今日は、クリスマス。それと関係あるかないかは別にして、文化的な一日を過ごした。
最初は横浜。
あの旧露亜銀行横浜支店の建物が、結構式場として生まれ変わっていた。”Loa”と名付けられたらしいが、すばらしいプロジェクトだと思う。それにしてもあの崩れかけていたビルがここまで、復活するものか。
今日横浜を訪れたのは、県民ホールで開催された瀬戸内寂聴さんの”遊行”という講演を聞きに行くため。
県民ホールで、ユーミンや、タクローや、ヨースイのコンサートに行ったことはあったが、講演会は初めて。
おばちゃんが7割方を占めるが、見事満員である。今の世相も反映しているのか。
瀬戸内さんは、昨年10月、圧迫骨折で動けなくなった。本も読めなかったという。医者からは、手術しないと直らないと言われたが、それを拒否し、安静にしていたら、震災後段々回復し(自称”原発ショック立ち”)、今は、歩けるまで回復した。2~3回前の講演から、立って話すことにされたという。
数えで90歳とのことだが、凄くお元気である。
話は、51歳で出家したところから。今東光さんの中尊寺で出家し、天台寺の住職になった。徳島生まれだが、それから、東北と、京都もふるさとになった。そこにこの震災。震災後に訪れた野田村での話、宮古での話、印象的だった。
寂聴さんは、行ったところしか小説にしないという。
”土地が記憶している歴史が、足から伝わってくる。”
昨日、同い年のドナルドキーンさんと対談したそうで、キーンさんは、逆なのだそうだ。行ったことがないところの方が、想像力がふくらむ。
寂聴さんは、小説家で僧侶という変わり種だが、死ぬまで遊行するのが、僧侶の義務であると考えている。まさに、お釈迦様もそうだった。
定命(じょうみょう)が尽きるまで死なないのが、人間で、その日まで、遊行を続けるのだ。
キーンさんは、無神論者だそうだが、同じことをおっしゃっていたという。
キーンさんは、古本屋で、安くて、厚い本を探したところ、見つかったのが”源氏物語”の英訳本で、その出会いが、彼の人生を変えた。それから、日本文学の世界で、遊行を続けられているのだろう。
仏教の話でいえば、”犀の角のように独り歩め”という言葉もお好きという。信念を持って生きろということかと思う。最近、仏教に関連する本を読む機会が多いので、お馴染の表現だ。
それから”和顔施(わがんせ)”、つまりにっこりすることを心掛けているという。そうすると、幸せが寄ってくる。
寂聴グッズがたくさんあるらしいが、そこにつけられているマークはこの”和顔施”を、わかりやすく表したものだ。
今日の講演を聞いた人は、みな元気と勇気をもらったのではないか。
それにしても、お元気だ。
その後、みなとみらい線、東横線で渋谷のBUKAMURAに行った。
昨日から、フェルメールからのラブレター展をやっている。
日本で、圧倒的な人気を誇るフェルメールだが、今回3点も来ている。全て手紙にかかるテーマの絵。
若者の街渋谷でこのような展覧会は合わないのか、ゆったり見れた。特にこの絵は修復後の初公開という。ラピスラズリの色も美しい。
同時代の画家の絵も展示されていて、当時の風潮を知ることができるが、絵としては、脇役に徹している感じだ。
いずれにしても、これだけの絵がわざわざ日本に出張してきてくれているのだから、見ない手はないだろう。
やはり光の表現がすごい。
夜は、エンカペラGのクリスマスディナーに行った。エンカペラGさんのショーは3回目だが、毎回、趣向をこらしたステージで楽しませてくれる。
前回は、復興支援が前面に出ていたが、今回はもちろんクリスマスがメインテーマ。
最後は、紅白らしく?”あの鐘を鳴らすのはあなた”で締めくくった。
ビートルズの曲も2曲登場。
アレンジの意外性もいいが、定番となってきたメインボーカルを強調した曲もいい。
今後の活躍も楽しみだ。