CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

土地の食べ物 伊勢うどん

2007-05-10 08:50:12 | 雑感
伊勢うどん

という食べ物があります
私、人生の内、結構な割合を三重県北東部に捧げておりまして
なんともはや、馴染み深い食べ物でありました
名産品、名物、お伊勢さんいったら食べないと
などなどと吹聴しては、大顰蹙を買っているのであります

なんといったらいいのか、三重県人ではないので
伊勢うどんのことをこんこんと語る資格も無いのだが
この、伊勢全体といったらいいのか
伊勢人じゃなくて、伊勢の官公庁、商業組合、観光団体等が
やっきになって推し進めている
地元名産「伊勢うどん」食べないと閻魔に叱られる
というフレーズは、色々と物議をかもすというか
どんだけ美味いんだろうと期待させておいて
あれが出てくるという事態に
もしかすると、最近の伊勢神宮参拝が鈍ってるのは
そのせいじゃないのかなどと、かんぐってしまうところであります

と、まぁ、得たいのしれない前置きはこれとしまして
「伊勢うどん」、私のまわりでは、少なくとも
私以外に好きだという人がいなかった食べ物であります
昨今のうどん事情を見ていると
圧倒多数が「讃岐うどん」を思い出す様子で
あの名文句、うどんの神様の鳴き声であります「つるつるしこしこ」が
うどんの真髄になっている世情

しかし、伊勢うどんにはそんなものはない

しいていうなら「つるつる」まではあるのかもしれない
だが、「しこしこ」の部分はまったく存在しないのであります
食べた方も多いだろうし、観光局等が広報している内容でも
少々触れられておりますが、伊勢うどんにはコシがまったくない
讃岐うどんしか食べたことない人から言わせれば
「最初からのびてる」
そんなうどんであります

この絶望的なほど歯ごたえが無い様と
申し訳程度にかけられた、生の醤油、具はネギだけ
よく言えば簡素、悪く言えばバカにするな(対比になってねぇよ)
酷い、あまりにも酷い
そう思われているのではないか、いや、実際に吹聴して食べてもらった人の
圧倒多数が、伊勢に食うもの無しなどというばかり
個人的に、伊勢うどんはプロモーションの方法を
完全に間違えているように思えるのでありました

しかし、これだけ不評というか
「おいしくはない」という、中途半端な嫌われ方をしていると
少数派や天邪鬼派の人々から絶賛されたり
アウトローというかアナーキーというか、体制に流されない
ステキスタイルの持ち主たちに、熱狂的に支援されたりするのだが
まぁ、たぶん、その熱狂支援の一つが
「食べずに死んだら、閻魔に叱られる」
に繋がるんだろうと思うところ、しかし、そんな
ローカルな食べ物をマイナー受けだけで終わらせるのは
色々間違っているように思われる
というか、あれだ、よくあじわったら伊勢うどんはうまいのだ
みんな、あれのことを誤解している
あれを「うどん」だと思って食べるから間違いなのだ
「伊勢うどん」という、まったく別の食べ物
しいていうなら「伊勢」だけでもかまわないのである

と、鼻息あらげて高論を唱えてしまうのであります
まったく興味がないと罵られることを恐れず
ただ、こんこんと書いておくならば
伊勢うどんという食べ物は、ともかく
小麦を練ったものを、醤油ダレとネギで食べるという代物
個人的には、一味なんぞかけてみると大変うまいと思うのだが
あの、口中に広がる小麦の味わいと
まるで、ご飯をかきこんだかのような、重量感
そういう食べ物だと思うと、なるほど、美味しいと思われるのですが
はたして支持を得られるのかどうか

病み付き、というほどでもないですが
一度、ああ、これはうまいな
などと心を許すと、何かを忘れたとき
あるとき突然に、伊勢うどんが食べたい
そういう欲求に駆られ、気づいたら、お伊勢参りを敢行してしまう
そんなステキな食べ物であります

安い
早い
うまい

どこかで聞いた文句でありますが
これについて、わたしが知る限りは
伊勢うどんと、名古屋駅のきしめんに通ずるのではなかろうか
思ったり考えたり、なんだったりしながら
地場観光に貢献しようとするこのごろであります

最近はおとりよせという手法で手に入れることができるんだそうだが
本当、うどん好きとか広言してる人にはおすすめできない
ローカルフーズを食べるのが生きがいという人には
渾身の逸品となるであろう、伊勢うどんについて
せつせつ、長々、ご聴講ありがとうございました