CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

2019-12-04 21:42:48 | 読書感想文とか読み物レビウー
地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団  著:森 功

ちょっと前に話題になった地面師詐欺の本でした
結構込み入った内容を説明しているので
ちゃんと読まないとさっぱりわからない
さすが、わかりにくくすることで、尻尾をつかませないだけある
わけわからん、そう思いながらも
恐ろしいものだなと読んだのでありました
不動産ブローカーという職種じゃなくて本当によかった

偽造につぐ偽造、それらで騙しまくる、
また、騙されまくるというのが衝撃的で
プロですら、欲に目がくらむではないが、
見誤ってしまうタイミングというものがあって、
それを見極めるのが抜群にうまいやからがいて
そういうものが跋扈する、その手口や、
そこで渦巻く、捕まえる側の猜疑心だとか、誰が被害者なのかとか
様々、絡み合った内容が面白かったのでありました

東京の土地は、転がしたら本当に凄い金額になるんだなと
謎の取引が何度も行われる様だとか、
騙すための、さまざまな分業制度なんかもよくできていて
地面師というのは、実際のところ
戦後に既に存在していた仕事なんだそうで、
それが、今の世の中、また手法を新たにしてやってきたと
そのあたりが、また面白い
同じ名前で、古臭いそれだが、今も通用してしまうのだ

もっとも、綱渡り的な危ない内容なのは確かなようで、
結構ぼろの出た話も多かったりするけど、
俺俺詐欺と一緒で、捕まっても首魁には手が届かないようになっていたり、
仲間内でも騙しあいがあるかのように、
もう、誰が何を信じているのか
さっぱりわからなくなっていたりするのが面白いのでありました

被害者の話が取材のもとになっているせいもあるが、
警察の対応が辛いというか、残念なことも多かったようで、
このあたりは、そういう事件を取り上げているから思うところか、
判断が難しいところだけど、相当大変な事件が多いと
思わされたのでありました

今もなお、こんなことを続いているようだし
これから土地が余ってくるというか、
誰のものかわからない土地が増えてくると思えばこそ、
こういう輩が跋扈する土壌が豊かになっていくのかもなと
貧乏人には関係がなさそうだけど、
気になる内容であると思わされたのでした

なりすまし用のプロダクションがあるとか
凄いことだわな