CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】空海

2018-02-26 21:28:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
空海  作:三田 誠広

空海さんの一生を描いた小説でありました
確か、弘法大師が空海だったよなと
それくらいの知識しかないままで読んだので、実際どんな人だか
さっぱりわからなかったので、ちょうどよい勉強になりました
字が上手い人だったと、そういう坊主かと思ったら
とんでもない天才というか、一種、妖怪めいた、
内容によれば、菩薩そのものであったような感じで、
なんというか、驚きを通り越えて
こういう人物が居たのかと伝説なのか、実在なのか
このあたりをいったりきたりの内容なのでありました

四国の山の中で生まれ育ったのだそうで、
そこで既に悟りの境地に触れながら、
様々な仏教経典を読破し理解しながら、
その深淵に触れるため、唐に旅立つといったところ、
遣唐使に、本当ならなれるような身分でもないのに
おそらくは大日如来のお導きといった感じで、
唐に渡り、そこでまた偉い坊主たちから
とんでもない経典や、修行を授けてもらい、
これもまた、あっさりと悟ってしまうとかいう
そんなお話だったわけでありました

読んでいると、様々な経典の解説なんかも出てきて
密教についての勉強にもなりまして、
最近、道教から唐代の宗教についてちょっと調べていたこともあいまって、
空海が学んだのであろう密教についても、
理解が早く読めたので満足なのでありました

空海の物語として、果たしてどれくらいカバーできたのか、
そのあたりはわからないのでありますが、
同時代の人物で最澄がいて、そっちとはあんまり仲良くなかったようだったり、
この時代の仏教勢力図というのも、あれこれあったんだろうと
そっちも興味深いと思えたのであります
これ読んでいるだけだと、空海さんも人が悪いというか
なんか、意地悪い人なんじゃないかと
感じたりもしたんだが、ともあれ、最澄が奈良仏教と対立して、
比叡山を作っていたというのもまた興味深く、
日本における仏教と政治と覇権というのが面白いと
思えた一冊なのでありました

日本史も勉強足らないなぁ、難しいというか
覚えることいっぱいになってしまう
日本の坊主史も勉強対象にしなくてはならない