(21日のつづき)
宿の検索の話と前後するが、時刻は午後4時を過ぎ、いよいよ腹が減ってきた。吉松で食事を摂れなかったことがいまさらながら失点である。
リュックの中にはドライブルーベリーを忍ばせていたので、それを食べて空腹を凌いだ。
列車はえびの、小林を過ぎ、17時24分、都城に到着した。都城といえば、かつて星飛雄馬がキャンプで日高美奈と知り合った地である。だから「巨人の星」ファンにはなじみのある地名といえる。
とりあえず食事である。だが駅前にはこれといった食事処がない。しばらく歩くと国道沿いに「はま寿司」があった。しかし食べたい気分はラーメンと餃子である。だが、どこをどう回っても、ない。もう時間もないので、あまり気は進まないが、はま寿司に入った。
はま寿司は最近の回転寿司にあるように、ネタがレーンを回っていなかった。タブレットにタッチするとネタが運ばれてくるアレだ。
ネタは2貫100円が基本のようだ。「味くらべ」の類は3貫150円で、やはり1貫あたり50円をキープしている。
早速注文すると、ネタは小ぶり、シャリもそれに比例していたが、1貫50円と思えば腹も立たない。ほおばると、とても旨かった。
値段を気にする必要はないので、どんどん注文する。どれも満足いくもので、最後にホタテを注文した。これは1貫150円と割高だから期待したが、ネタはえっ?と思うほど小さく、期待外れだった。
それでも、合計16貫食べて税込990円は大満足である。また機会があったら利用しようと思った。
18時44分の日豊本線に乗る。ここからひたすら、鹿児島中央に向かう。車内では本格的に楽天トラベルで検索したが、吉都線のときと同じで、予約できない。それに加え、列車が僻地を走っているので、すぐにオフラインになってしまう。繋がってもアクセスが遅く、すこぶるイライラする。
そんな中、ためしにほかの旅行サイトもあたったが、初期の登録が面倒で、とてもこの車内で完遂できそうにない。
それと、車内の路線図を改めて確認したのだが、都城に行くには、鹿児島中央からより、宮崎空港からのほうが近いのだった。
宮崎空港にはJR宮崎空港線が接続している。つまり最初から宮崎空港着とし、そこから旅名人きっぷを使えば、前日に鹿児島空港からバス代1,200円を使う必要もなかったわけだ。
まあ吉都線乗車を現地に着いて思いついたから仕方ないとはいえ、ずいぶんな時間とチャージ金の無駄遣いをしてしまったものだ。
それよりきょう私は、どこまで行けばいいのだ。翌日の13時には大村線の川棚に着かなければならない。意外と私は、窮地に立たされているのではないか? いやこれはもう、きょうのうちに熊本までは着いていたい。
よって、このまま普通列車を乗り継いでいては到底間に合わない。どこかで九州新幹線を使うことは絶対だ。優等列車を使うと、特急料金のほかに乗車料金まで取られるのがシャクだが、それはもう仕方ない。
ためしに鹿児島中央から熊本までを検索すると、自由席で3,240円だった。これは意外と安いんじゃないか?
列車は鹿児島中央に着いた。ちょっと小腹がすいたので、何か腹に入れたい。
駅前に牛丼屋があったと思うので、向かう。ところがその場にはなかった。私の完全な錯覚で、表玄関の出入り口に牛丼屋はなかった。
駅に戻り、券売機で熊本までの新幹線切符を選ぶ。すると、乗車料金3,300円に、新幹線自由席料金3,240円が加算されていた。……!?!?
私としたことが、スマホでの検索のとき、乗車料金を見落としていたのだ。自由席の利用で乗車料金込み3,240円と錯覚していたのだから話にならない。
これは少しでも、普通列車を使わなければならない。私は終業間近のみどりの窓口に入り、時刻表で検討する。
すると、21時04分の普通列車で川内まで行き、そこで新幹線を利用し熊本まで行くのが最善と出た。こなら乗車料金2,560円+自由席新幹線料金2,560円で、〆て5,060円となる。
なお、さっき鹿児島中央で降りたとき、すぐに上り列車に乗り出水まで行けば、そこからの新幹線利用で済んでいた。出水→熊本は新幹線自由席利用で3,610円である。つまり、鹿児島中央で1本電車を乗り過ごしたせいで、1,450円の損となるわけだ。まったくバカバカしい。
鹿児島本線上りに乗り、21時57分、川内着。ここで35分の待ち合わせで、九州新幹線に乗り換える。最終1本前のさくら408号はガラガラだった。九州新幹線は多くがトンネルの中。しかもいまは夜で、窓外の景色は望むべくもない。ここは移動手段のひとつとして割り切るしかない。
問題はきょうの宿だ。熊本だからネットカフェはいくつかあるが、「快活CLUB」というところが幅を利かせている。ここの会員証は、まだ作っていなかったと思う。
あと、楽天トラベルを介さず安く泊まれるのは、東横インだ。熊本にもいくつかあり、現在も熊本アーケード街の近くに1部屋空きがあった。これはどちらを利用すべきか。
23時16分、さくら408号は熊本に着いた。
ところがそこから表に出るが、どうも様子が違う。熊本の豪華な駅舎が、スッキリしたデザインの駅舎に変わっていた。駅前もスッキリして、どこか別の地に来たみたいだ。いや本当に、私は出口を間違えたのかと思った。
自転車に乗ったオッサンを捕まえて事情を聞くと、駅前再開発があったようだった。同時にアーケード街までの方角を聞いたが、それは私の記憶と合っていた。
いやしかし、この時刻に熊本市内を歩くことになるとは思わなんだ。
しばらく歩くと、東横イン・熊本桜町バスターミナル前を見つけた。しかしここは満室のはずだ。でも行って、目的のホテルを教えてもらう。
アーケード街に入ると、快活CLUBがあった。東横インは予約をしたわけではないので、快活CLUBを利用してもよい。
ためしに中に入ると従業員はおらず、モニターですべて事足りるようになっていた。でも私は非会員で、カードを作る必要がある。それはインターフォンで従業員を呼ぶシステムのようだったが、もう面倒臭いので、そこを出た。
しばらく歩くと、東横イン・熊本城桜町通筋が見えてきた。はなはだ異例だが、現地で空き部屋の確認である。出川哲朗のバイク旅はバックにテレビ局がついているが、こっちは私ひとりの真剣勝負だ。
結果は空きがあったが、ツインベッドしか残っていない、とのことだった。ネットでの予約が安くなるならいまここから予約をしようか聞くと、それは必要ないとのことだった。
室料は、私がスマホで見たシングルの部屋よりは若干高いが、6,600円はまずまずだと思った。
時刻は0時を過ぎたが、私はすぐにチェックインせず、ホテルを出た。まだやることが残っていたからである。
(つづく)
宿の検索の話と前後するが、時刻は午後4時を過ぎ、いよいよ腹が減ってきた。吉松で食事を摂れなかったことがいまさらながら失点である。
リュックの中にはドライブルーベリーを忍ばせていたので、それを食べて空腹を凌いだ。
列車はえびの、小林を過ぎ、17時24分、都城に到着した。都城といえば、かつて星飛雄馬がキャンプで日高美奈と知り合った地である。だから「巨人の星」ファンにはなじみのある地名といえる。
とりあえず食事である。だが駅前にはこれといった食事処がない。しばらく歩くと国道沿いに「はま寿司」があった。しかし食べたい気分はラーメンと餃子である。だが、どこをどう回っても、ない。もう時間もないので、あまり気は進まないが、はま寿司に入った。
はま寿司は最近の回転寿司にあるように、ネタがレーンを回っていなかった。タブレットにタッチするとネタが運ばれてくるアレだ。
ネタは2貫100円が基本のようだ。「味くらべ」の類は3貫150円で、やはり1貫あたり50円をキープしている。
早速注文すると、ネタは小ぶり、シャリもそれに比例していたが、1貫50円と思えば腹も立たない。ほおばると、とても旨かった。
値段を気にする必要はないので、どんどん注文する。どれも満足いくもので、最後にホタテを注文した。これは1貫150円と割高だから期待したが、ネタはえっ?と思うほど小さく、期待外れだった。
それでも、合計16貫食べて税込990円は大満足である。また機会があったら利用しようと思った。
18時44分の日豊本線に乗る。ここからひたすら、鹿児島中央に向かう。車内では本格的に楽天トラベルで検索したが、吉都線のときと同じで、予約できない。それに加え、列車が僻地を走っているので、すぐにオフラインになってしまう。繋がってもアクセスが遅く、すこぶるイライラする。
そんな中、ためしにほかの旅行サイトもあたったが、初期の登録が面倒で、とてもこの車内で完遂できそうにない。
それと、車内の路線図を改めて確認したのだが、都城に行くには、鹿児島中央からより、宮崎空港からのほうが近いのだった。
宮崎空港にはJR宮崎空港線が接続している。つまり最初から宮崎空港着とし、そこから旅名人きっぷを使えば、前日に鹿児島空港からバス代1,200円を使う必要もなかったわけだ。
まあ吉都線乗車を現地に着いて思いついたから仕方ないとはいえ、ずいぶんな時間とチャージ金の無駄遣いをしてしまったものだ。
それよりきょう私は、どこまで行けばいいのだ。翌日の13時には大村線の川棚に着かなければならない。意外と私は、窮地に立たされているのではないか? いやこれはもう、きょうのうちに熊本までは着いていたい。
よって、このまま普通列車を乗り継いでいては到底間に合わない。どこかで九州新幹線を使うことは絶対だ。優等列車を使うと、特急料金のほかに乗車料金まで取られるのがシャクだが、それはもう仕方ない。
ためしに鹿児島中央から熊本までを検索すると、自由席で3,240円だった。これは意外と安いんじゃないか?
列車は鹿児島中央に着いた。ちょっと小腹がすいたので、何か腹に入れたい。
駅前に牛丼屋があったと思うので、向かう。ところがその場にはなかった。私の完全な錯覚で、表玄関の出入り口に牛丼屋はなかった。
駅に戻り、券売機で熊本までの新幹線切符を選ぶ。すると、乗車料金3,300円に、新幹線自由席料金3,240円が加算されていた。……!?!?
私としたことが、スマホでの検索のとき、乗車料金を見落としていたのだ。自由席の利用で乗車料金込み3,240円と錯覚していたのだから話にならない。
これは少しでも、普通列車を使わなければならない。私は終業間近のみどりの窓口に入り、時刻表で検討する。
すると、21時04分の普通列車で川内まで行き、そこで新幹線を利用し熊本まで行くのが最善と出た。こなら乗車料金2,560円+自由席新幹線料金2,560円で、〆て5,060円となる。
なお、さっき鹿児島中央で降りたとき、すぐに上り列車に乗り出水まで行けば、そこからの新幹線利用で済んでいた。出水→熊本は新幹線自由席利用で3,610円である。つまり、鹿児島中央で1本電車を乗り過ごしたせいで、1,450円の損となるわけだ。まったくバカバカしい。
鹿児島本線上りに乗り、21時57分、川内着。ここで35分の待ち合わせで、九州新幹線に乗り換える。最終1本前のさくら408号はガラガラだった。九州新幹線は多くがトンネルの中。しかもいまは夜で、窓外の景色は望むべくもない。ここは移動手段のひとつとして割り切るしかない。
問題はきょうの宿だ。熊本だからネットカフェはいくつかあるが、「快活CLUB」というところが幅を利かせている。ここの会員証は、まだ作っていなかったと思う。
あと、楽天トラベルを介さず安く泊まれるのは、東横インだ。熊本にもいくつかあり、現在も熊本アーケード街の近くに1部屋空きがあった。これはどちらを利用すべきか。
23時16分、さくら408号は熊本に着いた。
ところがそこから表に出るが、どうも様子が違う。熊本の豪華な駅舎が、スッキリしたデザインの駅舎に変わっていた。駅前もスッキリして、どこか別の地に来たみたいだ。いや本当に、私は出口を間違えたのかと思った。
自転車に乗ったオッサンを捕まえて事情を聞くと、駅前再開発があったようだった。同時にアーケード街までの方角を聞いたが、それは私の記憶と合っていた。
いやしかし、この時刻に熊本市内を歩くことになるとは思わなんだ。
しばらく歩くと、東横イン・熊本桜町バスターミナル前を見つけた。しかしここは満室のはずだ。でも行って、目的のホテルを教えてもらう。
アーケード街に入ると、快活CLUBがあった。東横インは予約をしたわけではないので、快活CLUBを利用してもよい。
ためしに中に入ると従業員はおらず、モニターですべて事足りるようになっていた。でも私は非会員で、カードを作る必要がある。それはインターフォンで従業員を呼ぶシステムのようだったが、もう面倒臭いので、そこを出た。
しばらく歩くと、東横イン・熊本城桜町通筋が見えてきた。はなはだ異例だが、現地で空き部屋の確認である。出川哲朗のバイク旅はバックにテレビ局がついているが、こっちは私ひとりの真剣勝負だ。
結果は空きがあったが、ツインベッドしか残っていない、とのことだった。ネットでの予約が安くなるならいまここから予約をしようか聞くと、それは必要ないとのことだった。
室料は、私がスマホで見たシングルの部屋よりは若干高いが、6,600円はまずまずだと思った。
時刻は0時を過ぎたが、私はすぐにチェックインせず、ホテルを出た。まだやることが残っていたからである。
(つづく)