Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

DURA-ACE PD-7810 ペダル グリスアップ 分解

2016-09-11 20:34:49 | 自転車整備 ペダル
Shimano シマノの最高峰グレードの DURA-ACE そのペダルのグリスアップを行います
PD-7810 とても精巧に作られたパーツです





SHIMANO DURA-ACE PD-7810 他のグレードと外見はそう変わらないのですが
内部構造は全く別物です それは凄い!と、きっと感動を与えてくれるでしょう




今回のこのペダルは知人が分解しようとしたが
上手く行かず 別のペダルを用意したのでどうぞ
お好きな様にお使い下さいと頂いたものです






片方の回転部分に大きくガタも出ています
その辺も良く調べたいと思います




DURA-ACE のペダルの分解整備には 2種類のスパナを
使います






双方厚みの薄い物が必要で一つは 17mm のハブコンレンチ
これは Park Tool SCW-17








こちらはシマノの純正工具で TL-PD77 20mm のスパナです
Park Tool なら SCW-20 が使えます




では始めましょう 回転部分にガタの無い左側から
始めます ペダル本体側から ロックナット ボルト 
ペダル軸(取付けネジ)が見えています この辺は
どんな物か分解して行けば解ると思いますので
しばらくこのままお付き合い下さい






分解にはロックナットに 20mm のスパナを使います
この上のボルトと呼ばれる部分にスパを使う必要は
有りません






スパナでナットを緩めます 右側のペダルは正ネジです
左側は逆ネジになっています それ程大きな力も必要なく
ナットとボルトが緩みます 純正工具の大きさから考えて
それ程大きなトルクで締まっていない部分なんでしょう 
でも一気に緩む事が有るので手や指の怪我には注意が
必要です






ボルトを最後まで緩めるとペダルシャフトを抜く
事が出来ます








これがペダル本体内部に入っているシャフトです





ここは後で分解して行きますがクランク側の回転部分です 先程からボルトと呼んでいるパーツは
この様にスチールボールを受ける、玉受けにもなっている重要な部品です




ペダル本体の奥にも色々な物が入っています
ここが他のグレードと違う処です






ペダル奥の物を取り出す為に ソルダーエイドを使います
この様に先がフック状になった物が必要です 他にこの様な
物が有ればそれを使えば結構です




ペダルの奥へ道具を入れ先に引っ掛かった物を引き出します
さて、何が出てくるでしょう・・・






これは正式なパーツ名称は解りませんが樹脂で出来た小さな
輪っかです




次は小さなニードルベアリングが出て来ました 
これを見ると 凄い、と心のなかでつぶやく事でしょう(笑)






一番奥には まだスチールボールが入っています
3/32 サイズの小さな物が 9個出て来ます もう一度
凄い・・・




ペダル本体の奥に入っている物はこれだけです
実はニードルベアリングを受ける為の金属スリーブが
入っていますが今回それは抜けませんでした シマノの
分解図にも載せていないので外すのが難しいのでしょう






ではクランク側の回転部分を分解します ボルトに一枚
平ワッシャーが入っています 外しておきましょう




ここを分解するのには この黒く見えている丸い
リングを外します これはスナップリングです






その為にここではスナップリングプライヤーを使います
これは無くても出来ますが 有った方が良いですね、価格も
しれていますので デュラエースのペダルを触る時には是非
買って下さい








工具をリングに掛け リングを拡げてシャフトの溝に
嵌まっているスナップリングを外しました




これがスナップリングです 回転性能に寄与している訳では無く
整備性を上げる為に使われているのだと思います






これで内部のスチールボールが取り出せます 先程のリングは
おそらくボールのこぼれ止めですね、あれが無ければ組み付ける
時にかなり難しいと思います




ここには 3/32 のボールが 17個使われています
直径 2.3812mm のとても小さなものです






ボルトを外します 実際には玉受けも兼ねているのですが
シマノの展開図にはボルトとしか書かれていません








シャフトの一番奥に入っているのはゴム質で出来た
黒いシールです これは単体で補修部品として用意
されていないので丁寧に扱った方が良いですよ




これでペダルから外せる物は全部外しました






ニードルベアリングは 1.5×7.7mm 程度の金属棒が
8本、濃いグレーの樹脂ケースに収められています






これで左側の分解が終わりました 右側はちょっと
不具合を感じるので、その辺をチェックしながら
進めたいと思います





青い花が夕日に照らされていました まだ新しい芽が出ています

要らぬ解説などが多くて長い記事になってしまいました次回は逆の右側を分解します
普通ではちょっと考えられない様な不思議な手応えです、どの様になっているのか楽しみです
次回もお付き合い下さい

次の記事 【 DURA-ACE PD-7810 不思議な不具合 分解 】

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自転車の空気が抜ける 助けてメール

2016-09-06 20:33:51 | 自転車整備 その他 
雲が低く今にも降り出しそうなお天気の朝 電話に一通のメールが届きました
自転車に空気を入れていたらブシュ!と言ってタイヤから水が出て来た・・・
何の事か良く解りませんが、きっと直して下さいと言う事ですよね






天気も悪いので自転車を預かって来ました
ここなら雨が降っても作業が出来ます 成る程、
後輪の空気が抜けています






バルブに何か付いています ホイールが回転すれば
光る奴ですね 電池が切れたらただの重りです(笑)
メールに書いて有った様にリムとタイヤの隙間から
水が出ています






パンク修理道具を用意しチェックして行きましょう
空気が抜けていますが タイヤサイドにひび割れも無く
上手く使われています






バルブを見てみます あらあら、虫ゴムが千切れて
無くなっています 空気を入れている時に劣化した
物が千切れて プシューって音がしたのでしょうね






虫ゴムは買い置きが有るので新しい物を使いましょう
パンクと言われるうちの半分くらいはこれが原因です




バルブの入れ換えだけでは無く バルブの根元のリムナットを
緩めてみるとこれだけバルブが曲がりました この症状は何か
判りますか?






メンテスタンドを使いましょう タイヤを外して
中のチューブの状態を確認します 
黄色い道具はタイヤレバーです




タイヤのビートを外してチューブを見ると バルブの所で
チューブが団子になっています 空気が無い状態で車輪を
転がすとこの様な状態になります こうなると先程の様に
バルブが曲がります






チューブが回って団子になった状態で空気を入れると
しばらくしてから破裂します 一旦チューブを出して
入れ直しましょう タイヤの中に水が多く入っています
それも拭きながらチューブのチェックもします






チェックはタイヤの内側、リムの内部、リムフラップ
目視と指先で不具合を感じ取ると良いですね




フラップのバルブ穴が切れている事が良く有ります
要注意、要点検です








チューブを戻す前にバルブ部分の保護材を使っておきます
これは先日も紹介しましたが、古いチューブで作っています






チューブを入れます まずはバルブをリムの穴に通します








先程、新しい虫ゴムを付けたコアを使います コアナットは
しっかりと締め 根元のリムナットはゆるゆるにしておきます








この状態でチューブはペッチャンコです このままでは
どの様にでも捩じれます それを避ける為に少し空気を
入れます チューブが少し脹らむ程度で結構です






タイヤの中にチューブを入れると 次はタイヤをリムに
嵌めていきます バルブの所からスタートします バルブを
中に押し込みます リムとタイヤの間にチューブを挟まない様
にする為の手順です

※ タイヤをリムに嵌めるのはバルブの所を最後に残す人も居ます
  これは自分が覚えた方法で良いと思います






タイヤをリムに嵌めて行くと最後の部分は少し固くて
入り難いですね ここは指先では無く親指の付根辺りを
使うのがコツです 手で入らなければタイヤレバーを
使いましょう




空気は直ぐに入れるのでは無く チューブがタイヤと
リムの間に挟まっていないか良く確認をしてからです
チューブが噛んでいると間違いなく破裂します






空気を入れるとバルブがリムから伸びる様に出て来ます
リムナットは根元まで手で強く締めておけば良いです
工具を使う時でもほんの軽く締めます






指先にツバを付けバルブから空気が漏れていないか
確認します 最後はバルブキャップの取付けです




後輪はこれで点検と整備が終わりました




ついでに前輪も見ておきます






大きなダメージは有りません でも・・






新しい虫ゴムに交換しておきましょう




ここに来たらそう簡単に帰しません(笑) 
丁度油が枯れかけています、オイルを注しておきましょう






街乗り用の自転車にはこれ Super Lube スーパールーブの
HEAVY-DUTY CHAIN LUBRICANT 超耐久チェーン用潤滑剤
これのオイル持ちは凄いですね 普段使いには私が使った中では
ナンバーワンです




やや粘度の高いフッ素系の潤滑剤ですがチェーンの奥まで
浸透します 一般車には、飛散しない程度のやや多い目の
量を使う様にしています 私の普段使いの自転車にも使って
いますが充分満足させてくれます






変速機やブレーキの駆動部には ヴィプロスの
グレサージュを使っておきましょう ちょっと贅沢です(笑)








一通り点検しているとハンガーにガタが出ていました
一旦ロックリングを緩め玉当りの調整をしておきましょう






今回は玉当りの調整だけです 次の整備の時には
グリスの入れ替えもしてやれば良いですね
この辺の自転車は競技用自転車と違い シビアな
調整をするよりも、ボールを感じる位のやや渋めに
決めて行った方が無難ですね その方が自転車が
しっかりします 長く乗りっ放しでも壊れずに乗れる、
これは大切な事で 整備の一つの方法でも在ります





空気が抜けた!メールから始まった今回の作業 一通り点検整備をしました
前回は 6月中旬に洗車整備をしています それから3ヶ月、丁度良い時期でしたね





少し前は青い獅子唐でしたこれって赤くなるのかな? ちょっと見に行ってみましょう
他所のお家のものです(笑)

コメント (4)
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