「聖人にもかならず出発点はあるものだ。それにこれまでもずっと、世界を古い時代から救い出し、みずからが描く姿につくり直してきたのはいつだって子供たちだった」
上級魔法使いカール・J・ロメロの言葉。物語の主役はいつでも少年と少女、大人はただの腰掛けなのだとグレート・ワイズマンも言ってました。
姉のニータは認めないかも知れないが、デリーンは頭の良い少女であり、単なる知りたがりの11歳ではなかった。
3歳のときに知識がなければ世の中では生きていけないと認識して以来、ひたすら本を読んで読みまくり、周囲の出来事に目を配り続けていたデリーンは、ニータの持っている魔法の指南書だって読めるところはこっそり目を通している。
そんな彼女がついに手に入れた、彼女専用の指南書はノートパソコン。新米魔法使いとなったデリーンはいきなり星の海へと飛び出すが、それこそ彼女にとっての“最初の試練”だった……。
この邦題、『いさましいちびのトースター』のもじりなのは丸わかりなので個人的にはやめてもらいたかった。一目見るなり「いまいましい……」と脳内変換しちゃうんです。
少女デリーンの宇宙大冒険といった感じで、これで3部作完結!みたいな勢いで大団円を迎えますが、実はシリーズ8作目を越えてなおも続編執筆中とのこと。やってきた新型パソコンの描写がやたらに古めかしく、はてと思って見てみれば1980年の本。そりゃあ、まだウィンドウズも入ってないさ……といいつつアップルだったりするけれど、DOSマシンなんだよね。時代の流れの速さを感じます。
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