かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

「日本=百済」説

2011年04月20日 | Books


本屋に並んでいた背表紙を見て、即GETしてしまった。この買い方は、結構失敗することも多いのだが、本書は、正解だった。
著者は、金さんという韓国の方だが、生まれは日本。韓国を代表する数学者という変わり種。もう80歳を越える人生の大先輩でもある。
韓国人だから、天皇家の出自について、思い切った発言もできる。ちょっと断定調なのは、言葉使いの違いもあるかな?

韓半島は、ユーラシア大陸諸民族を融合させる溶鉱炉だった。そして、日本になだれ込んだ。そのルートは、①韓半島西南部から九州北西部②半島南海岸から九州北東部③半島東海岸から出雲地域の3ルート。その結果、出雲は、新羅系、九州北部は、邪馬台国や狗奴など主に伽耶・百済系により形成されるようになった。これらは、今も残る地名からも推測できる。
金さんは、言葉に造詣が深く、思わず肯いてしまう。例えば、埼玉の埼は、三、玉は、タムロ(分国)の意という。新羅の言葉の影響だ。地名の元をたどれば、韓国のどの地域からの渡来人が住んでいたのかの検討がつく。

これらの流入により、韓半島の各国を連帯意識を持った諸勢力が日本に存在することになった。新大陸に進出したヨーロッパ諸国のイメージだ。

邪馬台国は九州にあったと考える。邪馬台国は、九州で、狗奴国に滅ぼされ、伽耶系であるその一部が畿内に進出し、もうひとつのヤマト王朝を樹立した。百済や、伽耶系は、関西に奈良や河内などの地名を残している。
金さんは、日本に残る地名や、大陸側に残る資料から、第一期のヤマト王朝は伽耶系であったと見る。
分析を進めると、百済の王家と、大和の王家の系図までかぶってくる。

本書は、日本人から見るととんでもないと思われがちな考えが、大きな論理の枠の中に奇麗に収まることを解き明かす。流石、数学者の著わした本。論理性の説得力を感じた。


コメント
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