かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

地理学者

2011年03月26日 | Culture・Arts

今日は、風が冷たかったが、天気はよかった。
震災後、原発は相変わらずだが、物は、出回るようになり、なくなりかけていたガソリンも3千円分入れることができ、一息ついた。一息ついでに、ちょっと町に出てみた。



銀座は、人通りは少なかったが、店は、ほとんど通常通り営業していたようだ。
できたとは知っていたシンガポール料理の店に、初めて行ってみた。1500円のビュッフェだったが、元々シンガポール料理は、マレーシア料理に、中華や、インド料理が混ざったような庶民的な料理なので、ちょうどよかった。
品川にも立派な姉妹店がある。シンガポール料理ってどんな料理?って人にはうってつけ。
値段も考えれば、お勧めできる。



その後、渋谷で、フェルメールの”地理学者”を見に行った。レンブラントや、ルーベンスの絵もあるが、目当ては、ほとんどこのフェルメールだろう。
とにかく、フェルメールの人気は凄い。日本にいてもずいぶん見ることができている。今度、最高傑作も来る予定だし、年末にも、もう一点来る。ヨーロッパで、フェルメールを見たことがない私も、日本とアメリカで、1/3ぐらいは見たかな?

この”地理学者”という絵。素朴な庶民の暮らしを描いた絵が多い中で、何で?という感じもあったのが、まさに17世紀は、オランダが世界の覇者として、海で世界を制していた時代だったのだ。
この絵、結構小道具も凄くて、当時、最先端の地球儀、地図、コンパス等の道具が何気なく描かれている。着ている服は、当時裕福な市民階級で流行っていた”日本の着衣”と呼ばれる藍染めっぽい服だ。フェルメールとの距離が、ぐぐっと近づいたような気がした。

その他の絵も、分野別に、奇麗に展示されているが、皆レンブラント風で、傾向は似ている。



たまたまオーチャードホールで、”クラナゾ=蔵謎=Zang Mi"というショーがあることを知った。ヤン・リーピンさんは、知らないが、まさに、昨年夏、九寨溝で見たショーと同じではないか!
出演も、九寨溝蔵謎劇団とある。
ご興味のある方は、昨年の9月19日のブログを見ていただきたい。
ヤン・リーピンさんがどうこのショーに絡んでいるかは知らないが、昨年九寨溝で見た時はすばらしいと思ったので、ちょっとでもチベット文化に興味のある方にはお勧めできる。
因みに”クラナゾ”という題名ではわかりにくいが、”蔵”は”チベット”のことで、”謎”は”ミステリー”。”Tibetan Mysteries"という英文名の方が、的を得ている。

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百寺巡礼その9 京都Ⅱ

2011年03月25日 | Books
震災から2週間たった。まだ原発は、落ち着かない。驚いたのは、被爆者が、普通の靴で、作業をしていたことだ。それで、また作業が遅れて、被害が広がって。もちろんお気の毒なのだが、万全の態勢で、万全の対策を講じて、早くこれ以上の悪化はないというところまで、早く持っていって欲しい。もうtoo late なのだが、too too late にならないように。



百寺巡礼の第九巻は、京都Ⅱ。流石に、有名なお寺で、行ったことがあるお寺も多いのだが。
歴史上有名なお寺、宗教上有名なお寺、庭が奇麗なお寺、巨大なお寺。いろいろ取り上げられているが、一番雰囲気のあるお寺は、三千院?私見だが。

見所も多いが、印象に残っているのが、往生極楽院の阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩だ。藤原時代の代表作というが、その姿は独特である。今にも、これから立ちあがって我々を極楽に連れて行ってくれそうだ。
大和坐りと呼ばれているが、五木さんは、この大和坐りという言葉は新しく、本来の倭座(やまとずわり)は、しゃがむ姿勢だったという。そもそも倭人という意味は、背が低くて前かがみの姿勢で、なにかというとしゃがみこみ、そこで仲間を話をはじめる習慣をもつ人々のことなのだそうだ。それに対して、あぐらは胡坐。胡は、もちろん西域を表す。正坐という坐り方は、千利休の時代からと言われるほどで、ずいぶん新しいらしい。
そうこう考えると、この仏様の姿は、ますます興味深く思えてくる。

本を読んで、訪れて、もう一度読むと、味わい三乗?


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百寺巡礼その8 山陰・山陽

2011年03月24日 | Books
今晩は、先月のハワイツアーの面々で反省会。あれから大きく世の中変わってしまったが、ハワイ島もたいへんだったそうで、フォーシーズン系のホテルは、ほとんど水につかってしまったという。
我々が泊ったホテルは、丘の上にあり、被害は最小限。周りには、クローズしたホテルも多く、超満員が続いているという。



百寺巡礼の第八巻は、山陰・山陽。行ったことのあるお寺は、一つもない。山陰・山陽にも、すばらしいお寺がたくさんある。
その中でも、特異なのは、三仏寺投入堂(さんぶつどうなげいれどう)。
役行者が山麓で作ったお堂を念力で崖のくぼみに投げ入れたという伝説から、投入堂と呼ばれている。
去年に行ったブータンのタクツァン寺院ほどではないが、よくもまぁこんな断崖に、お堂を作ったものだ。天気が悪いと、危ないので奥院には行けなくなるそうだ。くさり坂といって、鎖を頼りに上る崖のような道もあるそうだ。お堂が次々と現れるが、なかなか投入堂には、たどりついかない。それだけに、投入堂が現れた時の感動は、ひとしおだろう。

土門拳は、日本第一の名建築と称えたという。
次回、山陰を訪れる機会があったら、是非トライしてみたいお寺だ。
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仏の発見

2011年03月23日 | Books


梅原さんと五木さんの対談が出た。
”仏の発見”。
確かに内容は、仏教に関わるものではあるが、相当広範囲にスイングする。
よく人生の大先輩が、これだけ、いろんな話が出来るものだと感心してしまう。

まず、神と仏は、違うのか?
梅原さん曰く。
”仏教は、キリスト教と違って、仏になることをめざす宗教と思いました。キリスト教で、神になろうとか、キリストになろうといったら狂人扱いです。”

お二人は、幼いころ今では考えられないような苦労をしていらっしゃる。特に、五木さんは、朝鮮から帰国する時、人々を犠牲にしないと帰れないという非情な現実を目の当たりにした。この許されざる人間であるという思いをずっと引きずっておられたという。

文学者の話も沢山出て来る。ノーベル賞をとられた川端さんの変人振り。三島さんは、豊饒の海について、仏教思想と読めるかと梅原さんに聞いたという。梅原さんは否定したという。それで、仏教に入れなかった三島さんは、国家神道の信者にはなったのではないかと、梅原さんは、後悔しておられる。

ビートルズも出て来る。ビートルズで、歌詞を繰り返すことがあるが、これは、初期の仏典で、言葉を繰り返すのと同じという。初期の仏典は、歌だったのだという。

とにかくお二人には、やりたいことが山ほどあるらしい。五木さんは、75歳過ぎたら落ちつくような話をしていなかったっけ?

ちょっと仏教の専門用語も出て来るが、大半の部分は読みやすい、知識欲と、元気が出る本。
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百寺巡礼その7 東北

2011年03月22日 | Books

五木さんの百寺巡礼シリーズは、6巻目を紹介してしばらく休んでいた。



7巻目は、ちょうど東北だった。
東北にも有名なお寺は、数多くあるが、やはり有名なのは、伊達家ゆかりの瑞巌寺だろうか。
五木さんは、そのやぐら団地に圧倒されたという。
参道の脇が小山になっていて、そこに無数のやぐらがあり、五輪塔、卒塔婆などが納められているのだ。
今回の地震で、山が崩れて、やぐらも一部壊れたと報道されている。
参道にも津波が襲ったが、幸い本堂までには、到達しなかったという。



これは、今年1月に行った時の庫裏の様子だが、建物にひびがはいったと報道されている。
その後ろの建物にあった伊達家代々の巨大な位牌も倒れて破損したという。

また地震の話になってしまった。松島の被害も相当なものだが、壊滅的ではないので、復興のシンボルとして、早めの再建ができないものか。


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