば行くほど得をするのだが、5月は16日(日)は行けるが、21日(金)は無理っぽい。つまり月に6回行けるところを4回しか行けず、損得勘定は微妙である。ただまあ、大野八一雄七段に4局教えていただけるのだから、それでもお得といえよう。
15日の1局目はOk氏と。
「手合いは二枚落ちでいいですか?」
「やだよ。平手にしてよ」
というバカバカしい会話を経た後、Ok氏の先手で対局開始。Ok氏は毎回奇襲戦法を採用するが、きょうは▲7六歩△3四歩に▲7七桂ときた。いわゆる「鬼殺し」だ。いままで指していたお神酒指しのような手より雑な気がするが、将棋は本人が指したい手を指すものなので、それで構わない。
△6二銀▲6五桂に、私は△4四歩と角交換を拒否した。
Ok氏は「角交換をさせてくれないのか……」とつぶやき、▲7三桂成。しかしこれは△同銀で、私の有利が確定した。
数手後の△6四歩▲5五角にも、△5二桂とガッチリ受けてしまう。得した桂だからもったいないとは思わない。
私はその後も駒得を拡大し優勢になったのだが、▲3六桂めがけて△3五歩と取りにいったのが疑問だった。Ok氏は▲2四桂と歩を取りつつ自爆したが、この2四のキズが存外大きかったのだ。具体的にはこのあと、▲2五歩から▲2六飛と回る手がある。歩切れの私は、分かっていても受けにくいのだ。
だがOk氏が咎めにこなかったため、表面上は私の順当勝ちとなった。しかし将棋はどんなに優勢になっても油断してはいけない、と勉強になった一局。
2局目は新規の成人男性とで、私の四枚落ち。対局が始まったが、男性氏はそれまでの四枚落ち君とはちょっと雰囲気が違い、私は気を引き締める。そうでないと、軽く吹っ飛ばされてしまう気がした。
男性氏はうまく指していたのだが、香をすぐに成らなかったのが躓きの元。つまり飛車も渋滞してしまったので私が飛車先を止めることができ、何とか行ける気がした。
中盤、私は金を持ったので、△6五金で角を殺す。あまり気が進まないが、こういう下手には大駒を殺しておいたほうが、ダメージが大きいと見た。
そして入手した角で王手飛車をかけて、勝負あった。最後は上手らしく、下手玉を即詰みに討ち取った。
局後に話を聞くと、男性氏はネットで将棋を指しているとのこと。やはり実戦経験が豊富だと、指し手が違うものである。
3局目は少年と平手戦。少年の四間飛車に、私は急戦で臨んだ。私は△9九角成~△8九馬と桂香得して優勢。この将棋は勝てそうな気がした。
左では、Shin氏と先ほどの男性氏が四枚落ちで対峙している。これは男性氏がうまく指し、勝勢。そこで男性氏が▲6四銀(図)と打ったのが好手だった。

玉の腹から銀を打て、を地で行く手で、この手を指せるとは男性氏、只者ではない。実戦もいくばくもなく、Shin氏が投了。あまりにもアッサリ負かされたので、Shin氏が数手プレイバックしてから指し直しをしたが、それも男性氏が寄せきった。男性氏、強い。
男性氏は、私が教えた「飛車が成れるときはすぐに成るように」を実行してうまくいったとのこと。男性氏、なかなかお世辞がうまい。
まあそれはともかく、彼がこのまま精進すれば、初段はすぐだと思う。
私の将棋は、私が優位を拡大し、最後は先手玉を即詰みに討ち取った。

4局目はShin氏と。Shin氏とはこのところ勝敗が交互になっていて、2日は勝ち、7日は負け。よってきょうは勝つ番だが、その規則が壊れると厄介なことになる。
将棋は私の先手で、▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩。ここで▲6六歩は笑われるから▲2五歩と指したが、作戦巧者のShin氏相手に横歩取りは指せず、困ってしまった。
といっても横歩取りにせざるを得ず、私は見よう見真似で青野流を指す。しかしこの進行、読売新聞にきょう(5月15日)まで掲載されていた、竜王戦2組・藤井聡太二冠VS松尾歩八段の実戦に似ている……。
だが実戦の進行を私が憶えているはずもなく、私のほうから手を変え、難しい戦いに突入した。
飛車交換になり、私は▲8四飛と、△3四金と△8一桂の両取りに打つ。かなりの痛打に見えるのだが、Shin氏は表情を変えないので、こちらが疑心暗鬼に陥ってしまう。私は桂を取って竜を作るか、単に金を取るか迷ったが、後者を選ぶ。
以下も激しい攻め合いになったが、際どく一手勝ちになったのではと思った。私は▲7一飛成とし、後手玉は一手一手。そこでShin氏は△4九角の王手。恐い手だが、▲6九玉で耐えているはずだ。残りの人生に夢も希望もない私だがこのあたり、冷静に局面を見ていた。
最後はShin氏の△8六歩に▲9七玉と躱し、Shin氏が投了。私はうれしい勝利となった。

感想戦を行ったが、やはりShin氏は、先の竜王戦を頭に入れて、松尾八段の指し手をあえてなぞったという。私は呆気に取られるばかりで、Shin氏も相当な将棋バカだと思った。
(つづく)
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