一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

最大の短慮

2022-08-06 23:45:43 | 将棋雑記
ここ数年における棋士の「最大の短慮」は、森内俊之九段の「フリークラス宣言」だと思う。
森内九段は2016年度の第75期A級順位戦で3勝6敗に終わり、降級となった。
その際、森内九段はフリークラス転出宣言をしたのだ。永世名人がB級では指せない、がその理由である。でも私は森内九段の将棋が好きだったので、この最終判断には本当にガッカリした。
A級から落ちたらまた上がればいい、が私の見解である。そもそも、順位戦を指さない棋士にどれほどの魅力があるのかとさえ思う。
ただ、森内九段も数ヶ月間熟考したのだろうし、先の気持ちも分からぬではない。
まあ、本人に一分の後悔もなければそれでいいとも思う。が、森内九段に若干の後悔の念がある、という噂も聞こえてきて、なおさら私は残念に思うのだ。
そしてもうひとりが、橋本崇載八段である。橋本八段は2020年10月1日から、一身上の都合で半年間休場した。私は当然復帰すると思ったが、なんと橋本八段は、2021年4月2日に引退してしまった。これが最大の悪手。
棋士の利点のひとつに、「休場」がある。このご時世、一般の会社員が年間単位の休場を申し出たら、即退職を勧められる。というか、馘首される。
ところが棋士にはそれがない。むろん休場が続けば順位戦のクラスは下がっていくが、相当に時間を稼げる。仮にフリークラスに転落したって、実力があれば順位戦復帰が可能なのだ。
それなのに橋本八段は引退してしまった。バカである。果たして橋本八段はあとになって事の重大さに気付き、引退を後悔した。
しかしこうなってはもう遅い。しかも世間は藤井聡太竜王の話題で沸き、橋本八段のことはすぐに忘れてしまった。将棋ファンとはそんなものである。
そんな橋本八段が先日、「8月4日に重大発表をします」と、何かのSNSで公表したらしい。しかし私はそのことを忘れ、4日はとうに過ぎてしまった。ネットによると、どうも「ミニ将棋講座を、365日休まずYouTubeで配信する」ということだったらしい。
それは結構なことだが、橋本八段がこんなに将棋に真摯なら、なぜ現役を引退したのだ。
引退の理由のひとつが「将棋連盟に迷惑を掛けるから」だったらしいが、それなら現役を続けつつ、連盟に借りを返していけばよかったと思う。
それに話を戻すと、「毎日配信」はかなり大変である。私は当ブログを2009年4月1日から始め、半年間の休止を経た2014年4月1日から毎日アップを続けているが、これは本当に大変である。
旅行に行っても仕事のときも、つねにブログが頭の隅にあり、気の休まるときがない。
それでもブログだから息抜きの1日みたいなものはあるが、将棋講座となれば「手抜き」ができず、想像以上に困難を極めると思う。
もっとも毎日配信がならずとも、再生数が上がれば収入も増える。橋本八段ならユーチューバーとして生きていけるのではないか。
ちなみに私はYouTubeを見る習慣がない。きょうは電車の中で橋本八段の「決意表明」のYouTubeを見たが、イヤホンを介してだと橋本八段の声がよく聴こえず、ものの数秒で視聴を断念してしまった。
橋本八段の未来に幸あれ。
コメント (2)
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