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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

公共選択

2011-05-29 18:11:59 | 読んだ本
小林良彰 1988年 東京大学出版会
民主主義がどうこうとかいうと、この本を思い出す。
公共選択に関する入門書。いろんな理論が紹介されています。
公共選択って何だっていうと、はなしはさらにややこしくなるんだけど、まあ政治の決定のことだと思ってください。
人間ひとりひとり、今日の夕飯なに食おうかとか、自分に関わることだけだったら、勝手にそれぞれ決めればいいけど、他人といろいろ関係する社会的なことがらの選択は、お互いうまくやんなきゃいけない。
「自分が殺されるかもしれない危険があっても、他人を殺してもいい社会」が望ましいってひとと、「自分が殺されるのはヤだし、他人を殺してはいけない社会」が望ましいってひとは、同じ場所に住めない。ぢゃあ何をどう取り決めたらいいのかって、そーんな世のなかの根本的ルールづくり(社会契約って言っていいのか?)のこととか。
独裁ってのは物事を決めるのは一人の意思だから、決めるコストは安い、でも決めたことを実行に移すには、全員の同意を得るために説得するとか、あるいは強制的に言うこときかすための軍事力みたいなものがなきゃいけないから、そういうコストは高い。一方で、全員一致ってのは、決まれば誰も反対しないから物事はスムーズに進みそうだけど、全員の意思がそろうまで時間が延々とかかるとか、あるいは国全体でやろうとしたら何らかの形で投票させて集計しなきゃいけないから、決定についてコストがかかる。
そんなこんなを計算してみると、多数決ってのは(別に特別優れた方法ってわけぢゃなく)いちばんコストがかかんない方法になるから、いまの世の中で採用されてるんぢゃないかとか。
まあ、そういう話です。そういうの考えんの好きなひとは、読んでみてください。

コメント
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