京阪の旅の報告は、おいおいするとして、最近読んだ本のご紹介。
沢木さんの"making of 深夜特急"とも言える"旅する力"の文庫版が出た。
我母校の校長先生でもあった大槻文彦さんが著わした大言海には、旅とは、"家ヲ出デテ、遠キニ行キ、途中ニアルコト”とあるそうだ。すばらしい表現だ。その通り!
沢木さんの最初の旅は、上野のマツザカヤだったという。そして、最初の海外旅行は、韓国だった。意外にも、もう20代半ばになっていた。そして、ハワイ???
ずいぶんイメージと違う。
沢木氏が、あのユーラシア横断に踏み切らせたのは、井上靖の西アジアの紀行文だったという。その時、平山氏も同行していて、平山氏とは後にシンポジウムで、交流を持ったそうだ。いろんな縁が、今の沢木さんにつながっている。
本来、深夜特急の旅は、デリーからロンドンだったのだが、ストップオーバーができるチケットだったため、香港、バンコックがその前に加わり、深夜特急の面白さを増すことになった。特に、東南アジア編があったから、読み始める気になった私にとっては、なおさらだ。
面白かったのは、旅の適齢期の話。海外の長期の旅に出るのは、26歳ぐらいがいいのではという話が載っていた。そういえば、旅ではないが、私もその頃にUSAに駐在したことが、旅が好きになったきっかけと言えるかもしれない。
”齢を取ってからの旅は、大事なものを失わないかわりに決定的なものを得ることもないように思えるのだ”とも、述べている。
最後に、”仁”で人気の大沢たかおさんとの対談がある。大沢さんは、深夜特急が、TV番組化した時の沢木さん役だったのだそうだ。猿岩石が、進め!電波少年で、ユーラシア大陸を横断していた頃で、コンテンツがバッティングしてしまったのだという。私も、猿岩石の方は見ていたが、大沢さんの方は、存在すら知らなかった。DVDが出ているそうだから、GETして、見てみたい。
本書の最後の言葉は、
”旅はに教科書はない。教科書を作るのは、あなたなのだ”。
これは、沢木さん自身の言葉。
旅好きの人、旅に興味のある人にお勧めできる良書。