一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

大橋六段、藤井竜王に4連勝

2022-05-14 13:17:56 | 男性棋戦
この6日に、第70期王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦・藤井聡太竜王VS大橋貴洸六段戦が行われた。
ここまで両者の対戦成績は、藤井、藤井、大橋、大橋、大橋で2-3。つまり大橋六段は藤井竜王に勝ち越している棋士で、この事実だけで畏敬の念の対象となる。
藤井竜王は久し振りの新聞棋戦予選で、六冠のみならず八冠を達成するには、負けられない一戦だ。
将棋は先手大橋六段の矢倉志向に、藤井竜王の△5二玉型。この浮遊玉が優秀とは思えないのだが、棋士の採用率が高いのが不思議だ。
中盤は丁々発止の攻め合いとなった。藤井竜王に勝ち越している自信からか、大橋六段に臆したところはない。強者に対しては、強気、強気で行くのがいいようだ。

というところで、第1図の▲4四桂が気持ちいい一手。以前もこの手を紹介したが、△5二玉型はつねにこの手を警戒しなければならない。

そこから数手進み、第2図で大橋六段が、馬取りを放置して▲6八銀!!と引いたのが奇手。何かの間違いかと思った。
ここ、何はともあれ▲7二馬△同銀としてから次の手を考えるのが普通。そこをたんに▲6八銀とは、考えもつかない。
大橋六段は、先の2手を経ると△5七金の脅威が残るうえ△4七飛成を受けなければならず、永遠に先手が回ってこないと判断したのだろう。

この後も華々しい攻め合いになり、第3図は△6七同竜まで。藤井竜王相手にこの形になっては生きた心地がしない。
実際この後も大橋玉は風前の灯火に見えたのだが、結果は大橋六段が勝ち、対藤井竜王戦4連勝を飾ったのだった。
まさに大橋六段会心の一局といえるが、見れば見るほど不思議な将棋で、この展開でどうして大橋六段が勝てたのか、理解できない。逆にいえば、このくらいの将棋を指さないと、藤井竜王には勝てないということだ。
ああ、藤井竜王VS大橋六段のタイトル戦が見たい。
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