CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】透明な螺旋

2022-01-12 21:02:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
透明な螺旋  作:東野圭吾

安定のガリレオ先生シリーズでした
なんだかんだ、本当に安心して読めるシリーズというか、
東野圭吾の様々な小説があるけど、
このシリーズというか、ここに出てくるキャラクタが好きだなと
湯川先生と草薙刑事の関係を面白く読んだのでありました

結構複合的な謎というか、関係が解かれる話で、
トリックとかそういうのはさほどでないけども、
久しぶりに、なるほどなと思える奇縁と人間関係が描かれていて
こういう話が本当にうまいなと感心しきりでありました

人間関係の方の動機とは、また異なる部分のロジックが面白くて
そのあたりが、二重底になっているというか、
ああ、そういう話とリンクしていたのかと
読み終わってから、このシリーズだからこその面白さを味わえたのでありまして、
これ書いてるだけだったら、全然わけわからん感想になってしまうけど
湯川先生の人となりが、少しだけわかることができる
キャラ物の手本みたいな話で素敵だったと思うのでありました
とはいえ、事件に対して、湯川先生が入り込みすぎているというか
そこを草薙との人間関係で解決しておきつつ
それこそ、草薙のアリバイのためともいえるような
職務をちらつかせるというのもよかったんだが
その入れ込みの理由というのになるほどなと深くうなずいたのでありました

正直事件の方は、相変わらずというか、
なんとも悲しい、そしてしょーもないところを発端にしているのだけども
実際世の中、こういう、割とどうしようもないクズというのがいて、
そして、そこに絡む悲しいお話というのが
本当、うまいというか、悲しいなぁと思わされるこのある種のドライさが
魅力だなと、いやな話なんだが、
やるせなさが、活力を奪うほどではない、でも、悲しいというか、
なんでかなぁと、嘆きたくなる絶妙な塩梅が見事だと思うのでありました

すっきり楽しいではないが、
面白い話を楽しめたとメモっておくのであった