付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「前世再生機」 キース・ローマー

2009-11-27 | その他SF(スコシフシギとかも)
 キース・ローマーという作家の作品は、単純明快に面白いです。なにもかもほどほど。SF的な突飛なアイデアがぽんっと出されるけれど、アイデアと設定だけで延々と語られることもなく、普通の人間だけれども諦めることを知らない男が、わけのわからないまま事件の渦中に投げ込まれ、美女や怪人が右往左往する中、無理無茶無謀を通して大団円に向かって猪突猛進する……というのが、自分の思うローマー作品。

 大富豪フォスターはもしかしたら不老不死かも知れないという。この記憶を失った男の過去を探るうちに、しがない私立探偵レジョンは宇宙規模の権力闘争に巻き込まれてしまうのだが……。

 「このオチでいいのかっ!?」と突っ込みたくなる気もしますが、とにかくアイデアが斬新でプロットが単純明快。翻訳が少ないのが残念。このあたり、今からでも訳してラノベ的に売って売れないかしらね。

【前世再生機】【キース・ローマー】【真鍋博】【ハヤカワ文庫SF】【不死】【肉体交換】【記憶】
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「15×24(4)~Riders of the Mark City」 新城カズマ

2009-11-27 | ミステリー・推理小説
「落胆するな、最悪の事態はまだこれからだ」
 若隠居・在所治英のモットー。

 ごくありきたりの一日として始まった大晦日も、自殺志願者とそれを制止しようとする者、幇助しようとする者やら野次馬が混じり、それに自警団の皮をかぶった愚連隊やらヤクザやら若隠居やら死にかけた老人やらが入り乱れ、あちらで誘拐だ!遭難だ!と大騒ぎしている間に、こちらではナイターで草野球をやっていたり、予言が成就したりとなにがなにやらのまま夜の21時台へと突入していきます……。

 物事がバタバタバタッとオセロのようにひっくり返っていきます。最初は「自殺っていけないの?」とPBMリアクション風に描いた『中学生日記』みたいに始まった物語も、登場人物たちの内面が薄皮を剥ぐように変化していきます。バカはバカではないし、卑怯者は卑怯者ではなく、同じように優しいおばさんは優しいおばさんではないし、善意は凶気の裏返しで殺意と嘘があふれ出していきます。
 野球のユニフォームで車椅子の眼鏡少女って可愛いです。しかもいまだ正体不明。轢かれてみたい。

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