CLASS3103 三十三組

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【読書】ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた

2023-02-13 20:55:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた  著:斎藤幸平

著者のことがよくわからないんだが、
どうも、哲学か経済学かの先生、教授のようなんだが、
学問の狭い領域内の机上論だけではなく、実際にやってみたり、経験してみたり
そっから考えてみようというのを実践した日記のような内容でありました
雑誌かなにかのコラムだったようで、
毎回あれこれ考えてテーマを決めて取り組んだ内容をレポートみたいな作りで
結構面白かったんだけども、
あまりにもステレオタイプな教授スタイルというか、
ああ、凄い実地から離れている感じの人が、急に実地に向かったんだなと
そう思わされる内容が多々あって、そのあたりが大変興味深かったのでありました

実地でと、意気込んでいたけども、
とりかかった頃から急にコロナが流行りだして、
否応なく、コロナ下での研究みたいな題材になっており、
これはこれで、社会というものを見ているというか、実社会というものに肉薄した内容だなぁと
感心して読んだのであります
とりあえずやってみようと、ウーバーをやってみて、
その取り分と、コストに関して所感をもったうえで、
ウーバーが抱える労働環境問題とか、そういうものに眼を向けるというのが
しごくまっとうで面白いんだが、
いかんせん短いコラムなので、もうちょっとつっこんでもと思わなくもないが、
それだとだたの労働争議というか、活動になってしまうなと
まぁ、京都大学でタテカン作ったりしてるから
実質的には、活動家だよなと思わなくもないことをしていたんだが
あまり思想的にどうしたとか、過激な何かがあることよりも、
本当に体験して、こう思って、ここが問題でというのを見てきた記録というのが
好感であります
でも、これって、赤軍の人が日雇いバイトやって、初めて労働を理解したと言ったとか、言わなかったとかに
近い話の実録版だよなと思うのである
だからこそ面白いんだけれども

環境についてや、思想についてなんかも様々に書かれているのも面白くて、
活動のための活動とは異なる、本当に、というものが存在するならば
そこに近づく研究の一端ではないかなと思ったのでありました
水俣騒動のことをもう一度考えることや、
原発、火力発電所といった問題について、それを考えることがつまり
国の運営というもの、それそのものについてよく考えることになるのは
まったくその通りながら、結構できないことだなと
改めて思わされた次第であります

ともあれ、なんでもやってみるのがよいことだなと思うのだった


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