CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

反乱する管理職

2010-01-11 18:23:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
反乱する管理職 作:高杉良

久しぶりの杉良であります
新刊だと思われるのですが、生命保険会社のあれこれ
記憶に新しいあの事件についてのことを
四方山、描いたものでありました
久しぶりに杉良を読んだけど、あれ、こんな感じだったけ?
エロ小説?とか、思ったり思わなかったりした内容でありますが
ともあれ、面白かったのでメモっておきます

ある大手生命保険会社の興亡をめぐる管理職のお話
正直、題名と内容にそこまでのシンクロを
見いだせなかったというか、なんで、こんな題名なんだろうかと
ちょっとだけ思ってしまったのでありますが
生命保険という業界についてというよりも、
まさに、叩き潰れていこうとする生命保険会社というのが
どういうぐだぐだを抱えていたかみたいなところと
いわくありげな、怪しい会社と政府が結託して
なんか、よろしくないディールが進んだらしいという
なんとも後味のよくないとも言わないが、仕方のない話でした

前々から、噂できいておりましたが
高杉良は、小泉竹中ラインが大嫌いだそうで
それが遺憾なく発揮されておると、そんな具合の内容
ちょっと、残念というか、至極残念だったのが
なんか、今まで読んだ同作者の本のどれよりも
盛り上がりにかけてしまったのであります
後を引いて、次々読みたいと思うほどでなかった
というか、上述のその悪し様を言いたいだけに
ただ、書きうねったのでないかと思うほどのこと
ちょっとがっかりであります

とはいえ、島耕作のようではないけども
近いような境遇で、ほいほいと出世していく中
くだんの事件のなかで、鋭く抗っていくというか
いわゆる、反乱をおこしていく主人公の姿が描かれており
小説として、面白かったのであります
期待するものが違ったというのが正解かもしれない
なんだろうか、安定感のある、ある種時代劇のような
そういう物語のしっかりさというか、ベタさが
魅力的でありました、ストレスがたまらないというのがステキ

社会派小説=暗いものという、よくわからん勘違いをしたような
残念なお話があるなかで、社会派というのか
経済を扱いながら、明るくもないけども、酷く
憂鬱になる内容でなかったのがステキだわと感想を
抱いた次第でありますが
ひょっとすると、現実をよく認識していないから
ここに描かれた陰鬱さをくみ取れなかったのかもしれないと
思ったりするのでありました

ともあれ、高杉良が、小泉竹中時代を嫌いでしかたない
そういうことだけはよくわかった、そういう小説だと
思われるのであります