かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

仏教への旅

2007年04月21日 | India・Sri Lanka・Nepal・Bhutan・Uzbekistan


五木寛之さんが、『仏教への旅』という6巻シリーズを出している(既刊は3巻)。
インド編 上・下を読んだところ。ボリュームの割に、装丁が立派すぎる感(=高価格)もあるが、中は、自然体で、読んでいて心地よい。
インド編 上・下は、ブッダの最後の旅に沿って、インドを巡った時のエッセイ+仏教への思索なのだが、我々にはなかなか行けない所にもたくさん行かれている。TV番組表によると、NHKで、特番もやるようだ。
五木さんと言えば、(私にとっては)学生時代読んだ『青春の門』の印象が強いが、年に応じてテーマも変わって来て、今は、中高年をターゲットにして、平凡な(失礼!)庶民のレベルに合わせて書いていただいているような気がする。
インドの現状一般(特に貧困地帯)、インドにおける仏教の栄枯盛衰、インドにおける仏教のこれからなど、本書が示唆するものは多い。
ただ、やはり、仏教のふるさとであるインドでの仏教の現状は、さびしいものがある。佐々井さんが、インドでの布教活動、仏教復興のための草の根運動をされていて、五木氏もこの旅で会っている。インドで仏教を復興するには、平和的仏教だけでは難しく、闘争仏教、社会的仏教という姿勢が必要という。

インドに行くと、仏教関連の史跡が少ないのに驚く。写真は、数少ない仏教遺跡であるアジャンタ石窟にある涅槃(ニルヴァーナ)像だが、この石窟群も、山奥にあったため、忘れられて、破壊を免れてたまたま残ったものだ。
本書によると、仏教遺跡の中には、破壊されたものも多いが、破壊を免れるために埋められて、忘れられたものも多いらしい。1998年に発掘が始まった、ケッサリアという遺跡の写真が載っているが、巨大だ。ボロブドゥールよりも、規模は大きいそうだ。

インドの将来は、いろんな意味で楽しみだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする