一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋の日の4時から男(中編)

2019-11-25 00:09:37 | 新・大野教室
あちらでは、小学生B君が「○○君には先手では勝てるけど、後手では勝てないんだ」とか言っている。初段レベルでも先後の差は大きいらしい。

C1図で私は△5六桂と打った。▲4四角なら△7二玉▲5三歩成△4五竜でよしという読みだ。だがそこで角を逃げず、▲6二銀があることに気付いた。△4四竜なら▲6一銀不成で詰んでしまう。しかしもう私は△5六桂と打ってしまった。以下△4五竜(C2図)まで進んだが……。

C2図以下の指し手。▲6二銀△8四歩▲6一銀不成△8三玉▲7二銀打△9四玉▲9六歩△8五玉▲7七桂△7四玉▲6三銀不成△6四玉▲5四金(投了C図)
まで、小学生C君の勝ち。

C君は▲6二銀と打った。この手を指しましたか、という感じで、敵玉に寄せありと見るや、角には目もくれない姿勢は素晴らしい。私は△8四歩と逃げ道を開けたが、受けになっていない。以下は手順の寄せとなった。

私の敗着は▲6二銀を見落とした△5六桂だが、それでなくとも▲4四角は痛打なわけで、ふつうは受けそうなものである。何を焦っていたのか知らぬが、やはり一局においての緊張感が欠けていたと言わざるを得ない。
ここでW氏が泣きの再戦を提案してくれ、私はまた彼と指すことになった。
今度は私も修正点がある。小学生C君の端攻めは見えているので金銀4枚で受けた。結果、小学生C君の銀桂が立ち往生し、これは私が指しやすくなった。

だが小学生C君は、D1図から▲2四銀!とタダのところに出る。ナルホドの好手で、こんなところにも彼の才能を感じる。
私は△1八馬としたが、▲同香が小学生C君の失着。以下△2四銀と銀を取っては、こちらがいい。ここは▲2四銀の手を活かして▲2三銀不成と突っ込む手があり、以下△1九馬なら▲3二銀不成で下手勝勢だったのではないか?
もっとも▲1八同香で▲2三銀不成が指せるようなら、手合いが違う。
▲1八同香以後は私の優勢に進み、D2図は私が△2七竜とした局面。

ここで▲4三歩成なら△5七金▲7七玉△6七金▲8六玉△8五銀▲同玉△7四金で詰み……と思ったら、△6三の駒が歩だったのに愕然とした。この駒は金だと思っていた。
小学生C君はもちろん▲4三歩成とし、これは雰囲気的に逆転である。
数手後、▲6一角の王手に△5二銀と使わされたもの痛い。しかも▲8八角が何かの拍子にいなくなると、懐が広くなってしまうのだ。
この将棋も負けるのか……。これは今日は、完全に勝ち運に見放されていると思った。
しかし小学生C君も寄せをしくじり、D3図は私にチャンスが来たようだが……。

D3図以下の指し手。△5六桂▲7八玉△6九銀▲7七玉△6五桂▲8六玉△9五銀(D4図)

私は△5六桂と迫るよりない。▲7七玉なら△6八銀▲8八玉△7九銀打▲9八玉に△8八金で、馬を消すのかと考えていたら、小学生C君は▲7八玉。なるほどこれが最善か。
そして△6九銀には▲8八玉と思いきや、小学生C君は▲7七玉と立った。さらに△6五桂に▲8六玉と上がったので、今度こそチャンスが来たように思った。私は慎重に読み、△9五銀と打った。

D4図以下の指し手。▲9五同玉△9四歩▲8五玉△9五金▲7五玉△6四銀▲6六玉△5七竜(投了D図)
まで、一公の勝ち。

D4図は詰みである。小学生C君、玉を危険地帯に逃げ出して、詰まない玉が詰んでしまった。私は締まらない勝ち方だが、とりあえずホッとした。
感想戦では、▲7七玉の悪手より、D2図での私の錯覚だけを述べておいた。
なお小学生C君は、将来奨励会を受けるとのこと。彼には才能を感じるし、彼のような男が棋士になるのかなとも思う。将来が楽しみである。
W氏にもさっきの錯覚を言うと、「それはボケてるんじゃくて、目が悪いんじゃないの?」と笑われた。確かにそうである。
次はやっと成人男性との対戦になった。もちろん知らない人である。
手合いは私の二枚落ちで対局開始。男性氏も当然、定跡通りきた。しかし今回▲3五歩には、大人しく△2二銀と上がってみた。
男性氏は銀多伝に組み、私は右金を進出させる。ちょっと素直すぎるが、しょうがない。

E1図以下の指し手。△8六歩▲同歩△9七歩▲同香△8六金▲8四歩△9六歩▲同香△同金▲8三歩成(E2図)

私は△8六歩から端に味をつけ、△8六金と進出した。ここで男性氏も▲8四歩。これも大野八一雄七段の教えに違いなく、彼もしっかり勉強しているのが分かる。こういう手合いは厄介である。
△7二玉は利かされなので、もう指さない。こちらも香を取りにいった。

E2図以下の指し手。△8四香▲7九角△8七香成▲5七角△6四銀▲6八金△9五金▲7五歩△同銀▲5五歩△同歩▲同銀△5六歩▲4六角△4二金▲5六飛(投了E図)まで、男性氏の勝ち。

△8四香は脅かしで打ってみた。ここ△8五桂と跳びたいのはヤマヤマだが、8三にと金を残しておくのも気持ちが悪い。むしろこのと金は、▲7三とと清算してほしいのだ。
▲7九角に△8七香成。ここは△8九香成が自然だが手順に▲5七角と覗かれ、次に▲8四角を見られる。よって△8七香成と捻ったわけだが、これでは香打ちの意味がなく、ヨリが戻ってしまった。
▲5七角に△7八成香は▲同飛で面白くない。しかし△6四銀もパッとしない手だ。
▲6八金にも指しようがなく、△9五金。いったい上手は何をやっているのだろう。
▲7五歩に△同歩は▲8四とで、次に▲7四歩を見られる。下手は、ヘタに桂を取らないのがミソなのだ。これも大野七段の教えかどうか知らぬが、男性氏、いい感覚をしている。
△5六歩にも、▲同銀とは取らず▲4六角と躱すのが好手。まったく、憎らしいくらい冷静である。
続く△4二金に▲5六飛と飛びだされ、いよいよ指す手に窮した私は、バカバカしくなって投了した(投了E図)。

上手は完封負けで、これほどの惨敗は久しぶりである。今日の下手はみんな強いが、それにしたって下手殺しといわれた私が1勝4敗では、シャレにならない。これはもう一度勉強し直さなければならない。
最後はOg氏との続きである。男性氏も入って、Og氏の二面指しとなった。
対局再開。私は天守閣美濃を採り、Og氏は「大山流で行こう」と△5三銀と上がった。
私は四枚美濃まで組む。△6五歩には▲6六歩△同歩▲5七金と反発した。しかし以下△6四銀▲6六金△6五歩▲6七金と収まってみると、結局6筋の位が残り、しかも桂香を持たれると6六に打たれる傷が残った。これは私が失敗したのではないか。

局面は進みF1図。ここで△8四歩だったので、私は▲2四歩と仕掛ける。△2四同歩(F2図)に次の手は。

(つづく)
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将棋の日の4時から男(前編)

2019-11-24 00:20:49 | 新・大野教室
17日は「将棋の日」ということもあり、久しぶりに大野教室に行った。最近は「女流棋士との指導対局会」ばかりに参加して、こちらはとんとご無沙汰だ。今回も「4時から男」だった。
ちなみに昨年の将棋の日は何をしていたのかと思ったら、神保町の魚百で、将棋ペンクラブの将棋会に出席していたのだった。あれは今年も開かれているのだろうか。
ノックして入室したが、大野八一雄七段らは将棋に夢中で、誰も私に気付かない。
あたりは見知らぬ子供ばかりだ。成人の知己もおらず、浦島太郎の気分である。
だいぶ経ってからOg氏が私に気付いた。
「大沢さん!」
W氏や大野七段もこちらを認め、みなで苦笑いになった。
「みんなが忘れたころにふらりと来るんじゃないかと話してたんだよ」
とW氏。
時間もないので対局に入る。小学生A君と対局がついた。飛車香落ちで、とW氏。
奥の和室に行き駒を並べると、「どちらが駒を下ろすんですか?」と小学生A君。どうも私が初心者と間違われたようだ。一応W氏に確認すると、「大沢さんに飛車香を落とす人はいないでしょ」。
ありがたい言葉である。
というわけで私が落とし、小学生A君は4時半に帰るとのことだったので、5分30秒で対局開始となった。
小学生A君は端に飛車を寄り、▲1四同飛に、私は△2三銀と上がる。これで飛車成はできない寸法だ。だが▲1八飛に△1三歩は消極的。これでは△2三銀と上がった意味がないので、△1四歩と打つのだった。
私は△4五歩から角交換をし、△3六角~△4七角成と馬を作る。この馬が大きく、この将棋はいただいたと思った。
ところが部分A1図で△2四歩と受けたのが緩手だった。

△2四歩では当然△2七歩▲同飛△2四歩と打つべきで、次の△3八馬の筋で焦らせるべきだった。
本譜は以下▲6六歩が落ち着いた好手で、桂馬をタダで取られてはいけない。
動揺した私は数手後△4四馬としたが、小学生A君に落ち着いて▲7七角と馬を消しにこられ、また参った。
持ち時間5分は私に有利と思ったが、むしろ私のほうが焦っている。私は局面を落ち着かせたいが、小学生A君は的確に急所を衝いて、私は悪くなるばかりだ。
そのまま終盤になり、小学生A君は「行っちゃえ」と馬を切る。それで私の玉を受けなしにした。最後の王手ラッシュは不詰みと読み切っての指し手で、強いと思った。
私は下手玉を追ったが詰まず、投了した(投了A図)。

私としては、第1図で△2七歩と打たなかったのが敗因。この手は浮かんでいたのだから何はともあれ打つべきで、実戦不足が祟ったというよりない。
私は気分で指すタイプで、初戦を勝てば今日は全勝できそうな気がするし、負ければ半分自暴自棄になって連敗したりする。今日が後者にならなければいいがと思った。
スマホを見ると、16時30分。彼の予定通りに将棋を終わらせてしまい、私は複雑な気分だった。
なおW氏によると、彼は研修会に通っているとのこと。それなら強いはずだが、次に対局すれば、まだ誤魔化せそうな気はする。
2局目はOg氏にお願いする。Og氏は「日本シリーズがある」とかでノートパソコンを立ち上げた。今日はプレミア12の決勝戦があるはずだが、まだ日本シリーズなんてやっていただろうか。
Og氏の上手(後手)三間飛車に、私は▲7八玉のあと▲9六歩。ここでW氏が私たちの将棋に気付いた。いわく、これから帰る子供が続出するので、それまで私と彼らを当てたいとのことだった。
それでOg氏との将棋は指し掛けにし、別の小学生君と指すことになった。
今度は2枚落ちで対局開始。▲3五歩に△2二銀を省いて他の手を指したら、すかさず▲3四歩と突かれて参った。このあたり、Tod氏のようにスルーしてくれないのである。
△2二銀▲3三歩成△同銀▲3四歩△2二銀。上手も1歩を持つ、が主張点だが、▲8八角が△2二銀に直射して、いつでも切れる状況にあるのは好ましくない。
私は△8六歩▲同歩△同金。そこで▲8四歩でまた参った。これ、大野七段の教えであろう。大人だって忘れがちなのに、子供はしっかり指すのが憎らしい。
私は△7二玉と引くよりないが、▲5五歩と薄くなった5筋を突いて下手勝勢。以下は指しようがないのだが、私は入玉模様で粘る。途中何度も寄りの局面があったが誤魔化し、ついに敵陣に突入した。
しかし▲8八銀が詰将棋のような好手。ここで上手、無念の投了となった(投了B図)。

上手2連敗である。将棋を指しに来て何がつまらないといえば、負けが込むことだ。おカネを出して不愉快な思いで帰ることほど、バカらしいものはない。
お次も子供との対局。今度は小学2年生らしい。低年齢化もここに極まれりだ。私の飛車香落ちで対局となった。
小学生C君も端に飛車を寄り、▲1四同飛。私は△2三銀と上がり、今度は△1四歩と受けた。
この後は華々しい戦いが続いたが、私は飛車を手持ちにしたから相当よい。
C1図の局面で、攻めるなら△5六桂、受けるなら△4五竜である。ここの選択を誤った。

(つづく)
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第31期女流王位戦・挑戦者決定リーグ

2019-11-23 01:18:36 | 女流棋戦
第31女流王位戦・挑戦者決定リーグの振り分けが決まったので、見てみよう。

<紅組>
渡部愛女流三段
伊藤沙恵女流三段
室田伊緒女流二段
香川愛生女流三段
千葉涼子女流四段
中村真梨花女流三段

紅組は前女流王位の渡部女流三段、タイトル戦常連の伊藤女流三段、元女流王将の香川女流三段と、実力者の名前が並ぶ。
室田女流二段はタイトル戦の経験はないが、前期リーグを残留したのだから立派だ。
やはり元女流王将の千葉女流四段は最近パッとしないが、元奨励会員でもあり地力はある。
中村女流三段は女流名人リーグを陥落したが、こちらももちろん地力はある。
リーグ展開としては、冒頭3名の争いになると思う。この3人中で2勝した女流棋士が抜け出すと思う。

<白組>
清水市代女流六段
本田小百合女流三段
谷口由紀女流二段
石本さくら女流初段
中井広恵女流六段
加藤桃子女流三段

白組は、タイトル8期の加藤女流三段と、先ごろ女流名人戦挑戦を決めた谷口女流二段の名前が並ぶ。この2人の争いになると思う。
中井女流六段がリーグ入りしたことで、清水女流六段との対決が実現した。平成初期のゴールデンカードで、オールドファンには堪らないだろう。
本田女流三段は最近パッとしないが、こうしてリーグに残留しているのはさすがである。
石本女流初段は前期リーグ陥落からの返り咲きで、立派だ。前期は谷口女流二段に土も付けているし、台風の目になるかもしれない。

そして挑戦者は微妙である。紅白決戦に加藤女流三段が出てくれば加藤ノリだが、それ以外だとまったく分からない。
いずれにしても、公式戦で5局が約束されたのは大きい。代表12名の名に恥じない、熱い戦いを期待している。
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第9期女流王座戦第2局

2019-11-22 00:08:19 | 女流棋戦
やや前の話だが、14日に行われた女流王座戦第2局を振り返っておこう。
里見香奈女流王座の先番で始まった本局は、里見女流王座が3手目に居飛車を明示。西山朋佳女流二冠が三間飛車に振った。
里見女流王座は▲3六歩と突き急戦の構えを見せたが、▲9八香から穴熊に潜った。
私はどちらかといえば西山女流二冠のほうがファンだが、まあどっちが勝ってもいい。ただ本局は居飛車が穴熊に組んだので、西山女流二冠に穴熊退治を見せてほしかった。
局面はじっくりした中盤戦に進む。控室では里見女流王座が4手損、なんて指摘もあったが、穴熊には組めているのでもう関係ないだろう。形勢は互角だと思った。

進んで第1図は振り飛車が△6四銀形に組み、十分だと思う。だが以下▲4五歩△3四飛▲4四歩△同飛▲4八飛(第2図)と進むと、先手の飛車銀も捌けそうな形になり、やはり互角に戻ったと思った。

そこから西山女流二冠は△8六銀と角を取り、角銀交換の戦果を挙げる。ただここが穴熊の厄介なところなのだが、穴熊側はこの程度の駒損では、たぶん響いていない。むしろ銀が入手できてラッキー、くらいの感じなのだ。
そして第3図の▲3二銀が好手だった。

一見ダサイ銀打ちで、男性プロは躊躇するかもしれないが、自陣は穴熊だから、こういう重たい手が成立する。本譜は△3三飛と寄ったが、そこで▲5四銀が気持ちいい手となった。この銀は▲4四銀とまっすぐ進むのでは芸がない。さっとナナメに退いて、飛車筋を通すのがいいのである。

ここから西山女流二冠が受けの体勢になる。数手進み、▲5三金打とベタッと張られて窮したようだが、△7四角(第4図)が辛抱強い受け。以下▲2一竜△4五飛▲8六桂△8五角▲6三金△同角▲7四銀に、△3一歩(第5図)がまたしぶとい受け。ナルホドこう受けるのかという感じで、このあたりの手順は本当に、勉強になった。

本譜は以下、里見女流王座が手堅く攻め、最後は西山玉を寄せ切った。71手目に里見女流王座が▲3二銀と打ってから60手以上、里見女流王座の攻め、西山女流二冠の受けが延々と続いたのだった。とくに西山女流二冠の抵抗はものすごく、私は▲米長-△大山戦を思い起こしたものである。先手がほかの女流棋士だったら、たぶん受け切られていたと思う。
西山女流二冠は、その後の奨励会三段リーグで2勝し、5勝1敗となった。この2勝は、本局の辛抱強い受けがもたらしたものだと思う。
かくして女流王座戦は1勝1敗。第3局は27日に行われる。
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撮り直しの是非

2019-11-21 00:09:25 | プライベート
沢尻エリカ様の逮捕を受け、芸能界は大わらわだ。最近彼女は大した活動をしてないんじゃないかと思ったらとんでもない。逮捕1日前には我らがIndeedの新CMにも出ていたし、何より来年からは大河ドラマに出演するという。しかも重要な役どころで、第1話から登場するらしい。当然NHKは撮り直しを考えていて、となると大変な手間になるのだ。
大河ドラマといえば今年はピエール瀧、チュートリアル徳井義実の件があり、ボロボロだった。そこへ今回主役級女優の逮捕ときてはこの枠、相当呪われている。
それはともかく、撮り直すにしたって来年の第1回放送までは1ヶ月半しかなく、素人目にもとても間に合わないことが分かる。
そこでいつも思うのだが、いままで撮影した分は、そのまま放送することはできないのだろうか。
いや世間の言わんとすることは分かる。逮捕者をそのまま放送していいのか、という倫理観の問題であろう。
だけど犯罪者をテレビ画面に出したらいけない、という法はないはずだ。
事実、ワイドショーなんかは毎日、沢尻エリカ様の映像を垂れ流しにしている。ニュース番組も似たようなものである。それなのに、収録済のドラマはいけない、という暗黙の了解の意味が分からない。
撮影が間に合わなくなって、第1回が2月か3月からの放送になったとする。じゃあ遅れた分は、来年に回して放送するのか? それとも年間50話だったのを40話とか45話に短縮するのか? 遅れをどこで回収するのだろう。
撮影のメイキングとか見ると、スタッフはいつも精魂込めて作っている。素人目にはこれでOKなんじゃないかと思うもシーンも、撮り直したりする。
つまりここまで撮ったものは、一分の瑕疵もない完成品である。
それを急造で撮り直したって、いい画になるはずがないではないか。とてもスタッフが満足できるとは思えない。
だーかーらー、いままで撮っていた分はそのまま放送すればいいのだ。「出演女優が事件を起こしましたが、そのまま放送いたします」のテロップだけ流せばいいのだ。
これなら撮り直しの費用は発生しないし、放送も予定通り進む。番組だって話題になるし、視聴率だって上がるに違いない。私は大河ドラマは「真田丸」しか観たことがないけれども、エリカ様がそのまま出るなら、第1回から見ようとさえ思うのだ。
エリカ様が誰かを傷つけたということでもない。クスリは犯罪ではあるけれども、被害者がいない分、まだ救いの余地はある。
もうNHKは撮り直しでハラを決めているようだけれども、今後も同じようなことは必ず起きる。その時のためにも、放送続行を盛り込んだ約款作りは必要であろう。
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