今日、この半年間、本当に楽しんできた朝ドラの「なつぞら」が最終回を迎えたので、その感想を書いておきたいと思います。
今から書きはじめたら、「今日」ではなく「昨日」になってしまうかなとか思いながら・・・・・。
今、22:22なんです。
「今、何時 ?」と思うと、いつもではないものの、殆どぞろ目。これって結構気持ちが悪いですよ・・・、という事はどうでもよい事ですが、何でこの時間から書き始めて、書き終わるのが明日になりそうだと思うのかって言うとね、それだけちょっと気持ち的にはいろいろあったからなんです。半年間のドラマの感想を1回で書く事は、ある意味無謀でもあるわけですから。だけどできるだけ頑張って短くまとめてみたいと思います。
この朝ドラ、最初と最後の1週間は、本当に毎日ジワーッと瞼を濡らしました。
ところで私は今ではツイッターの朝ドラクラスタではありません。ツイッターに感想を書きこまなくなって久しいのですが、時々そこを開くと意見が「好き」と、「好きではない」に分かれているのですよね。「好きではない」と言う書き方は正しくはないのかも知れません。だって見続けているのですから。嫌いなら見ないっしょ。そこは「もっとこうであったらな。」と言う人たちでは無いかと思うのですよ。「好き」で感動している人たちは「こうであったらな」の人たちを、ヒロインの演技が、脚本が、演出がとつべこべ言っている人たちと思っていると思うのですが、ワタクシ、好きだったけれど、時々テレビ前でつべこべ言ってましたよ。
このなつさんは、実は私たちの母の世代の物語。
最初の戦争孤児の時代の物語の時、母たちの世代の心をわしづかみしたと思います。
そして最初の頃のお話のベースが「ハイジ」や「赤毛のアン」のアニメが見え隠れているような気がして、私たちの心もトキメキました。
他人だったなつが北海道で柴田家の家族になっていく様子は、毎朝ドライアイの治療に役だちました。
これは最初から最後までいえる事ですが、もう草刈正雄、最高ね。
中学の時にそのビジュアルからファンになって、ファン歴もなにげに長いのですが、彼自身がこんなに長くしかも演技派の俳優になるなんて思ってもみなかったですよ。ファンでいて良かった~と思える泰樹さんでした !!
ただ私、「演出につべこべ」の一つあったのは、千遥が再び北海道の牧場に訪れた時、泰樹さんが黙って抱きしめたじゃないですか。
ドラマ的には感動的。何も言わなくていいんだと黙って受け止めてくれる泰樹さん。良いシーンなのですが、
「ないないない。」「ムリムリムリ」と、首を傾げてしまいました。
ハグと言う習慣は、今の若い人ほどは無いんだよ、この時代の人はー。
「不自然なんだよなぁ。」と私が言ったら、
「どうでもいいんだ。そんな事は一つ二つはちっぽけな事じゃないか。」と夫殿。
そう言われてみたら、「まっ、良いか。」てな気持ちになりました。
だけど時々、ちゃんと時代を踏んでいたように感じていたドラマが、私たちの時代さえも通り越した現代劇のようになっているなと感じていました。それは途中からそうなってしまったように思えました。特に子育てと仕事の両立のシーンなど。
母たちの時代、まだまだ働く女性への風当たりは半端ないし、それでもやりぬいた人たちを助けたのは今の保育園のような場所ではなくて、たいがいは家族でした。言うなればおばあちゃんと言う存在。そのおばあちゃんと言う存在がなく仕事をしていた女性たちは、子育て・家事・仕事をこなすスーパーウーマンでなければならなかったのです。
言わせていただければ、私たちの時代もです。家に居たって、イッキュウさんの様な家事参加は、父の時代私の夫殿の時代に見たことがありませんよ。フンだ。
なんだよ、この現代劇の持ち込みはと、私は少々ガッカリしていましたよ、はっきり言って。
だけどこれは今という現在に放送されているドラマなのですよね。今働いている女性たちが、これを見ていて「よーし、今日も頑張ろう。」と思えるドラマになっていれば良いのですよね。
いつの時代のお話になってしまったのだろうかなんて事は、きっとどうでも良いちっぽけな事なんだと思います・・…たぶんね。
私はもう、いつの間にか「古い水夫」になってしまっているので、この現代劇を見て「よーし、今日も頑張ろう。」とは思いませんでしたが、それでもこのドラマが大好きだったのでした。
なぜなら、ひたすら懐かしかったからです。
以前の朝ドラでは、夫殿が何かのサイトからあらすじを知っていて、それを今見ているのに話すものだから、数分後に分かる物語を数分前に知ってしまうと言う、まるでニコラスケイジの映画の様な状態になっていました。(うざいね)
だけど今回の場合は、いちいち、「これはあの物語のことを言っているのよね。」と私がそのアニメを見た時の思い出を語り解説をすると言うような事が起きていました。まあ、はっきり言って夫殿は聞いていなかったと思いますが、それでも一人でテンション高く盛り上がっていました。
例えば「白蛇姫」。あれは「白蛇伝」ですよね。
このアニメに影響を受けた方々はたくさんいたようですよ。
それを幼かった私は母に連れて行ってもらったのです。そしてその後、私たちは白蛇の優雅さにうっとりして夢中になり、姉と二人で彼女の真似をして腕を動かしていました。
「ねぇねぇ、こんな風に腕が動いていたよね。綺麗だったよね。美しかったよね。」と。
この映画は、私にとっても何かの原点の様な大切なものだったのです。
それからテレビのアニメでは「百獣の王子サム」って、「狼少年ケン」の事じゃないかなと思いました。
私これも実は、このアニメを一番最初は映画館で見たのですよ。テレビでやったものを映画館でやるってなんか視聴者を甘く見ているのかってな感じですが、この時代はそうとは言えないのですよ。
なぜならテレビの普及率が100%ではなかったからです。それに電波状態も悪くて、映像が綺麗に入らないチャンネルなども多かったからなんです。横浜に住んでいた私の家は、まさにそれで、ある時まで本当にダメでした。
ある時と言うのは、山の上に共同アンテナを建てた時まで。それまでこの地域にNHKが集金に来ることはありませんでしたよ。(映らないからね。)
映画館で見たそれは本当に面白くて、後からテレビでもやっていると姉から伝えられて、それを家族で(歪んだ映像で)見るようになったのでした。これは「ジャングル大帝」でも同じ事が我が家では起きました。大きな映画館の綺麗な映像で見た「ジャングル大帝」は子供心にも感動的で、掴まってしまったレオの船が難破して、海を渡ってレオがアフリカの故郷に泳いで帰って行く姿に、私たちは泣きました。
テレビと同じものを映画館でもやっても、意味があった時代もあったのだと思います。
「キックジャガー」は「タイガーマスク」。白黒でありながら血しぶきが飛び、女ばかりの家庭では(父は居たけれど、あまり家にはいなかったので)かなりのショックで、「キャー」といっては全員がテーブルに顔を伏せました。
「 (そのショックな場面は)終わった?ねぇ、終わったの?」と聞いても、全員顔を伏せていたので分からずに、音声で判断して恐る恐る顔をあげたのでした。だけど「タイガーマスク」は傑作。家族でその後も見続けていました。
楽しいアニメ作品の思い出は、つまり家族との時間の記憶です。
別れ別れになってしまった戦災孤児のなつたち兄弟が再会し、再び家族の時間を取り戻していく物語。
そして私にとっては、映像から記憶の中の家族の時間を取り戻すことができたアニメ制作の物語。
なんだかんだと言ったって、このドラマを嫌いになることなんてできないのです。
どんなにヒロインが、
「じいちゃん、明日あたし歌留多大会に行ってくるね。」と言う言葉が飛び出てきても、何ら違和感がないなと密かに思っていてもです。(^_^;)
しかし北海道編はすべてが面白かったし感動ポイントが多数でした。
泰樹さんの「ソラ」を見た後の感想が「朝日を見せてもらった。」と言うのも良かったですね。
このシーンは私も「今日も頑張ろう。」と言う気持ちにさせていただきました。
また「キングダム」と言う映画を見た時に、「この美しい青年は誰?」となったのですが、それが毎朝見ていた天陽君だったとは・・・・という事で、それからは見る事の楽しみが倍増したと思います。
モデルがいたので、彼の運命は分かっていたわけですが、それでも若すぎる別れには胸が痛かったです。
脇を固めたキャストの皆さん、本当にそれぞれが皆、素晴らしかったです。
初回に流れたアニメが最後に繋がって行ったのも、私的には凄く良かったと思いました。
戦火を逃れようと、なつの手を引いて逃げてくれたノブさん。これは本当の過去の出来事。
だけれどラストに流れた映像は、確か初回と同じだと思うのですが、未来の仕事への展望を表現していたと思うのです。
過去も今もそして未来も、大事な時間ー。
そして老いた人は、緑の中に横たわり大地と風を感じていました。
若い夫婦と子供は緑の草原の中を歩いて行きました。
美しい最終回だと思いました。
※ 【追記】
真夜中、そうとう寝ぼけて書いていたみたいで、タイトルから脱字していました。訂正いたしました。m(__)m
またついでに書くような事ではありませんが、真夜中に寝落ちしながらは書けなかった事なので、追記させていただきます。
このドラマの途中で、あの恐ろしい京アニの放火事件がありました。その後にこのドラマを見続けて居た時、夢を抱いて頑張っていた方々の事が心のどこかに存在していたように思います。
アニメを作り出す現場の物語だったからです。
きっと皆さんが作り出した作品を、見た方々は心を時めかしながらずっと語り続けると思います。
私が「白蛇伝」を今でも熱く語ってしまうのと同じように、何年も何十年もずっと・・・・・・。