神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

信州の雪 ロマン

2024年12月09日 17時14分49秒 | 季節と自然/花
 先週の木曜日以後今日まで、一歩も外歩きをしていない
毎日毎日、冷たい雨、時にはみぞれ混じりの雨が降っていて、とても歩く気になどなれない
それでも車で走ってみると、ときどき雨をものともせず散歩されている方が居るのには驚く。

私が冬の雨の中を歩かないのは、一に寒いから、二に冷たいから、三に風邪をもらったり、インフル、コロナをもらうのが嫌だからだ

海岸沿いの雪は水気を含んでいて、重たく、冷たい、少しも冬のロマンを感じない
それに比べると信州の雪は、サラサラとして温かい
粉雪は輝くし、光を通す
サンタクロースの住む雪国はきっと信州のようなところだと思う
いや雪国と言うのが間違っている、粉雪が舞う冬の国
スキー場の夜、ゲレンデの引き締まったスロープは明るく輝いて、その向こうに見える家も宿も食堂も酒場も、どの窓も温かい光を放っている

シリウス、リゲル、ヒヤデス、プレアデス、青白き星々は凍えた深い深い宇宙に散りばめて、ハッピークリスマス
冬のロマンは信州にこそある

どうしてこうも越の国と信濃の国は雪に優劣があるのだろう
重く冷たい海辺の雪を恨む。








「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(270) 甲越 川中島血戦 97

2024年12月09日 10時18分40秒 | 甲越軍記
 宇佐美勢一千余騎、勝ち急ぐ武田の旗本の横合いより突き入れて形勢は一転して、上杉勢の有利となる
謙信は宇佐美の与力に大いに勇み立ち、旗本をまとめて盛り返せば、武田勢は総崩れとなる
ここに上杉方の渡邊越中守の勢、宇佐美勢をも乗り越えて山も崩れよの勢いで、武田勢に突き入れればいよいよ武田勢危うし
崩れたつ武田勢を追いつめ、ここかしこに討ち果たせば武田勢の死傷数知れず
御幣川まで追いまくられて川にはまって人馬ともども流されて沈むも少なからず

大将、上杉謙信は紺糸縅の鎧を着け、金の星兜を着賜い、萌黄緞子の胴着衣を着し、放生月毛の虎の面の如くなる逸物の馬に乗り、鞭を充て「後は総がかりにせよ」と言い捨てて、ただ一騎三尺六寸の太刀を抜き外し、真っ先に駆け出れば備備えの旗本らも「御大将真っ先にあらばなんぞためらうべきや、急げ急げ」と我先に駆けだす
謙信以下上杉勢は、今なおこらえる武田太郎義信の備えにまっしぐらに突き入れれば、さしもの武田太郎の備えも木端みじんに打ち砕かれて、右往左往に散乱する。

ここに上杉謙信は今日こそ雌雄を決すべしと心を定めて、金の兜の忍びの緒を切って犀川の深みに投げ込み、白練の絹をもって鉢巻きしたまう
信玄の床几備えめがけて、ただ一騎にて崩れたる武田の旗本を尻目に、中へ中へと突き進む
旗本の軍兵らは謙信を見届けると我先に討ち取らんと競って突き寄せるを、勇猛の謙信は三尺六寸の大太刀抜き放って近づく敵を打ち払う
謙信の従者も名を得た人々なれば、ここを死に場と定めて大将の眼前で潔く討ち死にせよと奮起する
その間に謙信はさっと走り抜けて信玄が床几近くに駆けいれば、信玄はかねてより同じいでたちの老人、七、八騎を並べ立て、いずれが信玄なるや知れず
迷ったが、先年信玄と対面して、その面を見止めていたので三度までここかしこの老人に近づいてみるがいずれも影武者なり
そこへ武田の武者、原大隅守が駆けつけて「信玄公が何でここにいるものか狼狽者め」と槍を繰り出す
原大隅守、目の前の一騎駆けの武者が敵の大将とは知らず。