付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「マジカル・ハイスクール」 朝松健

2009-11-29 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「……どこからがフィクションで、どこからが事実なのか……全然、分からないジュヴナイル小説があったら……コワイと思う……」
……という作品なのですね。個人的には『私闘学園』のオカルト版だと思いました。

 落ちこぼれのオカルトマニア三人組が行った悪魔喚起が見事に成功。ところが出現した小悪魔を陰険でエゴイストな教育実修生・北内東が使い魔にしてしまい、そのイタズラで学園は大騒ぎに。
 ところがその悪魔の攻撃を一蹴した美少女がいた。そのクラス委員長の松尾真紗美こそ本物の魔術師だった……。

 SUEZENのイラストで買ってしまった1冊。この頃は「朝松健」と「SUEZEN」では「SUEZEN」の方が比重が高かったんですね。まあ、今も中身がわからないときは絵で選ぶというのは基本ですし。
 ストーリーそのものはよくある「悪魔を使うイヤな奴との対決」なのですが、西洋魔術の“正しさ”に徹底的にこだわった作品です……と思う。だって検証できないから。
 魔術師と魔道士と妖術師と呪術師と魔女と巫術師とマギの違いとか、魔術書と奥義書(グリモワール)と魔道書の差とか、理論的に徹底的にこだわったところで繰り広げられるハチャメチャ・ファンタジー。

【マジカル・ハイスクール】【朝松健】【SUEZEN】【実践魔術】【所沢大学】【クトゥルー】【魔術師心得全六則】
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「神剣アオイ」 八薙玉造

2009-11-29 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「ひ、ひとつになろう! また!」

 他の世界から流れ込んできた別御霊(ことつみたま)を根源とする存在が、こちらの世界の生き物や無機物に取り憑くというのは、実は頻繁にあることらしい。そうした「賓(まろうど)」のことは妖怪だの土地神だのという言葉で断片的に伝えられている。
 名嘉田幸人がそんな世界の真実の一端を知ることになったのは、ある日空から突然に1人の巫女装束の少女が落ちてきたからで、どう見ても10歳程度の少女は幸人にいきなりキスをしてくるのだ。舌まで入れて……。

 世界の均衡を崩してしまう強すぎる「賓」を倒すためだけに生まれてきた「神剣」は、死ぬ前にせめて恋をしたいと少女マンガをテキストにしていた……って、参考にしたのが古いマンガで良かったね。今どきの少女コミックだったら……。
 人の姿をした妖相手に戦う萌伝奇アクション学園小説。主人公の少年もその幼馴染の“無敵先輩”こと坂兎たばねも人間としてはかなり強い方なのだけれど、ショッカー怪人みたいな敵にはまるっきり歯が立ちません。かといって、やられっぱなしで他人に戦わせているだけではカタルシスはないわけで、そのあたりの駆け引きは巧いなあと思いました。
 国語のひどさが目にあまる巫女少女はもちろん、たばねの感情がすっかり抜け落ちた言葉も良い感じに壊れています。うん。言葉の選択って大事だなあ。
 とりあえず続きの伏線も張られているので期待したいと思います。

【神剣アオイ】【八薙玉造】【植田亮】【初恋ショットガンラブ】【八百万の神】【酒呑童子】【ヤマトタケル】【異端の幼馴染】【巫女ボーグ】【合体】【ファーストキス】
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