CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】岡本太郎の友情

2018-02-05 21:11:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
岡本太郎の友情  著:岡本 敏子

岡本太郎に関するオムニバス的な寄稿集でした
実際は、岡本敏子さんが起稿しているはずなので
起稿集ではなく、岡本敏子さんによる岡本太郎に関する
ルポというか、ドキュメンタリのようでもあったのだけども
彼と近くに過ごし、その交友たちとも過ごした
その視線から描かれた岡本太郎が
非常に興味深くて、面白い本でした

一方的であるのは、当たり前なんだけども
岡本太郎を肯定するといえば、角が立ちそうながら、
その立場から見て、さんさんと輝く天才について、
その機微であったり、些細な出来事であったりを
切り取って本としているのが面白くて、
また、交友関係も、皆癖があって、そういう集まりであったのだろうと
芸術が、なぜか数による力を欲していくというのが
不思議だと思っていたところに、
がつんとかましてくれるようで面白かった
一人だけで、何かしていても世の中は動かないんだな
それを支持してくれる仲間というか、同志がいてこその
ムーブメントなんであろうなと、
その熱狂というか、熱さがよくよく理解というか、
ロジックとしてわかったようで楽しかったのであります

実際に、彼がどうであったか、
その功績も、作品も、あまり知らない身分ながらも
戦ってきたことが既に、彼の生き方というか
芸術だったんだろうなと思い知らされたりしつつ
それに賛同する人々との交友もあったり、
ピカソとの奇妙なやりとりと、友情と呼ぶのとは違う
特別であってほしい出来事があったりして
楽しく読めるのでありました

そして、もう一人、母 岡本かよ子という人にも
俄然興味がわいたというか、これまた
凄い人だったんだなと、それを語ろうとした瀬戸内寂聴さんや
そのやりとり、そして岡本太郎と敏子さんと
不思議な世界というか、仲を築いていた様子なんかが
興味深くて面白かったのでありました
いくつか、亡くなった岡本太郎の
おはからいといった椿事も起きていたようでありますが、
そういう考え方といえばいいか、
そう肯定しまえるところに愛といえばいいのか
強い想いがあるんだろうなと感じたりしたのであります

しかし、鎌倉で岡本太郎が、川端康成に世話となっていたとか
なかなか興味深い事実に驚いたりしたのであります
陶芸は好きだが、岡本太郎という異物といえばいいのか
この人もまた、少しだけかかわったこともあったのかと
感激ではないが、面白く感じた次第でありました
とにもかくにも、やっぱり、縄文土器をよいといった
そこが凄いのは確かなのであろうと感じるのであります