CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】楽園のカンヴァス

2014-08-23 09:28:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
楽園のカンヴァス  作:原田マハ

西洋美術史の謎といったらいいのか、
アンリ・ルソーなる、ピカソが崇拝したという画家の作品について
2人のキュレーターが真贋の鑑定に挑むという
謎解き小説でありました
かなり面白かった

美術コレクターの性質みたいなものや、
ルソーという画家についての探求、羨望といったこと、
そして美術館のキュレーターという仕事が
どんなものなのかが、描かれていきながら
やがて、幻というか、未知の名作絵画に秘められた謎が
あかされていくといった感じでありまして
物語として、かなりどきどきとして楽しかったのであります

ただ、のっけから、主人公が右往左往というべきか、
はらはらする展開ばかりなので、
鬱屈とするのではないが、素直に次の謎解きはと
進んでいくというよりも、
なんか、いやいや解かされていくかのような
重たい印象を引きずっていくのがステキでありました
もっというと、敵役である女性と、
何かしらのロマンスが起きるかしらの、
予感の手前くらいの淡い何かが起きたはなから、
それが叩き折られる展開が何度も続いて
やきもきとは違う、なんだろうかな、
こいつついてないなという、そういう感情を抱くにいたったのでありました
それはそれで面白かったからいいんだけども

くせのある、美術ごろつきみたいな連中が暗躍しつつ、
金と美術と、ピカソとルソーの
それぞれの価値や、美意識といったものが
白熱した議論というか、なんだろうかな
絵画の価値をめぐって、各社の思惑が錯綜するあたりが
非常に面白いものでありました
オチ部分は触れられませんが、
これはまぁ、この物語の選択が正しかったのかどうか
それはわからんなと、そういう按配なのであります

メインがその鑑定如何の部分で、
冒頭と最後に出てきた、ハーフの少女について
もうちょっと言及があるかと思いきや
あんまり重要ではないようでありまして
なんか、消化不良でもないけども
そこも掘り下げてほしかったかしらと
読み終わってから、読み足りない感想を抱いて
本を置いたのでありましたとさ


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