今日は、通常出勤。
暑い!
本書は、新聞の広告で見つけた。
買ってみたら、2008年に講談社新書として出ていたものを、文庫化した本だった。
ロングセラーと言えよう。
著者は、私と同い年の学者だが、宗教や、歴史・風習に関する書を多く出されている。
読んでみて、面白かったが、どちらかというと蘊蓄部分に気を取られて、全体像はつかみきれなかったかもしれない。
基本的には、儒教・道教があった中国に、仏教が入り込み、どう変化(取捨選択、変質)していったかというところに主眼があるように思う。
お墓とか、祖先を敬うという考え方は、仏教にはない。
盂蘭盆会の話も興味深い。
サンスクリットのウッランバナという説があるそうだが、逆さ吊りの意味だそうで、いまいちピントこない。
一方古代イランの言葉で、霊魂を意味するウルヴァンから来ているという説もあるという。
インドに行った時、ベナレスの近くに、盂蘭盆会発祥の地がガヤと聞いたような気がするが、ずいぶん前のことで、忘れてしまった。
中国の中で、既存宗教の影響により、仏教は、大きく変質したことは、間違いない。
それに、歯向かうように進化したのが、チベット仏教だったが、中国に征服されてしまった。
日本でも、神仏習合があったが、儒教・道教は、より強い思想を持った宗教であったから、その仏教に与えた影響は多大で、そこで、すでに変化した仏教を日本は、受け入れ、そこからは大きくは変わらなかったといえる。
蘊蓄部分でいうと、習合は、英語でいうとシンクレティズムといい、ごたまぜというややネガティブな印象の言葉になるという。
語源は、クレタ島の人で、アジア、アフリカ、ヨーロッパの中心で、いろんな勢力が行き交った。
確かに、純粋なものから、他と混ざり合うわけだから、そうとも言えるかもしらない。
目から鱗と思ったら、その蘊蓄も載っていて、キリスト教で、使途パウロが、当初、ユダヤ教の立場から、キリスト教を迫害しており、神の声に打たれて、目が見えなくなっていたのを、キリスト教に目覚めて、目のうろこがぽろっと落ちて、目が見えるようになったのだという。
NIKEの名前は、あのニケから来ていて、マークは、天使の羽のデザインなんだとか。
老荘思想と、儒教との関係というのは、あまり意識したことはなかったが、正反対の部分も多い教えであることを知った。
儒教という厳しい教えがあったところに、真逆の老荘思想が誕生し、市民権を得て行った。
ただ、老子、荘子が実在したのかすらわかっていないのだという。
どちらが先かも判然としていない。
ちなみに姓は、李だともいう。
とにかく情報量豊富な本で、面白いポイントを挙げたらきりがないが、全体としても、本の題名に沿った面白い本だった。
暑い!
本書は、新聞の広告で見つけた。
買ってみたら、2008年に講談社新書として出ていたものを、文庫化した本だった。
ロングセラーと言えよう。
著者は、私と同い年の学者だが、宗教や、歴史・風習に関する書を多く出されている。
読んでみて、面白かったが、どちらかというと蘊蓄部分に気を取られて、全体像はつかみきれなかったかもしれない。
基本的には、儒教・道教があった中国に、仏教が入り込み、どう変化(取捨選択、変質)していったかというところに主眼があるように思う。
お墓とか、祖先を敬うという考え方は、仏教にはない。
盂蘭盆会の話も興味深い。
サンスクリットのウッランバナという説があるそうだが、逆さ吊りの意味だそうで、いまいちピントこない。
一方古代イランの言葉で、霊魂を意味するウルヴァンから来ているという説もあるという。
インドに行った時、ベナレスの近くに、盂蘭盆会発祥の地がガヤと聞いたような気がするが、ずいぶん前のことで、忘れてしまった。
中国の中で、既存宗教の影響により、仏教は、大きく変質したことは、間違いない。
それに、歯向かうように進化したのが、チベット仏教だったが、中国に征服されてしまった。
日本でも、神仏習合があったが、儒教・道教は、より強い思想を持った宗教であったから、その仏教に与えた影響は多大で、そこで、すでに変化した仏教を日本は、受け入れ、そこからは大きくは変わらなかったといえる。
蘊蓄部分でいうと、習合は、英語でいうとシンクレティズムといい、ごたまぜというややネガティブな印象の言葉になるという。
語源は、クレタ島の人で、アジア、アフリカ、ヨーロッパの中心で、いろんな勢力が行き交った。
確かに、純粋なものから、他と混ざり合うわけだから、そうとも言えるかもしらない。
目から鱗と思ったら、その蘊蓄も載っていて、キリスト教で、使途パウロが、当初、ユダヤ教の立場から、キリスト教を迫害しており、神の声に打たれて、目が見えなくなっていたのを、キリスト教に目覚めて、目のうろこがぽろっと落ちて、目が見えるようになったのだという。
NIKEの名前は、あのニケから来ていて、マークは、天使の羽のデザインなんだとか。
老荘思想と、儒教との関係というのは、あまり意識したことはなかったが、正反対の部分も多い教えであることを知った。
儒教という厳しい教えがあったところに、真逆の老荘思想が誕生し、市民権を得て行った。
ただ、老子、荘子が実在したのかすらわかっていないのだという。
どちらが先かも判然としていない。
ちなみに姓は、李だともいう。
とにかく情報量豊富な本で、面白いポイントを挙げたらきりがないが、全体としても、本の題名に沿った面白い本だった。