山崎隆之八段は佐藤康光九段と並び、変態将棋の雄だ。さしずめ、東の佐藤、西の山崎というところ。しかし、佐藤九段が一手損角換わり向かい飛車など、私たちにもそこそこ馴染みのある戦法を選択するのに対し、山崎八段は立ち上がりから独創的だ。角道を開けず▲7八銀と立ったり、▲6六歩のパックマン戦法を採用したりするところが、佐藤九段とは大きく違う。端的に言って「よいアマチュアはけっしてマネをしてはいけません」という将棋なのだ。だが、だからこそ山崎将棋は面白い。AIなんてクソくらえ、なのだ。
その山崎八段が1日、第35期竜王戦決勝トーナメント準決勝で、永瀬拓矢王座と当たった。
永瀬王座は王座3期、叡王1期の強豪で、竜王戦は七番勝負登場こそないものの、前期、今期とランキング戦1組で優勝し、実力のほどを示している。
山崎八段も前期順位戦ではA級だったから実力者なのだが、相手が永瀬王座ではさすがに分が悪い、と見ていた。
将棋は永瀬王座の先手で開始。永瀬王座の居飛車明示に、山崎八段は角道を止め、振り飛車の雰囲気だ。しかし山崎八段は居飛車党である。果たしてここから雁木に変化したが、山崎八段としては、この端正な形自体がむしろ異質だ。
と、山崎八段は向かい飛車に振った。いいぞいいぞ、山崎将棋はこうでなくちゃ面白くない。
山崎陣の金銀は密集しているが、玉は孤立している。まさに山崎ワールド全開である。素晴らしい!
永瀬王座は筋よく応じているが、山崎八段の奔放な指し手に、戸惑っているようにも見えた。
局面は山崎陣だけ「ひとり手将棋」で、私にはどこが急所だかまったく分からない。しかし山崎八段は的確に永瀬陣を攻略し、華麗な捨て駒を交え、飛車成に成功した。これは素人目にも、後手勝勢である。
最後は重ね打ちの金で、永瀬王座が投了。山崎陣の玉の周りには金銀角が集まり、敵陣の駒は1枚もない。山崎八段の快勝譜となった。
山崎八段は第25期に続き、2度目の挑戦者決定戦進出。前回は丸山忠久九段の前に1勝2敗で涙を呑んだが、今回はどうか。相手は佐藤天彦九段か広瀬章人八段である。どちらも強豪だが、山崎八段が勝てない相手ではない。私は山崎八段の竜王戦登場を見たい。ターミネーター藤井聡太竜王の感覚を狂わすには、山崎八段の奔放な将棋しかないのだ。
その山崎八段が1日、第35期竜王戦決勝トーナメント準決勝で、永瀬拓矢王座と当たった。
永瀬王座は王座3期、叡王1期の強豪で、竜王戦は七番勝負登場こそないものの、前期、今期とランキング戦1組で優勝し、実力のほどを示している。
山崎八段も前期順位戦ではA級だったから実力者なのだが、相手が永瀬王座ではさすがに分が悪い、と見ていた。
将棋は永瀬王座の先手で開始。永瀬王座の居飛車明示に、山崎八段は角道を止め、振り飛車の雰囲気だ。しかし山崎八段は居飛車党である。果たしてここから雁木に変化したが、山崎八段としては、この端正な形自体がむしろ異質だ。
と、山崎八段は向かい飛車に振った。いいぞいいぞ、山崎将棋はこうでなくちゃ面白くない。
山崎陣の金銀は密集しているが、玉は孤立している。まさに山崎ワールド全開である。素晴らしい!
永瀬王座は筋よく応じているが、山崎八段の奔放な指し手に、戸惑っているようにも見えた。
局面は山崎陣だけ「ひとり手将棋」で、私にはどこが急所だかまったく分からない。しかし山崎八段は的確に永瀬陣を攻略し、華麗な捨て駒を交え、飛車成に成功した。これは素人目にも、後手勝勢である。
最後は重ね打ちの金で、永瀬王座が投了。山崎陣の玉の周りには金銀角が集まり、敵陣の駒は1枚もない。山崎八段の快勝譜となった。
山崎八段は第25期に続き、2度目の挑戦者決定戦進出。前回は丸山忠久九段の前に1勝2敗で涙を呑んだが、今回はどうか。相手は佐藤天彦九段か広瀬章人八段である。どちらも強豪だが、山崎八段が勝てない相手ではない。私は山崎八段の竜王戦登場を見たい。ターミネーター藤井聡太竜王の感覚を狂わすには、山崎八段の奔放な将棋しかないのだ。