付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「透明人間」 H・G・ウェルズ

2009-11-04 | その他SF(スコシフシギとかも)
 ウェルズの『透明人間』って、話としてもキャラクターとしても有名なんだけれど、よくよく考えてみると読んだことは一度もなかったりした。なんで急にそんなことを思ったかというとコミック『怪人連盟』(リーグ・オブ・レジェンド)に主役チームとして参加している透明人間が非常に外道で、他人から見えないのを良いことに寄宿の女学生を連続レイプするところから始まって最後の最後まで鬼畜だったから。
 そこでデイヴィッド・ロッジの『交換教授』じゃないけれど、「とても有名でみんなが読んでいるけれど、実は自分はまだ読んでいない作品」ってのは機会があったときに読んだ方が良いよね……と『透明人間』を見つけてきました。1967年の第10版で定価140円。昔は本が安かったんだよなあ……。

 透明薬を発明したグリッフィン博士はとことんマッドサイエンティストでした。社会的モラルに欠け、自分のため自分の研究のためなら「なにをしても仕方がない」という御方。親の金を盗んで自殺に追いやり、放火し、窃盗し、暴行し、しかもそれを「やむをえないことだったから」といけしゃあしゃあと語る不遜さ。その行動が次第にエスカレートしていくのですが……。

 やっぱり外道でした。

【透明人間】【H・G・ウェルズ】【3冊のノート】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ラ・のべつまくなし」 壱月龍一

2009-11-04 | 本屋・図書館・愛書家
「みんなが好きだから好きになって、みんなが誇らしげだから自分も誇るなんて、そんなのおかしいじゃないですか。どうしようもなく好きだって、心が叫ぶんです。それを誰かが貶めたからって、その自分は変えられないです」
 人の評価は気にしちゃいけないと椎名明日葉の言葉。

 売れない純文学作家だった矢文学がライトノベルに転身して大当たり。しかし、書く動機を失ってしまって続きを書くことができない。
 そんなブンガクが、作品の舞台となった図書館で、自分の作品のファンだという少女に出会って一目惚れしてしまう……。

 文学青年・ミーツ・腐女子。壱月龍一は『Re:ALIVE―戦争のシカタ』しか読んでいなかったけれど、他の作品も読んでおけば良かったと後悔。
 誤解されたと思ったら、できるだけ早く解こうとする。人の話はきちんと聞くし、わからないことがあったら、その都度訊ねる。そういう人間関係のあたりまえができていて、それでも混乱するからラブコメって楽しいなあ。いわゆるラブコメ風作品にありがちな非常識な行動、頭の悪すぎる空回りなしで物語をきちんと作り上げているので好印象です。
 そんなに複雑なストーリーではないし、大笑いするような話でもないけれど、読み終えたらすぐにもう一度最初から読み直してしまう幸せな本です。締め切り守って明るい恋愛……って感じかな。

【ラ・のべつまくなし】【ブンガクくんと腐思議の国】【壱月龍一】【裕龍ながれ】【腐女子】【コミケ】【ツイッター】【執事喫茶】【聖地巡礼】【ボクキャラ】【ボーイ・ミーツ・ガール】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする