かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

藤巻健史さん

2007年12月07日 | Topics
この季節、無料!セミナーが多い。ボーナスシーズンで、投資資金をかき集めようとする側と、何に投資しようか迷っている側との思惑が一致しているのだろうが、セミナーによって、言うことが全く違う(ほとんど正反対の時もある)から性質(たち)が悪い。ドラスティックな変化が起きていないからとも言えるが、方向感のない混沌とした時代だ。
そもそも、団塊の世代が年金生活にシフトしようとしている中、ボーナスシーズンを意識する事自体、意味がなくなりつつあるのだが。

そんな中、藤巻健史さんが参加するパネルディスカッションを聴く機会があった。弟さんも元イセタン、今ヨーカ堂のカリスマバイヤーとして有名だが、お兄さんは、モルガン銀行の元カリスマーディーラーとして有名。講談社から、投資の本を出したばかりとのことだったので、詳しい話は、そちらに譲るとして、印象に残ったコメントを少し。

元ディーラーらしく、相場観や、ディーリング経験に基づいた話が多かった。ディーラーというと、毎日売ったり買ったりしている様子を思い浮かべるが、デイトレードは、勘をにぶらせないための肩慣らしをしているだけで、トータルでは損。中期トレンドが出た(年に2-3回しかない)時の大きなディールの収益が全てという。それでは、今のマーケットでは儲かるまい。
今、日本の株式市場の元気がないが、サブプライムの発震源であるアメリカや、それに大きな投資をしている欧州の株価への影響がなく、日本の株式のみが年初比下がっているのは、極めて不思議という。その原因として、藤巻さんは、①バブルのトラウマ②日本人の一方通行的思考③(サブプライム)という見えない怪物に対しての恐浮ェあるのではないかという。
ちなみに、今話題のサブプライム問題については、日本のバブルに比べ、規模が全然違うし、アメリカの相対的な地位低下により、世界経済への影響も、騒がれているほど大きくないと見ておられた。米国の経済はやや後退するかもしれないが、それによって、世界全体が不景気になることはないというお考えだ。

日本人は、基本的には、リスクテイクには、臆病である(その割に、大きな詐欺事件が発生するのは不思議)。結論的には、リスクシナリオに沿って投資するのではなく、メインシナリオ(日本は、緩やかな成長を続けているし、続けるだろう)に沿った投資をすべきで、その際、緩やかなインフレが起こるとすれば、預金、現金から、株、不動産に少しづつ資産をシフトすべきであるとのこと。

強調されていたのは、日本政府の借金は、限界にまで膨れており、これ以上膨れる方向に向かえば、ハイパーインフレ(通貨の価値が、一年で、数千分の一になってしまう)になる可能性があり、万一そうなったら現金・預金は、限りなくゼロに近くなってしまうだろうということ。現金・預金は、ハイパーインフレ下においては、もっともリスキーな運用になる(長く続いたデフレ下では、最も有利な運用だった。)ハイパーインフレを阻止するには、さらなる歳出削減と並行して、実質的な債務を減らす緩やかなインフレ策をとることが有効という。
投資先については、(日本人たるもの)やはり日本を中心に見るべき(金利が低く、株価・不動産も、グローバルに見れば安いらしい)。新興国向けの投資には、反対。なぜなら、金融マーケットが未成熟で、逆方向に向かった時、(株価、通貨の)流動性の心配があるからという。

最初から最後まで、ディーラー感覚に基づいた資産運用指南と思った。

コメント
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