かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ヤマト王権の古代学

2020年09月17日 | Books
今日は、休暇をいただいて、ゴルフだった。
前のパーティは、元有名テニスプレーヤーの方だった。
こちらは、前半いまいち、後半まずまず。
好不調が激しすぎるが、原因がわからないので、如何ともしがたい。

もう一つ、fbアカウントがなりすまし被害に遭った。
ゴルフから帰ったら大騒ぎになっていて、火消しがたいへん。
PW変更で、事なきを得たが、いろんな方に迷惑をかけてしまった。
困ったものだ。



本書は、今年の2月に出た本。
著者は、奈良で考古学の研究をされている方で、極めて、しっかりした本。

そういえば、NHKで、先日、石器捏造事件の番組があったが、もし、あのまま毎日新聞が見つけなかったら、どうなっていたのだろう。
ありえない発見を、うのみにしてしまった、学者達が多かったことが驚き。
100万年前からの人類の痕跡を見ても、宇宙から降ってこない限り、ありえない発見だったにも関わらず。
あの時点で、見つからなくても、いつかは露見していたのだろうが。

話は、戻るが、本書は、考古学上の発見を地道に積み上げ、邪馬台国の時代から、6世紀ぐらいまでの日本の歴史を探ろうとしている。
私は、発掘にかかわったことはないが、いろんな古墳群などを見て回った印象にかなり近い内容になっていて、共感を覚える部分が多い。

オーソドックスな部分と、作者の個性を出している部分があるが、例えば、邪馬台国の場所については、九州北部であろうという説。
これは、その時代の、大陸との交流の太さが、北九州地区と、大和地区では全くレベルが違うというところからの意見。

各遺跡の年代については、いろいろ発掘物があるが、土器が一番目安になるのだという。
土器の型を見ると、かなり正確に使われた時期が特定できる。
かつては相対的なものだったが、炭素法で年代がある程度特定できるようになり、その絶対的な年代もわかるようになってきた。
その他資料と付け合せることにより、実像がおぼろげながら浮かびあがってくる。
記紀に書かれていること、特に、雄略より前の天皇については、かなり実在に懐疑的。

これは、奈良盆地の遺跡の発掘により、その時期には、まだ多くの豪族が共存しており、中央集権的な体制にはなっていなと思われるところからくるご意見。
つまり雄略以降、天武に至る段階で、大和政権が中央集権を進め、記紀により、その権威付けをしたということだ。
古い考えのようだが、考古学上の新たな発見をベースにしたご意見だから、説得力がある。

古墳についても、その年代が、かなりわかってきたことにより、天皇陵についても、比定し直している。
当然、この辺は、議論のあるところだが、いろいろ言われているように、現在の各古墳の天皇の比定の根拠は薄弱であることは、共通した意見だ。

古代、考古学に興味のある方には、まず初めに、手にとってもらいたい良書だ。
コメント
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