かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ミュージック・イズ・ヒストリー

2023年08月22日 | Music
無事帰国。
時差の関係で、空白の1日になってしまったが、行きは、北極海経由、帰りは、ゴビ砂漠経由。
ロシア上空が通れないのは、痛い。

最後に、バスが何キロ走ったかのクイズがあったが、ハイデルベルク到着までで、何と2297キロ!
いかに過酷な?旅であったかがわかる。



本書は、書評を見てゲット。
本屋に並んでいるのは、見ていたのだが、分厚い本で、手は出さずにいた。
書評で、アメリカに住んでいた以上、読んでみた方がいいと思ったわけだが、私の知識レベルより、かなりハイスペックな内容で、やや消化不良。
ただ、全体の流れ、特に公民権運動にかかるアメリカ国内の苦闘の歴史が浮き出るような構成になっていて、面白かった。

著者のクエストラブ氏は、あの”ルーツ”から名前をとったルーツというヒップホップバンドのドラマーで、プロデューサー、DJなど多彩な顔を持つ。
グラミー賞を6度受賞。
共著者のベン・グリーマン氏は、ミュージシャンとの共著も多い作家とのこと。
言葉が、ラップ調で、翻訳者も相当苦労されただろう。
アメリカの現代史にかなりの知識がないと、理解できない下りも多い。

クエストラブ氏は、1971年生まれ。
ルーツが人気だったころは、まだ6歳。
私は、大学生で、日本でも、たぶんNHKが放映して、大ヒットになった。
本書は、著者の生年である1971年から9.11の翌年の2002年まで、年毎に、社会の動きや、音楽業界での出来事などを、著者の主観を思いっきり入れて、まとめている。
日本ではあまり報道されなかった出来事も多い。
私が、アメリカにいた1987年から1994年のイベントについては、アメリカにいたからこその臨場感を感じる出来事も多い。
その時期のイベントで、気がついたものについて、ちょっと。

1986 年
この年、やっとマルティン・ルーサー・キング・デイが国民の祝日になった。
赴任する前年に祝日化されたとは知らなかった。
公民権運動の成果が、やっと実ったものだった。

1987年のブラック・マンデー。
当時ディーリングルームにいたから、その深刻さが身に染みた。
サブ・プライムで、過ちを繰り返すのだが。

1988年、シカゴ・リグリーフィールドで、74年の歴史で初ナイター。
球場は、家から近かったが、大騒ぎだった。
リグリーは、有名なガムメーカーだが、そのオーナーは、野球は、昼にやるものというポリシーで、ずっとナイター設備を作らなかった。
球場が狭いこともあり、アメリカ在住中、結局、夏休み中にデイゲームを1試合見れただけだった。
確か、ナイター設備を作った後も、デイ・ゲームがほとんどだった。

1989年の天安門事件。
アメリカでも実況中継されていて、出張中のNYのホテルで、見ていたことを思い出す。
北京のど真ん中で、こんなことが起こるなんてと思っていた。
今も中国国内ではタブーになっている。

1990年
サダム・フセイン、クエート侵攻。
予備役だった同僚も、砂の盾作戦に参加。
イラク軍を追い出して、すぐ作戦終了となり、?と思ったが、その後深追いしていたら泥沼になっていただろう。
その点では、朝鮮戦争や、ベトナム戦争の経験は活きていた?
日本人は、金しか出さないということで、肩の狭い思いをしたが、それも、結果から言えば、正しい判断だった?

1991年
マジック・ジョンソン、HIV感染を告白。
当時、シカゴでは、マイケル・ジョーダン全盛期で、大盛り上がりだった。
まだ、HIVに対する治療法が確立されておらず、彼が、ゲームに出るのを疑問視する向きも多かったが。

1992年
ブッシュ、ビル・クリントンに敗れる。
ブッシュは、クェートでの作戦にも成功し、自身満々だったが、団塊の世代のクリントンに敗れ、茫然自失状態だった。
経済停滞が、主因だが、民主党の強いシカゴでは大盛り上がりだった。
副大統領だったクエイルが、スペリング大会で、poteto の綴りの最後に、"e"を加えようとして、笑いものになった事件も久しぶりに思い出したが、日本でも報道されていたのだろうか。

1993年
映画ジュラシックパーク公開。
早速見に行って、次いでに、原作の小説も、日本語、英語、両方で読んだ。
スピルバーグ監督が乗りに乗っていた時期の、SF仕立ての恐竜もので、その映像がすばらしかった。
確か、フロリダのMGMスタジオにも撮影に使った恐竜の展示があったように思う。
アナハイムのユニバーサル・スタジオの方だったかな?

1994年
元妻殺害の第一容疑者OJシンプソン、警察に低速チェイスされる。
これもテレビ中継されていたのをよく覚えている。
ドラマのようだったが、現実だった。
その後の裁判も特異で、高給弁護士を多数雇ったOJシンプソンが無罪を勝ち取ってしまった。
民事では有罪になったが、日本ではありえないと思った。

ちょっと長くなったが、こんな感じで、三面記事的なものも含めたアメリカの現代史が描かれ、その時の音楽業界の様子、著者の活動の様子が並行して描かれている。
かなりマニアックな本だが、アメリカの現代史、ヒップ・ホップの歴史などに興味のある方はいかが?
コメント
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