今朝、パキスタンのブット前首相が暗殺されたことを知った。お父さんは、確か死刑になったはずだ。何でこのような野蛮なことが、平気で繰り返されるのか。今の政治が悪いのか、民族性なのか、宗教なのか、歴史なのか。"assassin"の語源もこの辺りらしい。隣のインドでも、ガンジー以来、同様の殺戮が繰り返されてきた。世界各国が冷静に対処し、平和が回復することを願うしかない。ご冥福をお祈りする。
今日が、仕事納めだった人も多いだろう。ちょっと早いが、そばを食べてきた。”板そば”といい、山形県のものだそうだ。隣の宮城県では、見たことなかった。とりあえず、今年の仕事が終わったという安堵感もあり、やたらにおいしかった。これは、3人分。小さくて濃い黄色で張りのある卵は、相模原産、やたらに粘っこい自然薯は、茨城産とのことで、材料にも相当凝っていたようだった。そばの食感は、絶妙である。
今日は、大納会。5年振りに、年初比株価下落で終わったそうだ。今年の初めには、亥年には、株価が上がると言われた気がするのだが。
その原因の一つに、サブプライム問題がある。元は、アメリカ国内の低所得者向けローンなのだが、家の価格が上がることをいいことに、どんどん-どんどん貸しまくり、それをリスク度合い毎に切り刻んで、さらに他のリスク債権とごちゃ混ぜにして、世界中に売りまくったものだから、たまらない。アメリカ国内の問題が、世界の問題になってしまった。
本書、『サブプライムローン 金融危機』によると、サブプライムによる損失推計額は、1990年前後の1,000行以上が倒産したS&L危機に匹敵するか、それ以上なのだそうだ。証券化されているので、実際に損になっていなくても、証券の評価損を計上しなくてはならないのが、その金額を大きくしている。まさに、世界初体験の金融危機なのだ。
本書では、サブプライム問題を、4つの特徴に整理している。
1、証券化は、原債権である住宅ローンにまるわるリスクを多くの投資家に分散させる効果がある反面、リスクが分散した結果、いったいどこにどれくらいリスクがあるかよく分からなくなった。
2、証券化された金融商品が米国内はもとより世界各国の投資家に分散保有されたため、サブプライム問題の影響が米国内にとどまらず、世界中に波及した。
3、証券化された結果、住宅ローンが市場取引される有価証券に変換し、ローンの最終損失そのものよりも、その時々の時価評価の方が重要になってしまった。
4、証券化商品を担保にして更なる証券化を行い、資金を調達する、というメカニズムが重層的に積み重ねられた結果、一種の信用膨張が起こっていた可能性がある。
現在、サブプライムローンの延滞率は、まだ15%だから、耐えられるレベルなのだろうが、これからどれだけ広がるかがわからないところが、この問題の難しいところ。
本書では、残念ながら、2008年にもこの問題が続くと述べているだけで、良くなるとも悪くなるとも書いてはいない。
いずれにしても、アメリカでの放漫ローンのつけが、世界全体に回っているというのは、腹立たしい限りである。一ヶ月ぐらい前の、NHKの特番を見た人は、その感を強くしているだろう。
この問題の根っこには、アメリカの、大きすぎる貧富の格差がある。