9日にアップした「廃棄を免れた棋書群」だが、今日はそのうちの1冊「快勝 大山名人の将棋金言集」にスポットを当てる。
池田書店より1965年から、「大山康晴名人の快勝シリーズ」が刊行された。それまでは棋書の判型が大判だったがこれは新書判で、現在の棋書の原型になったと思う。このシリーズは好評で、全5巻のあとに別巻5巻が刊行された。さらに新シリーズが刊行され、その第4巻が1971年4月発行の「大山名人の将棋金言集」だった。
初版の定価は350円(や、安い!!)。もちろん私は古書店で入手したのだが、発行部数が少なかったのか、後にも先にもその1回しか見たことがない。たしか100円だったと思うが、いまではあり得ない値付けである。
そして内容は、大山名人が実戦で体感した教訓を、金言として将棋ファンに指南するものだった。
それがどんな金言だったか、目次より引用させていただく。
相手を知れ
遊びゴマをつくるな、つくらせよ
合いゴマは勝負のカギ
一歩一段
いまの得より先の得
意地を張るな
一手一分
大ゴマを惜しむな(その1)(その2)
大ゴマにまさる歩の働き
勝っておごれば進歩がとまる
勝ち将棋は確実に勝て
勝つ手より負けない手
急戦は居玉で
玉に遠いコマが戦うコマ
苦しいときに自滅するな
コマ損も時にはよい
誘いのスキにのるな
終盤は玉に迫まる速度第一
序盤でもスキを見のがすな
陣容は調和第一
勝負は忍の一字
勝負手も時機を選べ
序盤はうまい陣容づくりを考えよ
断行熟慮はいけない
中盤は攻防の術を知れ
手得より歩得
天王山は一つだけ
〝と金〟は金より強い
難局に苦楽あり
波に乗ったら一気にゆけ
逃げの先手
望みは大きく指し手は堅く
反省は上達のもと
ハメるよりハマるな
引きワザに好手あり
振り飛車は玉の近くで戦うな
守るときは余力を保て
負け目でも最善をつくせ
目で指すより頭で指せ
妙手に危険あり
休みも大切
優勢は勝ちではない
よろめきは負けのもと
理論より実を取れ
わるい将棋にもチャンスあり
ワイロに注意
笑うより笑われるな
大山流金言が47収録されている。参考になるような、ならないような金言が多いが、紹介された指し手はもちろん勉強になる。こういう手筋モノは定跡本と違い、いつの時代も参考になるからよいのだ。いまさらながら、よくこの棋書が残ってくれていたと思う。
ところでこの金言を書いていて、気が付いたことがある。基本的に「あいうえお順」に収録されているのだ。
この読者は数万人いたと思われるが、この趣向に気付いた読者はそんなにいないと思う。
池田書店より1965年から、「大山康晴名人の快勝シリーズ」が刊行された。それまでは棋書の判型が大判だったがこれは新書判で、現在の棋書の原型になったと思う。このシリーズは好評で、全5巻のあとに別巻5巻が刊行された。さらに新シリーズが刊行され、その第4巻が1971年4月発行の「大山名人の将棋金言集」だった。
初版の定価は350円(や、安い!!)。もちろん私は古書店で入手したのだが、発行部数が少なかったのか、後にも先にもその1回しか見たことがない。たしか100円だったと思うが、いまではあり得ない値付けである。
そして内容は、大山名人が実戦で体感した教訓を、金言として将棋ファンに指南するものだった。
それがどんな金言だったか、目次より引用させていただく。
相手を知れ
遊びゴマをつくるな、つくらせよ
合いゴマは勝負のカギ
一歩一段
いまの得より先の得
意地を張るな
一手一分
大ゴマを惜しむな(その1)(その2)
大ゴマにまさる歩の働き
勝っておごれば進歩がとまる
勝ち将棋は確実に勝て
勝つ手より負けない手
急戦は居玉で
玉に遠いコマが戦うコマ
苦しいときに自滅するな
コマ損も時にはよい
誘いのスキにのるな
終盤は玉に迫まる速度第一
序盤でもスキを見のがすな
陣容は調和第一
勝負は忍の一字
勝負手も時機を選べ
序盤はうまい陣容づくりを考えよ
断行熟慮はいけない
中盤は攻防の術を知れ
手得より歩得
天王山は一つだけ
〝と金〟は金より強い
難局に苦楽あり
波に乗ったら一気にゆけ
逃げの先手
望みは大きく指し手は堅く
反省は上達のもと
ハメるよりハマるな
引きワザに好手あり
振り飛車は玉の近くで戦うな
守るときは余力を保て
負け目でも最善をつくせ
目で指すより頭で指せ
妙手に危険あり
休みも大切
優勢は勝ちではない
よろめきは負けのもと
理論より実を取れ
わるい将棋にもチャンスあり
ワイロに注意
笑うより笑われるな
大山流金言が47収録されている。参考になるような、ならないような金言が多いが、紹介された指し手はもちろん勉強になる。こういう手筋モノは定跡本と違い、いつの時代も参考になるからよいのだ。いまさらながら、よくこの棋書が残ってくれていたと思う。
ところでこの金言を書いていて、気が付いたことがある。基本的に「あいうえお順」に収録されているのだ。
この読者は数万人いたと思われるが、この趣向に気付いた読者はそんなにいないと思う。