付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「DRAGONBUSTER(1)~龍盤七朝」 秋山瑞人

2008-05-17 | 時代・歴史・武侠小説
「勘所さえ外さなければ、人の身体なんてちょいと突けば勝手に弾けてばらばらになるくらいのもんだよ」

 秋山瑞人と古橋秀之が共通の世界でそれぞれ物語を創作していこうという、ふたりっきりのシェアワールド作品「龍盤七朝」の第1弾、『DRAGONBUSTER』がスタートしました。

 月華(ベルカ)は卯王朝の第18皇女である。
 皇女も18番目あたりとなると、やることもないまま格式高い決めごとばかり押しつけられ、面白いことは何一つない。そこでたびたび城を抜け出しては庶民の街を見て歩くことだけが月華の楽しみとなってしまったわけだが、ある日、道に迷ってさまよい出た運河のほとりで、1人剣の鍛練を積む男を目撃する。
 その舞うような姿に、つい歩み出てしまった月華。だが、その剣は止まらない。致命傷になろうかという一撃から月華を救ったのは老剣士・群狗であったが、殺されかけた月華は自分が殺されかけたことに気づかず、殺しかけた少年・涼狐(ジャンゴ)も自分が誰かを殺しかけていたことなど思いもよらなかった。ただ群狗だけが、少年の剣の正体に気づいていた……。

 くるくると元気の良いお姫さまと、人々から忌み嫌われる山岳民族の末裔である少年が出会うまでが第1巻。あとがきだと次の巻でこの話はおしまいみたいだけれども、同時に血生臭い話にもなりそうで、2人の先行きが気になります。考えてみれば、秋山作品にハッピーエンドで終わったカップルの話ってないよなあ……。

【DRAGONBUSTER(1)】【龍盤七朝】【秋山瑞人】【藤城陽】【電撃文庫】【ボーイ・ミーツ・ガール】【武侠小説】【天下一武闘会】
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「世界平和は一家団欒のあとに」 橋本和也

2008-05-16 | 超能力・超人・サイボーグ
 あまり知られていないことですが、星弓一家は勇者の家系で、8人家族は今日も地球や宇宙や次元の平和を守って大忙し。でも一家団欒がいちばん大事だよねという話。
 家族全員がとてつもない能力を持っているなんて、昔はパロディくらいしかなかったような気がするけれど、今はちょくちょく見ますよね。『Mr.インクレディブル』とか『神様家族』とか。
 こういう話を持っていると、「金は有れば有るなり、無いは無いなり」という言葉を思い出します。いくらお金があっても、有れば有るなりの付き合いや支出があるので、そんな好き勝手に湯水のようには使えないものだし、無ければ無いなりにやればやっていけるもんだよという言葉。そこで分不相応のことをすると転落人生とか自己破産とかに到達しちゃうわけですが。
 超人家族といっても、強ければ強いなりに立ち向かわないといけない障害も大きいわけで、やっぱり家族で協力するって大切だよねということなのかな。

【世界平和は一家団欒のあとに】【橋本和也】【超人ヒーロー】【家族の絆】
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「速水螺旋人の馬車馬大作戦」 速水螺旋人

2008-05-15 | 架空戦記・仮想戦史
 ついに出ました、単行本。
 あちらこちらのミリタリー雑誌やゲーム雑誌で、丸っこくてごちゃごちゃしたメカが虚実入り混じって登場するイラストエッセーやコミックを描いている速水螺旋人の初単行本です。まったくもって、よく集めたナーという感じ。
 象に装甲つけて砲塔乗せて日本軍に立ち向かわせるディプルカプル王国の戦象連隊の話とか、20年間着陸することなく改造と修理を重ねてもはや構造を把握する者が誰もいない超大型原子力爆撃機の話とか、三輪空対空戦闘車両とか。あるいは『デスメイズ』とか『ダークネビュラ』のリプレイ漫画とか、ロシアのコミックイベントのレポート漫画など盛りだくさん。
 値段は1500円だけれど、普通のコミックとかイラスト集と比較したらその10倍の価値はあるね。もちろん丸々したメカとかモンスターとか身もふたもないゲームの顛末とかが大好きで、びっしり手書きで書き込まれた文字を読んだりするのが楽しい人に限りますけれど。

【TRPG】【ボードゲーム】【コミッシャ】【ロシア】【ウソ歴史】
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「ガンパレード・マーチ~九州奪還2」 榊涼介

2008-05-14 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
「この仕事で、最悪から最善まで考えられないヤツはゴミだ。現場の兵は命を賭けている」
 補給中枢となった田浦ターミナルの守備隊司令官・宮下大佐の言葉。

 九州上陸初戦の快進撃に、損害を顧みない政治介入がさらなる進撃命令を促す。熊本要塞を奪回せよと。
 敵戦力は本当に壊滅しているのか。散発的な敵の反撃を容易に撃退しつつも、前線の兵士たちの疑念は晴れない。そして、彼らの疑問はほどなく解決されることとなる。
 伸びきった補給線に幻獣精鋭の猛攻が加えられたのだ。
 反撃を予期していた善行の海兵旅団ですら、そのすべてを支えきることはできない。陣地構築の猶予を与えられなかった補給拠点、佐賀市は瞬時に陥落寸前となり、第58山岳師団は壊滅。あとに残されたのは、鷺宮少将指揮下の518連隊ら移動車両を持たない学兵部隊だった。
 救援に向かう芝村支隊の前に、新型の砲戦タイプ、オウルベアが立ちふさがり、そして壬生屋はきれいな戦いを捨てた……。

 今回の表紙は滝川、石津、来須のレギュラーだけどぞと思って帯を外したら、紅陵女子の佐藤万翼長が居ました☆
 末期戦のシーズンが終わっても、快勝快進撃はいまだ遠く、いよいよマーケットガーデン作戦ですよ。うん。マーケットガーデン。遠すぎた熊本。すると山川譲中将はさしずめブラウニング中将かモントゴメリー元帥といったところか。
 学兵たちのラブコメ話もたっぷり挿入されますが、それはあくまで「きれいごとやヒーロー願望などきれいさっぱり抹殺される世界」に対する逃避みたいなもの。「狂わずして災禍を狩る災禍にはなれぬ」という舞のセリフが身に染みます。
 いつものメンバーでは、茜の成長が著しいですね。速水や壬生屋もまだ成長する余地があったのかという感じ。

【ガンパレード・マーチ】【九州奪還2】【榊涼介】【輸送部隊】【進化の選択】【狂気】【猟師の罠】
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「シックスルーン 星ヲ守ル者たち」 桜井亜美

2008-05-13 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 人工都市KYANOSに設立された星蘭学院は、何らかの才能に恵まれ、眉目秀麗な少年少女が集まる学舎。
 ある朝、通学途中の女子高生ミユは、この星の守護神と名乗る美青年と遭遇し、地球を救うため、悪霊シャーンと戦うのに協力して欲しいと告げられるのだが……。

 洋上の学園都市を主な舞台に、地球を守る5柱の美形守護神と、彼らの依代となった6人の天才少年少女たちが、地球を滅ぼそうとする悪魔と戦う物語。シックス・ルーンとは、守護神である見目麗しい守護神兄妹たちのこと。
 白泉社というより秋田書店の系統の少女マンガなんかで、いかにもありそうなパターンの話。好みが非常に別れるところだと思う。思うよ。

【善と悪】【エリート校】【美男美女】【恋愛】【守護神】
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「名古屋航空宇宙システム製作所 50年の軌跡」 三菱重工

2008-05-12 | エッセー・人文・科学
 随分前に頼んでいた社史が完成していたらしく本日到着。DVD付ですよ。
 もともと零戦などが作られていたこともあり。名古屋は昔から航空産業の中心地でありました。そして1975年のN-1ロケット打ち上げ成功により宇宙産業にも足をツッコミ始めたわけで、つまり名古屋の歴史は日本の航空宇宙開発の歴史ともいえるのです。
 その社史ですから(対外的にも頒布しているものなので、あまりにあまりな記載はありませんけれど)、門外漢の部外者が読んでもなかなか面白いですわ。技術発展の歴史であり、経営組織改革の歴史であり、いろいろと。
 技術発展といっても単に凄いエンジンが完成したとかいうばかりが技術発展ではなく、検査技術がこう変わったとか、加工が早くなったとかいうのも発展。たとえば、航空機整備ラインの新旧対比なんか、同じようであっても構図が同じ写真2枚比較すると納得しちゃうわけですよ。
 商品カタログも楽しい。
 F-86F戦闘機やF-1支援戦闘機から軌道再突入機、さらには艦隊戦域複合戦シミュレーションやサッカーPK合戦システムまで。サッカーかよ……。

【統合防衛システム】【HOPE】【宇宙太陽発電システム】【航空機開発】
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「屍天使学院は水没せり~浪漫探偵・朱月宵三郎」 新城カズマ 

2008-05-11 | 本屋・図書館・愛書家
「探偵にとっての関心事は、論理的かどうかであって、現実的かどうかではないのだよ」
 世界を一変させた浪漫探偵・朱月宵三郎の言葉。この言葉に象徴されるように、あくまで本格ミステリでありながら、一般の常識に囚われていてはこの謎の真相に近づくことなどできはしないのです……。

 聖クラリッサ学院に転入してきた少女・深草真夜の周囲に起きる恐ろしい事件の数々。その彼女を守るために現れた浪漫探偵・朱月宵三郎は、これこそ怪人<夕闇男爵>の仕業であると告げた。機巧騎士ブラン・マクハイン、リヨンの悪魔書記官ギゾー・ド・ラ・ルース、原始少女ジュジュ、屋根の上のシモン、魔術師<黒手袋>、ルミエール親方……かつて真夜の祖父が書物の世界に封印した怪人たちが、この21世紀の世に復活したというのだ。
 
 現代社会に蘇ったレトロな怪人たちに狙われる少女を護る、レトロな探偵の冒険譚。全編レトロ調な中、主人公の少女とその友人はしっかり現代っ子。このあたりの雰囲気やギャップの描写が中途半端だと物語全体が空回りしちゃうんだけれど、そのあたりしっかり描かれているので楽しんで読めます。
 個人的には次々と登場する怪人の名前を読み上げていくだけで燃えちゃうんですけどね。

【屍天使学院は水没せり】【浪漫探偵・朱月宵三郎】【新城カズマ】【読者への挑戦】【著作権法】【無限図書館】
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「るくるく」 あさりよしとお

2008-05-10 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「悪魔は人間の本音の側にいるから」
 るくの言葉。

 絵に描いたような貧乏少年、六文の前から父親が突然姿を消し、代わりに現れたのは謎の美少女るくだった。るくは六門の役に立ちたいとエプロン姿でおさんどんを始めるのだが、その隣の部屋で父親は惨殺死体となっていた……。
 美少女悪魔や不信心者に天罰を与えんとする天使、さらには怪しげな仏教僧、煩悩のままに生きるクラスメイトらに囲まれた六門の日常を、ほのぼのとブラックでシニカルな笑いと共に描く。

 これといって取り柄のない少年のもとに恥ずかしがりの美少女が押しかけ、なし崩しに同居することになる……というベタベタの展開が典型的な願望充足ものに陥らないのが、さすがあさりよしとお。
 るくの正体は、このままでは地獄が人間であふれかえると、何とか人間には天国に行ってもらおうと世直しにやってきた悪魔であり、彼女の正体は明らかではないモノの、るくの配下がいずれもそこらの上級天使なら一撃粉砕する大悪魔クラスなので、そうなると上にはあんまりいないわなあ……。
 最初に読んだときは、思わず声を上げて大笑い。最近ではさすがに初読時のようなインパクトはないけれど、その面白さは相変わらずです。

【天使】【悪魔】【原始仏教】【貧乏】
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「レディ・ジェネラル 淑女騎士団」 千田誠行

2008-05-10 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「よく覚えておくんだな、楊家将の女は強いんだ」
 いや、楊家将でなくても、この作品に登場する女性はみんなムチャクチャ強いよね。

 緋影宗保の最愛の兄、延朗が突然交通事故で死んだと告げられたとき、放課後の武術修行だけが楽しみだった宗保の日常は終わりを告げた。警察からはただ交通事故というだけ告げられ、そのまま密葬にされようとしていた遺体には、無惨な刀傷が残されていたのだ。
 謎の女性から、兄は楊家将と名乗る一団によって殺されたのだと知らされた宗保は、楊家将の拠点へと乗り込むが、龍の力が宿る武器<龍珠>を使う楊家将の戦士によってあえなく返り討ちにあう。しかも敵の中には、いつも彼と体育館で修行していた少女、九妹の姿があった。
 楊家将とは何者なのか?
 とりあえず楊家将に勝つために彼らと同じ力を手に入れようと、同じく<龍珠>が隠されているという木閣塞女子高等学校に潜入した宗保は、今度も行く手に立ちふさがる美少女に打ちのめされてしまう。
 ところが宗保のことが気に入ったという美少女剣士・桂英は、<龍珠>を渡す代わりに彼を夫に迎えると言い出した……。

 中国明代の古典文学『楊家将演義』を下敷きにした、学園武術伝奇アクション。
 現代日本の高校を舞台にした話で、原案は中国文学なのに、タイトルはジェネラルとか騎士団とか西欧傾向が強いもの。なんかアンバランスですね。せめて、和か中か、どちらかに沿ったタイトルにすれば良かったのに……。
 そこさえ気にしなければ、けっこう面白かったと思います。

【龍脈】【高校生】【女戦士】【超武術】
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「ダーティペアの大征服」 高千穂遥

2008-05-09 | その他SF(スコシフシギとかも)
「勝負には谷もあれば、山もある。それは努力でも人智でも回避できない」
 ギャンブラーのマイティ・ロック、どん底でのセリフ。

 惑星キンメリアの大陸ひとつをまるまるヒロイックファンタジーの世界に仕立てあげてしまった、超巨大テーマパークに犯罪組織ルーシファの影が!
 依頼を受けてWWWAのトラブルコンサルタント、ユリとケイが潜入捜査に乗り出したが、それはすなわち一般客としてファンタジーの世界で天下取りをしろということに他ならなかった。
 レベル1からスタートして、竜を退治し、宿屋での奇襲攻撃をかわし、傭兵部隊をまとめあげ、目指すは双子の王子の城!

 ダーティペア・シリーズの第6弾。
 最新テクノロジーでファンタジー世界を再現したテーマパークで起きた事件を潜入捜査で調査する話というと、ニーブン&バーンズの『ドリームパーク』を思い出しますが、あちらはあくまでライブRPGで、マスターがいて、シナリオがあって、パーティを組んでというものですが、こちらはライブMMOというか、まんま正統派ヒロイックファンタジー。グインサーガ風味でキンメリアのコナン万歳ってな話です。
 とりあえず、事件はなんら解決しないまま終わってしまいましたが(というか、陰謀の片鱗がかいま見えるだけ)、ヒロイックファンタジーとしてはOKですよね。『異世界の勇士』『美獣』と国産ヒロイックファンタジー創世の旗手が、一回りして帰ってきたら「こんなんなってました」という感じです。

【ダーティペアの大征服】【高千穂遥】 【ヒロイック・ファンタジー】【国盗り】【ドラゴン】【傭兵】
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ARG

2008-05-08 | 雑談・覚え書き
 時代がやっと追いついてきたという感じ。
 ここ最近になってARG(Alternative Reality Game)などという言葉を聞くようになりました。ライブ感を重視した仮想現実をテーマにしたゲームです。
 ウェブサイトに普通に置かれているデータベースにアクセスしたり、実際に開かれる集会で情報収集したりしていくうちに、なにか大きな事件が発生していることに気づき、自分がその真っ直中にいることを体感するというタイプのものです。

 ほら、ありましたよね? 『ネットゲーム'88』とか『平成偉人伝ガリレイザー』とか『アルマゲドン・エクスプローラー』とか。
 バカカードな『平成偉人伝ガリレイザー』や脳内妄想爆発の『アルマゲドン・エクスプローラー』は含めて良いかどうか微妙なところですが、『ネットゲーム'88』は紛れもなく今「ARG」と呼ばれているものの先駆けでした。海外のケースはよくわからないし、日本でも寺山修司の書簡演劇などというものが存在しましたから、世界初とはいえないんですけどね。
 
 ただ、遊演体が『ネットゲーム'88』をやった時代には、インターネットも存在せず、パソコン通信すら最先端のマニアックな趣味の時代でしたから、ハード環境的に不十分で、現在、映画や出版物のプロモーションとしておこなわれているような大規模な形でやることは不可能でした。集客力もないし、たとえ多数の参加者が集まっても処理しきれなかったでしょうね。
 それでも、記者会見を模したイベントや事件現場の様子を録音したテープ、焼けこげた紙片など、雰囲気を盛り上げる試みが幾つも用意されていました。今なら、ウェブラジオとかオンデマンド出版本とか動画共有サイトとか、いろいろ使えるツールが気軽に転がっていますよね。

 でも、『名探偵コナン』でARGって……、良い時代になりましたね。
(2008-04-23)


 とりあえず、『名探偵コナン』ARGを1パック購入。
 中には4枚1セットになるはずの事件カードが!……って、これはよくある推理クイズというやつですな。中には裏面に新聞記事や暗号表みたいなのがプリントされたカードも入ってますね。なるほど。同じテーマの謎カードを4枚集めて全部の謎を解き、カード裏の銀シールをはがしてコード番号を携帯やパソコンから専用サイトに入力して登録なわけね……。
 あとは、カード以外の部分にどれだけ手をかけているかかな……。
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「瀑竜戦記」 横山信義

2008-05-08 | 架空戦記・仮想戦史
 大艦巨砲主義のまま突入し、大艦巨砲主義が通用したまま終わった太平洋戦争を描く架空戦記「八八艦隊物語」の外伝である中編集で、本編作者である横山信義以外の2名の作品が収められている、ある意味のシェアワールド・ノベルズ。『妖魔夜行』には負けるけれど、日本のシェアワールドものとしては早い方。
 檀茂による「瀑竜戦記」は高速雷撃艇「瀑竜」で敵艦隊に望んだ男たちの生と死を描いた回想録。
 初瀬深雪による「秋山支隊、挺進す」は大敗を続け日本陸軍が発言権を失った史実と異なる世界において、陸軍が活躍をした数少ない戦い。日露戦争における秋山支隊の奮戦を描いた一篇。
 いずれも読者の目が派手な戦いに着目しがちな架空戦記において、異例なくらいマイナーなジャンルが取り上げられているのが特徴。

【雷撃艇】【騎兵】【馬賊】
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「特務機関GWA」 K・H・シェール

2008-05-07 | その他SF(スコシフシギとかも)
 2002年4月23日、アメリカ国立研究所ヒルタウンで3人の科学者が殺害され、研究中のウィルスが盗み出された。このウィルス、月面で発見された病原体ルナリス・ウィルスは放射能と毒素をまき散らして動植物を瞬時に死に至らしめる威力があった。
 合衆国政府から出動要請を受けた特務機関GWAは、トール・コンナートとハンニバル・ウータンの2人の捜査官を派遣するが……。

 ドイツのSF作家シェールによる未来スパイ活劇。GWAの組織紹介に全体の1/3、半分の所で事件が提示され、残り半分で潜入捜査から大アジア連邦の息がかかった犯人グループの殲滅まで。
 しかしシェールの作品で紹介されているものというと、たいていがアメリカが舞台かアメリカ人が主人公。ペリー・ローダンだってアメリカの宇宙飛行士だしね。そのあたりの選択というか屈折ぶりは日本に似ているかも。
 内容的には007とか電撃フリントみたいな感じというか、B級アクションとして90分枠で実写化されてちょうどいいくらい。

【特務機関】【秘密諜報員】【細菌兵器】【中共】
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『フロリダ旅行(6) NASA』 1992.07/07

2008-05-07 | イベント・コンベンション
 フロリダへ行ったら外せないのがケネディ宇宙センター。人類初の月面着陸をしたアポロ11号からスペースシャトルまで打ち上げられている宇宙の玄関口

 日本の旅行社が主催するオプショナルツアーで申し込むと2人で2万円くらい余分にかかるので、例によってケチケチに、自分で送迎用のピックアップを手配します。まあ、朝一でピックアップに乗せられ、どことも知れない原っぱの真ん中に置き去りにされたときは驚愕したけれど、要はあちらこちらからピックアップで拾われてきた客が、ここで大型バスにまとめられるということですね。
 さらにセンターのチケットは、ゲートでバスの運ちゃんがまとめ買いして各自精算。予算的には1/4だけれど、このどきどき感の代わりの安心代に1万5000円払うんだなあ……と納得。

 ケネディー宇宙センターで何を見るかというと、まずはバスツアーでスペースシャトルやサターンロケットを組み立て工場を見て、建物の中に雲ができるという巨大さを堪能し、それから発射台を見学。ただし、いつもなら近くまで行けるのだけれど、次の発射準備が控えているということで観光客は付近に立入禁止。遠くから発射台群を展望するだけで我慢。
 それから、ロケットパークで芝生の上にごろごろしている本物のロケットを見学。本物といっても、あたりまえですが予備機体ばかりですが、それでもあの工場で組み上げられるロケットですから、体感すると感動ものです。こんなんが飛ぶんだねーと。

 そして巨大スクリーンのアイマックス・シアターで宇宙ミッションの映画上映。視野一杯に広がるスクリーンに映し出された地球の姿に……爆睡。
 さすがにそろそろ疲れが溜まり始め、睡眠不足を気力で補えなくなっています。
 上映後は、そのままアートミュージアムへ。
 ここは宇宙をテーマにした絵画100数点が展示された美術館。ワニがたむろする湿原の彼方から打ち上げられるロケットとか、図録が思わず欲しくなる作品群。でも、探しても売ってませんでした。
 一通り見たら、カフェテラスで昼食。
 広く明るいホールに、日本の回転寿司みたいなベルトコンベアーで食べ物がぐるぐると。ハンバーガー、ハムチーズサンド、プリン、コーラ……コーラ? 味は予想通り大雑把。うん、こんなもんだ。
 午後からもあちこち見て回り、ブリーフィング・ルームで次のシャトル・ミッションについてレクチャーを受けるもヒヤリング全滅。まあ、雰囲気だけ……な?
 午後3時くらいのバスに乗り込んで宇宙センターにお別れ。そのままMGMスタジオに寄り、夕方のパレードを見てから今度はマジックキングダムに転戦。そこで夕食。
 メニューの「ビーフステーキ・ウィズ・マッシュルームソース」を注文。出てきた料理を見たら、「どこからどう見ても、ただのビーフシチューだよなー?」……言葉の世界は奥が深い。隣の家族連れが注文していたチキンステーキの方が美味しそうに見えた罠。でも、これまた小学生くらいにしか見えない女の子の食事に、鶏半身まるまるのチキンステーキは多すぎると思うけど。
 22時半からの花火ショーを見てからホテルへ帰還。疲れた疲れたといって、ぜんぜん懲りてませんね……。
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「ルーンの杖秘録」 マイケル・ムアコック

2008-05-06 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 先日書庫を整理したら、全4巻の「ルーンの杖秘録」が6冊出てきました。でも6冊あって、第3巻は1冊も無し……あれ?

 魔術と科学が混在する世界。
 今や世界を支配せんとする“暗黒帝国”グランブレタン帝国に抵抗していたケルン公爵ホークムーンもついに捉えられ、命令に背けば脳を食い尽くす宝石を埋め込まれてしまう。
 かくして帝国の走狗と化してしまったホークムーンは、英雄ブラス伯爵が統治し、今なお帝国に反旗を翻しているカマルグ国へ送り込まれてしまう。伯爵の娘イッセルダを人質として誘拐して来いというのだが……。

 ムアコックが描く多元宇宙シリーズの1冊。ムアコックといえば、アルビノの王子エルリックと魔剣ストームブリンガーが有名だけれど、その他の作品の主人公たちと同一存在であることでも知られています。永遠の戦士エレコーゼ、紅衣の公子コルム、そして『ルーンの杖秘録』の主人公であるドリアン・ホークムーンも、エルリックと同じく「永遠の戦士」であり、世界を超えた分身なのです。

 この際、新装版で揃え直そうかな……。

【魔術と科学】【永遠の戦士】
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