19世紀の終わり、エドガーとアランは二人だけで旅をしています。
《ネタバレしています。》
前回までの「ユニコーン」はバリーの本当の名前が分かったところまで。今回から新章突入で、なんと二人はアーサー卿の所に訪れるのです。
馬車での事故で川に落ち、その後の突然の睡魔に襲われたアランを助けるためにその家の扉を、エドガーは叩いたのでした。
アーサー・トマス・クエントン卿は、この先も二人にとって大事な役割を成す人。その出会いが描かれそうです。
その時、おりしも飼っていた犬のダ・カーポが亡くなってしまったばかりで、嘆き悲しむマルコを慰めていた卿でしたが、彼の言葉は、少々と言うかいちいち芝居じみている所が、ツボにはまりますね。
それはエドガーたちが訪れた時も
「ここは鬼の家だぞ」と言うー。
「鬼の顔を見せてやろう どうだ!」「驚け!」とランプを顔の所に持って行くと、雨の中に立つエドガーの顔が照らされて・・・。
「・・・・・・ランプトン・・・・・」
「・・・・来たのか・・・・・」
そして激しい雨のシーン。
もう激しい雨の音さえも聞こえてきそうです。
もう、本当に本当に素晴らしいですよね、この世界観。
どうしてここに扉絵を入れなかったのかと思ってしまいました。本編に入ってから長すぎるからかしら。でもドラマでも15分もお話が進んでからOPが入って「えっ、今から!?」って言うのもあるじゃないですか。
まあ、はっきり言って余計な事を言っているわけですが、
ーここにバーンってあったら良いのにな
などと、妄想するって言うのもある種の楽しみなのかも知れませんよね。
ところで今回、アーサー卿との出会いなのかと思うのと同時に、あの絵の誕生の秘密にも触れられるわけかとトキメキました。
「ランプトンは語る」は、下に貼っておきましたが「ポーの一族」の四巻目に収められています。
しかし若い時は、「チコちゃんに叱られる」ではありませんが、かなりボーっと生きていたなと思ってしまいました。いやいや、それは今もかなりと言うか、ますますかも知れませんがね。
だけどなんでそんな事を言うかと言うと、
「ランプトンは語る」の中でも
「トーマス・ロレンスは18世紀の肖像画家でした。」と言うセリフがあるのですよね。
彼が描いた「ランプトン少年像」の顔だけ違う模写が、「ランプトンは語る」の中心をなしているにもかかわらず、
その画家や作品を実在のものとも意識せず、ボーっと生きていた遠い昔・・・・・・・ハァ(タメイキ)
私は漫画から、かなり多くの事を学ばせていただいたと思っているのですが、1975年(「ランプトンは語る」)にせっかく望都様が教えてくださったと言うのに、スルーしていたのです。でも今になって、そこに拘る事が出来たのも、ある意味パソコン様のお蔭かもしれませんね。ササッと検索。便利な世の中です。
アーサー卿の家にあるのも、模写の模写らしいのですが、その実物は
しかし、この一枚の絵から、あんな風に、また今回も物語が紡ぎ出された、また紡ぎ出されるのかと思うと、ワクワクしますね。
やはり望都様は、天才です ♪
って、いまさら言うこともないか^^
今回のお話で、ちょっと衝撃を受けた所は、「犬はキリスト教徒ではないから天国には行けない。」と言うくだり。いろいろと深い。
そしてアーサー卿と彼が言う所のランプトンとは誰で、そこには何があったのか、また来月が楽しみですね。
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