日本の季節は、本当にはっきりしていて、ついこの前まで、蝉がガンガン鳴いていたのに、がらっと音色が変わって、今は、秋の夜長......
日の暮れるのも早くなってきた。秋分の日も過ぎたもんね。
シンガポールの季節のない世界、毎日同じ時間に日が昇って日が暮れる世界に慣れた者にとっては、この季節の移り変わりは、新鮮だ。
読書の秋にふさわしく、最近読んだ本について、徒然なるままに、しばらくつづってみたい。あまりの乱読に驚かないでください。
世田谷云々は、異色の本だ。誰が書いたかもわからないし、本当か造り話かもわからないのに、よく売れている。
たまたま被害に遭われた方が、知り合いの知り合いだったりして(同年代であることもあり、仕事で関係していた人もいる)、読んでみた。
嘘か真か、まったくわからないが、造り話にしては、よくできている。
我が町も、一時期外国人空き巣団が出没し、たいへんだったが、町内団結した対策のおかげか、平和な世界が戻った。
ただ、ここに出てくるクリミナル・グループは、けたはずれに凶悪だ。初めは、金目当てだったのが、だんだん、凶悪な事件を起こし、名を上げることに、目的がシフトしている。ヤクザとネイチャーは似ているかもしれない。こんなのに狙われたら、ひとたまりもないだろう。知り合いの話からも、本件が怨恨ということは、考えにくく、金目当てと思われるのだが、ではなぜ、こんなことに....ということになる。
確かに、従来では考えられないような、動機不明の凶悪事件が増えているので、その連想からこの本も売れているのだろうが、外国人=危ないという発想が根付くのも怖い。
日本警察組織の縦割りの弊害についても、多く触れられており、そのせいか、この本は根も葉もないと、当局は、打消しに必死である。
当局は、不安解消のためにも、頑張って犯人を、見つけて捕まえて欲しい。見つからないと、やっぱり、海外に逃げたのかということになり、作家(もしほら吹きだとすれば)の思うツボだ。
ただ、内容的には、もっと安く(例えば980円ぐらい)売るべき本なのだろう。週刊誌ネタだとまでは言わないが。