一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

順位戦の連勝記録2021

2021-06-05 01:47:25 | 将棋雑記
3日に指された第80期B級1組順位戦・藤井聡太王位・棋聖対稲葉陽八段の一戦は、稲葉八段が勝った。
この将棋、藤井二冠の対局なのでABEMAでも中継があった。私は常時見るわけにはいかなかったが、夜になって見ると互角の形勢で、そこから目が離せなくなってしまった。
その後、稲葉八段の優位で進んだが、このくらいの劣勢は跳ね返してしまうのが藤井二冠である。結局最後は藤井二冠が勝つとフンでいたが、稲葉八段が思いのほか(失礼)最善手を連発し、気が付けば勝勢になっていた。
だがそこから藤井二冠も粘る。時刻は日付を変え、午前1時。しかし私も眠くなり、さすがにこの将棋はひっくり返らないだろうと、寝てしまった。結果はやはり、稲葉八段が勝った。
そしてこの結果、藤井二冠の順位戦連勝記録は「22」で途絶えた。
私は、たとえB級1組といえども、藤井二冠は全勝で駆け抜けると予想していたので、この敗戦は信じられなかった。オーバーな表現にも取れるが、藤井二冠の信用は、そのくらいのものである。
ところで当ブログでは、2020年3月8日に「順位戦の連勝記録」という記事を上げた。今回は増補版を記しておこう。

26連勝…森内俊之六段 第49期C級2組~第51期B級2組(8+10+8)
22連勝…藤井聡太二冠 第77期C級1組~第80期B級1組(1+10+10+1)
21連勝…脇謙二五段 第40期C級2組~第42期C級1組(13+8)
21連勝…渡辺明三冠 第77期B級1組~第78期A級(12+9)
20連勝…丸山忠久八段 第55期B級2組~第57期A級(7+12+1)
19連勝…藤井猛六段 第52期C級2組~第54期B級2組(8+10+1)
18連勝…中原誠五段 第21期C級2組~第22期C級1組(12+6)
18連勝…藤井聡太七段 第76期C級2組~第77期C級1組(10+8)

藤井二冠が2回出てくるが、これはどういうことかというと、デビューから18連勝し、1回負けて、また22連勝したということである。じゃあ19連勝目の敗戦がなければ41連勝だったんじゃないか? となるが、それだと20連勝の時点でB級2組に昇級しているので、条件がガラッと変わる。もっとも藤井二冠は第79期のB級2組で全勝だったわけで、1年早くB級2組に入っても、相当な好成績が期待できたことは疑いない。となれば、森内六段の26連勝を抜いた可能性も十分ある。仮の話をしてもしょうがないが。
現実に戻り、今後、藤井二冠がB級1組の残り10局を勝って昇級し、A級で全勝したとしても、19連勝止まりとなる。「名人在位中は順位戦の成績を中断する」という考えもあるが、通常は名人に挑戦した時点で、順位戦の成績もいったん清算となる。よって、藤井二冠の順位戦最高連勝記録は「22」で確定となる。
しかしなんだろう。順位戦22連勝は歴代2位の大記録なのに、藤井二冠はすでに「公式戦29連勝」「竜王ランキング戦24連勝」の記録を保持しているから、順位戦の記録が大したことがないように思えてくる。
これも恐ろしい錯覚だ。
コメント (2)
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