一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第73期王将戦第1局1日目

2024-01-08 01:04:35 | 男性棋戦
7日から第73期ALSOK杯王将戦七番勝負が始まった(主催:スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社、日本将棋連盟)。藤井聡太王将に挑戦するのは菅井竜也八段である。今期王将戦では二次予選から出場し、3連勝で挑戦者決定リーグ入り。そこで5勝1敗の成績を挙げ、挑戦者に躍り出た。王将リーグはつねに順位戦A級に匹敵する強豪が集まり、ここで挑戦権を得ることは、それだけで大変な価値がある。
そして菅井八段は、昨年の第8期叡王戦挑戦手合いに続いての登場となる。2023年度2棋戦挑戦は佐々木大地七段、伊藤匠七段も果たしているが、1シーズンでこれだけダブル挑戦が出現するのは珍しい。
叡王戦では1勝3敗で敗退したが、内容的には互角に戦っていた。しかし勝負事は最終的な勝敗がすべてである。後世の人は、将棋の内容をほとんど忘れ、星にしか目がいかない。だから菅井八段は、何がなんでも勝たねばならないのだ。
果たして戦前の抱負では菅井八段の気合が入りまくっていて、私はその談話をほとんど読んで(聞いて)いないのだが、頼もしく思われた。
対して藤井王将は「面白い将棋を指したい」と自然体だ。自分の将棋を指せば勝てる、という自信の表れであろう。
第1局は栃木県大田原市で行われた。大田原といえば牛肉が有名で、一度賞味してみたいのだが、私にその機会はないと思われる。
将棋は菅井八段が三間飛車に振った。トップ棋士のほとんどが居飛車戦を採用する中、菅井八段は十年一剣を磨いてきたのだ。最近はほかのトッププロも追随するようになり、「やっと振り飛車の優秀さに気づいたか」というところだろう。
菅井八段は穴熊に潜る。叡王戦でも頻出していた囲いで、これは予想されたところ。対して藤井王将の囲いが注目されたが、最終的には穴熊に潜った。AIは穴熊が嫌いらしいが、人間的には、玉の固さは正義、ということになる。それは藤井王将でも例外ではなかったわけだ。
しかし相穴熊は、菅井八段のほうが研究値が高い。これは菅井八段が存分に力を出せる展開である。ここに振り飛車党の利点があるわけだ。
藤井王将は松尾流穴熊に発展させ、ガチガチ。菅井八段は攻めの銀が残っており、これをどう捌くかである。
というところで、53手目、菅井八段が封じた。消費時間は藤井王将3時間39分、菅井八段3時間56分といい勝負。
藤井王将相手には先勝が絶対条件。2日目の菅井八段の戦いに注目である。
(つづく)
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